誹謗中傷・風評対策

企業のSNSの風評対策とは?対策方法とSNS監視体制を整える方法

企業のSNSの風評対策とは?対策方法とSNS監視体制を整える方法

20代前後の若い世代を中心に幅広い世代が利用するようになったSNSでは、「ひとりごと」のように企業を宣伝するような投稿をするユーザーもいれば、逆に風評と感じとれるような投稿をするユーザーもいます。

本記事では、X(旧:Twitter)やInstagramなどのSNSを軸にして、インターネットに風評が投稿されてしまいやすくなってしまった原因や、投稿された風評を放置してはいけない理由、もしもそういった投稿をされてしまった場合でも被害を最小限に食い止められる方法などについて触れていきます。

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インターネットに風評が書かれてしまう理由とは

インターネットに風評が書かれてしまう理由とは

近年、インターネット上、とくにSNSに投稿された風評が多くの人に拡散されて炎上し、企業イメージが失墜してしまうような事態をよくニュースなどで目にする事が多くなりました。なぜ、インターネット上でこのような事態が発生してしまうのでしょうか。

インターネットの利用者数が増加した

インターネットは、今や全国民の90%近くが利用しているツールであり、小学生やお年寄りの利用率も伸びていると言われています。インターネットに接続する際に使用する主な機器であるスマートフォンを保有している世帯も令和元年度の総務省の調査では80%を越え、個人の保有率も67.6%と非常に高い数値を記録しています。

その他、20代若者を中心にインターネットの利用時間がテレビの視聴時間を上回っているという結果も報告されています。

参考:総務省「令和元年通信利用動向調査の結果」

「気軽に書き込めるツール」として依然と人気があるSNSの存在

インターネットの利用者が増える中、同じく利用者数を伸ばしているのがSNSです。例えば、現在勢いのあるInstagramは2019年3月の時点で国内のアクティブユーザー数が3300万人を突破した事を発表していますし、今でも人気のあるX(旧:Twitter)は2017年の時点ですでにアクティブユーザーが4500万人を突破していました。

参考:Instagramの国内月間アクティブアカウント数が3300万を突破
参考:Twitter Japan公式アカウント @TwitterJP

インターネット利用項目別平均利用時間

参考:総務省公式ホームページ 令和元年度 情報通信白書「第1部 特集 進化するデジタル経済とその先にあるSociety 5.0」

上のデータは2012年から2017年にかけてのモバイル機器からインターネットを利用している人が、何に対して時間を使っているかをグラフ化したものです。とくに注目したいのはSNSの利用時間の伸び率についてで、2012年から2017年の間だけでも約4倍の数値となっているのが分かります。

これらの事から、SNSに関しては単に利用者数が伸びているだけではなく、インターネットを利用しSNSに登録している人たちは、とても多くの時間をSNSに使っている傾向が強くなってきたということです。

「気軽に書き込めるツール」であるからこその危険

これらのSNSは、インターネット掲示板や口コミサイトと同様に、基本的に匿名で書き込みができるツールであるだけではなく、投稿の手軽さからまるで「ひとりごと」を呟くかのように思った事をそのまま投稿してしまう人も少なくはありません。

例えば、購入した商品に不備があった場合や、店舗のサービスに満足出来なかった際、SNSが普及する以前であれば「お客様相談窓口」や「お問い合わせ(メール)」 などクローズドな場所に報告されていたネガティブな意見が、現在はより投稿が気軽にできるX(旧:Twitter)やInstagramなどオープンな場所に投稿されるようになりました。

これらは、企業に対する悪意のある風評だけではなく、ただ企業に対するネガティブな出来事を「ひとりごと」を呟く程度の意図で投稿したというものもありますが、SNSは不特定多数の人が閲覧でき、さらにX(旧:Twitter)であればリポスト(リツイート)機能を使えば第三者が簡単に拡散する事も可能であるため、しばしば投稿者の意図と関係なく風評が拡散され、「炎上」に発展してしまう事があります。

企業に落ち度がなくても風評被害に遭ってしまう場合がある

また、SNS上では、しばしば企業に何の落ち度もないにも関わらず風評被害がおこる事があります。例えば、2020年初頭から猛威を振るい始めた「新型コロナウイルス感染症」(通称:コロナ)の影響で、「コロナ」という名前の付いた企業や商品が次々と風評に悩まされる事になったというニュースが報道されました。

