採用面接の場や、全社イベントである経営計画発表会でも話されている、エルプランニングの組織構造についてお話しします。
「ゆるやかなマトリックス組織」
「ゆるやかなマトリックス組織」と呼んでいます。
マトリックス組織とは、多くの場合、このような解釈をしているようです:
マトリックス組織(マトリックスそしき)は、網の目型の組織形態で、従来の職能別組織にそれら各機能を横断するプロジェクトまたは製品別事業などを交差させたもの。
これに対して、エルプランニングの組織構造「ゆるやかなマトリックス組織」では、職能別の縦組織を立てるが横断プロジェクトの組織に対する強制力を弱めにおさえ、より柔軟にアサインされる形をとっています。実際にどのような運用をしているか、解説します。
職能別の縦割り組織
まず、職能別の縦割り組織があります。
いわゆるレポートライン、人事考課・評価をされるラインで、上長は誰かなどが表現されます。
人事考課・評価を職能別にしているのは、同じ職能を持つヒトから評価されないと納得がいかないだろう、という考えからです。現在のエルプランニングでは、営業部門、職人部門、管理部門の大きく3つに分かれています。
部門の中に、いくつかのチームを作り、その長を「マネージャー」(一般的には課長職相当)と呼んでいます。この「マネージャー」が、重要な役割を果たします。
案件別、プロジェクト別の横断組織・横連携
これに対して、案件やプロジェクトへのアサインは、横連携、横串で入ります。また、プロジェクトの状況に応じて、メンバーが増えたり減ったりします。
メンバーのアサイン、つまり、担当の振り分けは、マネージャーが責任を持ち、チーム内外のメンバーはそれぞれのマネージャーに相談します。
コミュニケーション最適化
縦割り組織を作った瞬間から、いわゆる「セクショナリズム」が発生します。
「それはウチの仕事じゃないです」と言わせないためには、部門間、チーム間のコミュニケーションを最適化することにより、メンバー全員が同じボリュームの情報を持って、お客様目線で考えざるをえない状況を作ることです。
コミュニケーション最適化の仕組み作りを継続的に行っていくにあたり、そのインフラとして各種のツールを導入しています。
●チャットワーク(KDDI Chatwork)
チャットワークのグループチャットを運用することで、コミュニケーション不全に起因する社内の問題は、ほとんど解決することができています。最近では、職人部門や管理部門に対してよろずの相談がすぐにできるグループチャットが作られる傾向にあります。定常的な取引先とのコミュニケーションもチャットワークで行っています。とてもベンリです。
●G Suiteをフル活用
G Suiteを利用しています。多くのメンバーが利用している機能は、
- メール
- カレンダー(スケジュール共有)
- スプレッドシート(エクセル共有)
- ドキュメント(ワード共有)
- ドライブ(ファイル共有)
- サイト(社内イントラ)
- ハングアウト(テレビ会議、画面共有)
お客様とのテレビ会議には、スカイプを利用することもあります。
●営業系
名刺管理ツールの「Sansan」や、高度なカスタマイズができる「Kintone」を使って、CRMやSFAとして活用しています。
●管理系
稟議、申請などワークフローを実現するために、「rakumo」を利用しています。「rakumo」のカレンダー機能を利用しているメンバーもいます。また、勤怠や経費精算に「ネクストICカード」というサービスを利用しています。総務系も迅速にペーパーレス化されました。
●開発系
エルプランニングには、プログラマーやデザイナー、コーダー、ディレクターなどのサービスを創る職人がいます。そのプロジェクト管理ツールとして「Backlog」を利用しています。「Backlog」はソース管理もできるので、「Git」を利用してソース管理にも活用しています。営業部門とのコミュニケーション、チャットワークではツライような細かいタスク管理にも「Backlog」を使っています。
●自社ツール
社内の職人集団が作り、メンテナンスしている自社ツールの完成度は、一部取引先からもお褒めの言葉をいただくことがあるほどです。
●会議
いまのところ、情報共有の場を作っています。一般に情報共有のための会議を開くのはよくないこととされていますが、いまの社内の状況では必要悪なのかもしれません。マネージャー層が集まる会議がありますが、チーム単位でも自主的に会議が開かれています。会議が増殖してきたらリストラしなければなりません。
ペーパーレス化が進んでしまった?!
社内の業務効率をなんとかあげようと多くのメンバーががんばった結果、業務のほとんどがこの2年ほどでペーパーレス化されました。特にペーパーレス化を意識したりそのような言葉が飛び交ったりしたことはありませんでしたが、結果的に契約等の対外コミュニケーション以外はペーパーレスとなり、いまの状況が生まれています。これは、決裁権者で紙にこだわるヒトがいなかったことが大きく寄与していると考えています。
「マネージャー」の役割
前述のとおり、エルプランニングでは「マネージャー」が重要な役割を果たしています。いわゆるプレイングマネージャー、つまり、自分で成果をあげながら、メンバーを見る・ケアする、という役割が求められます。具体的には、
- アサイン(仕事の割当)
- 評価、査定(メンバーの一次評価者)
- 目標の設定と管理
- 勤怠管理
などがあります。
メンバーの成長
エルプランニングのようなインターネットサービスで成立する企業では、資産はほとんど「ヒト」だけです。しかも、各個人の成長が、会社全体の成長に直結しています。提供するサービスのクォリティ、品質は各個人にゆだねられているといっても過言ではありません。各個人がなんらかの形で成長感、自らが変化しキャリアステップを踏んでいる感覚を持ち続けられるように、上長は日々気を遣います。具体的には個人面談などを行います。
エルプランニングでの組織の考え方、「ゆるやかなマトリックス組織」についてお話ししました。