落ち度のない企業が風評被害に遭った事例

引用:大阪コロナホテル公式Twitter @CORONAHOTELJP

もちろん、ニュースに掲載されたホテルをはじめ、同名の企業や商品に全く罪はありませんし、危ない事もありません。しかし、SNSなどでは面白半分の「縁起が悪い」「怖い」などという心無い言葉も相次ぎ、ネガティブな印象で企業の名前が知れ渡ってしまう場合もあるのです。

参考:名前が原因で風評被害を受ける「大阪コロナホテル」改名は? – ライブドアニュース

SNSの「風評被害」とは具体的にどのような事態が想定されるのか

SNSの「風評被害」とは

それでは、具体的にインターネット上、とりわけSNSで大きく問題となっている風評被害とはどんなものなのでしょうか。もしも風評が書き込まれ、それを放置してしまったために多数の人に拡散されてしまった場合、企業にとってどのような不利益になるのかを挙げていきます。

企業のブランド力・信頼関係の低下に繋がる

誰でも手軽にインターネットが利用できるようになり、インターネットショッピングを利用する人も増えてきました。インターネットショッピングでは実物を手に取って選ぶ事は難しいため、先に購入した他のユーザーの口コミなどを参考に選ぶ人も少なくありません。これは、飲食店やサロンの予約についても当てはまることです。

企業などでも、美容関係や飲食関係を中心にX(旧:Twitter)やInstagramにレビューを載せてくれるユーザーを定期的に募りプレゼント企画などを行ったり、PR漫画等でアピールしてくれる漫画家さんに商品を提供したりする場合もあるので、その販促効果の大きさは現在でも認められているものだと言えます。

さらに、感染症予防の観点から「出来るだけ外出したくない」「外で色々悩むのではなく家で吟味し、買い物は短時間で終わらせたい」という需要から、今後も購買層が自分から「手軽なSNSを使って気になる商品の評価を探す」という行動は増えていくと予測できます。

そうした事実を踏まえてみても、ネットユーザーがSNSで紹介された意見を閲覧した時にもしも風評コメントが掲載されていたら、その事を理由に商品の購入をやめてしまう可能性は大いに考えられます。また、自社の製品と他社の製品で購入を迷った場合も、悪いコメントの比率が多い方を切り捨ててしまいたくなる心理は多くの人に当てはまるでしょう。

不買運動などの誘発に繋がる

SNSに投稿された風評を信じた人達や、投稿者に共感した人達、テレビや他のサイトで見たネガティブな記事を見た人達などが元の風評ツイートをリツイートしたり、「#不買運動」などといった意味のハッシュタグをつけてツイートを行ったりするなど、積極的に別のユーザーに対して不買を行う事を進める場合もあります

そういった不買を促すような投稿を見て賛同した人達が同じように不買を促す…といった負の連鎖が続いていきます。前項で触れた「販促効果」の逆バージョンをイメージすると分かりやすいかと思います。不特定多数が閲覧できる場に風評を残しておく事は、信用の低下だけでなく直接的な企業の売上にも影響が出てきてしまうのです。

サジェスト汚染など被害の拡大に繋がる

インターネットの検索エンジンには、「サジェスト」という検索補助のためのワード予測機能があります。検索エンジンのサジェストに表示されるワードは、GoogleやYahoo!がそれぞれに設定しているアルゴリズムを用いて、「多くの人が検索ワードと組み合わせて使用しているワード」や「検索結果に出るサイトの中で、検索ワードと一緒に出現する確率の高いワード」などを機械的に選出し、表示しています。その選出に関わるデータの対象には、X(旧:Twitter)などのSNSに投稿されたワードも少なからず関わってきます。

SNSへ投稿された風評をきっかけに検索サジェストにも風評が表示されてしまう場合の流れをざっくりと追ってみましょう。

【SNSへの投稿をきっかけに検索エンジンのサジェストに風評が出現してしまう場合の一例】

  1. 食品を扱う企業の商品に対して「〇〇(商品名)まずい…」などといったワードが含まれた投稿をされてしまい、その投稿が人気を集めて多くの人にリツイートされる。
  2. 大量にリツイートされたり引用されたりする事によって、ユーザーが「〇〇(商品名)は本当にまずいのかな?」と疑問に思い、検索エンジンを使って検索を行う。
  3. 検索エンジンのアルゴリズムが「〇〇(商品名)と『まずい』というワードは関係が深くユーザーに需要がある」と判断し、検索サジェストにも「〇〇(商品名) まずい」と表示されるようにしてしまう。

検索エンジンは、インターネットを利用する人であれば必ずといっても過言ではないほど利用されるツールです。そのため、検索エンジンのサジェストに風評が表示されてしまうと、普段頻繁にSNSを利用していないユーザーまで企業に対する風評を目にする状況になってしまう場合もあります。

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風評は企業だけでなく企業に関わる人々にも影響してしまう

企業への風評被害の形はサービスや商品のイメージ失墜だけではありません。新潟県に本社を持つ暖房器具等で有名な企業の「株式会社コロナ」も、「社名がコロナウイルスを連想させる」ことによって企業で働く社員とその家族が心を痛め、不安を感じていると報道されています。売上には直接影響はなかったものの、会社に対して誹謗中傷のメールなどが届いているという事実もニュースとなりました。

しばしば、心無い風評は企業が大切にすべき社員やその家族にまで悪影響を及ぼしてしまう場合があります。上記の件を受け株式会社コロナは、「このような状況に屈せず明るく元気に暮らしてほしい」などといった想いを発信するため、6月13日、新潟日報に代表取締役社長からのメッセージ広告を掲載しました。

ちいさな子どもでも自分で読む事ができるよう、ひらがなやカタカナを使い、やさしい日本語が並べられたメッセージには「キミのじまんのかぞくは、コロナのじまんのしゃいんです。」と綴られています。

参考:コロナではたらくかぞくをもつキミへ コロナ社長が広告 [新型コロナウイルス]:朝日新聞デジタル
参考:コロナではたらくかぞくをもつ、キミへ株式会社コロナ 社長から社員とその家族にエール

SNSに投稿された風評に素早く気付くための具体的な対策方法とは

具体的な対策方法とは

企業側で何か不祥事があった訳ではなくても、例えば働いている社員やバイトなどにバックヤードの風評を投稿されてしまう場合や、恨みを持って退職した元社員による投稿、サービスを利用した客による投稿など、SNSでの風評はいつ投稿されてしまうかわかりません。

いつ風評が投稿されてしまうかわからないからこそ、その風評が炎上しないように対策をしておき、火種になりそうな風評に対していつでも対処できる万全の状態を保っておく事が大切です。

まずは自社の評判を知ることが大切

X(旧:Twitter)やInstagramなどのSNSでは、ユーザーが投稿したワードを検索する事が可能です(Instagramの場合はハッシュタグの検索が可能です)。SNSが公式に設置しているツールを利用しても、これらの検索は簡単に行う事ができます。

本記事では主要なSNSであるX(旧:Twitter)とInstagramを利用した自社の評判の検索方法について解説しますが、GoogleやYahoo!などの大手検索エンジンも利用してチェック出来るとより効果的です。

X(旧:Twitter)の場合

X(旧:Twitter) 高度な検索

引用:X(旧:Twitter)公式 高度な検索

X(旧:Twitter)公式の検索はこちらの「高度な検索」ページから行うことができます。キーワードやハッシュタグで絞り込めるだけではなく、日付や「いいね」、リツイートの数などでフィルターをかけられるため、用途に応じた検索が可能です。

対象期間を絞らなかった場合は、X(旧:Twitter)が公開された日から全ての公開ツイートが検索の対象になります。

とても便利な機能ですが、現在こちらはX(旧:Twitter)にログインしているユーザーのみ利用が可能となっているため注意が必要です。

また、X(旧:Twitter)の検索をもっと簡易的に行いたい場合は「Yahoo!リアルタイム検索」も利用する事が可能ですが、こちらは最新30日までのツイートしか閲覧する事ができず、問題のあるツイートをYahoo!側が自動的に判定して検索結果の反映しない場合があるため注意が必要です。

Instagramの場合

Instagram検索

引用:Instagram

Instagramの検索フォームは、PCの場合は画面の上部に設置されています。スマホの場合は、ブラウザ版もアプリ版も画面下部にある虫めがねのアイコンをタップすると検索フォームのあるページに移動する事ができます。

Instagramにおいても、検索の対象になるのは公開アカウントに設定されたアカウントからの投稿のみとなり、非公開(鍵)アカウントのものは閲覧が出来ません

しっかりサポートを行った上で自社のサービス向上に役立てる事も大切

SNSへの風評投稿の中には、「この商品を通販で買ったけど、商品が破損していた」「〇〇店に行ったけど、店員の対応が悪くて不快に思った」など、一見風評のように見えますが、しっかりと企業側が耳を傾ければ自社のサービス向上に繋げる事も可能な投稿もあります。

こういった投稿に対しては、自社の公式SNSのアカウントやカスタマーサポート専用のアカウントなどから積極的にサポートを行うという解決策もあります。これを「アクティブサポート」と言います。アクティブサポートは、従来の「顧客側からの問い合わせに対してサポートを行う」というカスタマーサポートではなく、企業の方から顧客の不満や意見を汲み取り、自発的にサポートを行うカスタマーサポートの手法です。

効果的なアクティブサポート

引用:アスクルお客様サービスデスク @askul_cr

上の画像は、X(旧:Twitter)でのアクティブサポートの一例です。最初の利用者のツイートは、サポートサービス用のアカウントへのリプライにはなっていませんが、企業の方が社名を検索(エゴサーチ)し、サービスへの不満について投稿しているユーザーを発見して返信を行っています。

企業からのサービスや商品に対して不満があった際、自分からコールセンターやお客様相談窓口へクレームを言ったり相談したりする人よりも、SNSなどに少し愚痴を呟く程度におさめて次回からの購入を止めてしまうという人が一定数います。なぜなら、現代ではサービスや商品の「代わり」になるものがありふれており、ユーザーにはその中から選択できる権利があるため、わざわざ不満のあるサービスや商品を利用し続ける理由がないからです。

しかし、企業の方から「SNSなどに呟かれた少しの愚痴」を拾い上げ、丁寧に謝罪・自発的かつ適正なサポートを行う事で、ネガティブな印象からの挽回をはかり、離れていくつもりだった顧客をつなぎ留める事が出来ます。

それだけではなく、コールセンターやお客様相談窓口などクローズドな場所での適切な対応はもちろん、SNSという開かれた場所でも丁寧な謝罪やサポートなどといったやり取りをしっかり行う事によって、企業に対する愚痴や風評ツイートがネガティブな印象のまま拡散されてしまわないための対策にもなり得ますし、対応が適切であると認められた場合には逆に企業のファンになってくれたりリピーターになってくれたりする人も現れる可能性があります。実際にアクティブサポートを効果的に用いる事によって失墜しかけた名誉を挽回したような企業もあります。

さらに、普段は企業に届かないような「この商品はよかった」「〇〇店のスタッフが良かった」などポジティブな意見に対しても企業公式アカウントからお礼を伝えられるといったようなやり取りはアクティブサポートならではの顧客対応です。SNSを使ったアクティブサポートは風評対策の一環だけではなく、同時に自社のサービス向上も狙える方法として導入を検討してみても良いのではないでしょうか。

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自社で人員を割けない場合は外部に委託する事も検討

SNSにおける風評対策の必要性は理解しているものの、毎日SNSで自社のサービスや商品の評判を検索するのは時間がかかっていまいます。そのため、自社でそこまでの人員は割けないという事を理由に中々SNSの監視を行えていない企業もあるでしょう。

そういった問題でSNSの監視が行えない場合は、以下の方法で解決する事もできます。

監視ツールの導入

まずひとつめは、 SNSの監視ツールを導入するという方法です。SNSの監視ツールとは、監視するワード(=検索ワード)を設定することで、X(旧:Twitter)に投稿された「検索ワードを含む投稿」をより簡単に確認できるようにするものです。

ツールによっては、X(旧:Twitter)だけではなく、検索エンジンや2chなどの掲示板、ネットニュースなども確認できるものもあります。その他にも、もし炎上に繋がりそうだと判断できる危険な風評が投稿されたり、検索ワードと危険ワードを含む投稿が一定数リツイートされたりした場合には自動メールなどで知らせてくれるような機能がついたツールもありますので、複数の会社のツールを良く見比べて一番自社の需要に合ったものを選ぶようにすると良いでしょう。

こちらのツールに関しては完全に外部に監視を委託する訳ではなく、ある程度は自社でツールの設定や監視を行わなくてはいけませんが、月額の料金が次に説明する有人監視に比べて高くはなく、 導入がしやすいという事が大きなメリットとして挙げられます。また、監視のために割かなくてはいけない作業時間の大幅な短縮にも繋がります。

有人監視の導入

ふたつめは、有人監視の導入です。こちらは先に紹介したツールとは違い、監視そのものを全て別の会社に丸投げしてしまうという方法です。こちらも、主に誹謗中傷対策を行っている会社がサービスとして提供している場合が多く、24時間体制で監視を行ってくれるようなものから、決められた時間ごとに定点監視を行ってくれるようなサービスまで幅広く存在しています。

指定したキーワードに関する情報を実際に人の目を使って確認しているため、ツールを利用するよりも料金が高めに設定されている場合がほとんどですが、有人監視の場合は風評ワードを含む投稿があっても文脈まで見て本当に危険かどうか判断してくれるため、危険な投稿の判断に対する精度が高く、安心です。

さらに、SNS以外にも監視したいサイトがある場合で、そのサイトがログインの必要な会員向けサイトである場合(転職系の口コミサイトなど)でも対応してもらえる可能性もあるなど、企業に合わせたカスタマイズの要望や相談を聞いてもらえる事もあります。

有人監視の導入を検討する際は、まず有人監視サービスを提供している業者に相談し、自社で行いたい監視場所(SNSや掲示板など)の希望や予算等を相談してみて、自社に合った最適なプランを提案してもらうと良いでしょう。

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もしもSNSに風評が書き込まれてしまった場合の対策方法とは

SNSに風評が書き込まれてしまった場合の対策方法

X(旧:Twitter)やInstagramなどに投稿された風評が違法となる場合の例としては、以下のような場合です。

【名誉権侵害】

風評が社会的評価の低下を招く場合、つまり会社と接点を持つことを避けられてしまうような場合は、名誉権を侵害する違法なものといえます。会社名が明確に書かれていなくても、たとえば一部伏せ字にされていたりしても、どの会社のことを述べているか分かるのであれば、この判断は変わりません。ただし、ここで注意が必要なのは、風評の前提となっていることが本当のことであるとすると、違法なものとは言いにくくなるということです。
名誉権侵害は民事上の問題(損害賠償などの問題)を生じさせるほか、内容がひどいものであれば刑事上の問題として、名誉毀損罪や侮辱罪が成立することもあります。

【業務妨害罪、信用毀損罪】

誤った情報や噂などを流して企業の業務を妨害(偽計業務妨害罪)したり、威力を用いて業務を妨害(威力業務妨害罪)したりするような投稿があった場合には業務妨害罪に当てはまる場合があります。企業の信用を貶めるような虚偽の情報は「信用毀損罪」に当てはまる場合もあります。

参考:ネットの誹謗中傷が犯罪になる事例(1) ~名誉毀損罪・侮辱罪が適用になる条件~
参考:ネットの誹謗中傷が犯罪になる事例(3)~業務妨害罪・信用毀損罪が適用になる条件~

自社で削除申請をする

SNSの違法投稿の削除依頼は、被害を受けている本人であれば自分で申請する事が可能です。今回は主要なSNSのうち、X(旧:Twitter)とInstagramの削除依頼方法(違法投稿を報告する方法)について解説します。

X(旧:Twitter)の場合

X(旧:Twitter)の詳しいルールに関しては、こちらの「Twitterルール」を参考にすると良いでしょう。風評ツイートがこちらのルールに違反している場合や、法律に違反していた場合、Xヘルプセンターの「違反報告」ページから報告を行います。報告を行う前に、風評ツイートのURLや相手のアカウントを控えておきましょう。

 

まず「どのような問題がありますか?」「報告する内容の対象」という質問がありますので、当てはまるものをプルダウン形式の選択肢から選びましょう。

X(Twitter)ヘルプセンター 違反報告

引用:X(Twitter)ヘルプセンター 違反報告

次に、自分のメールアドレス、報告対象のアカウントID、違反しているポスト(ツイート)のURLを記入しましょう。一度の申請で複数の違法ポスト(ツイート)を報告したい場合は、「別のリンク追加」を押して記入欄を追加してください。

「現在起きている問題について、詳しくお知らせください。」の欄には、報告のポスト(ツイート)がX(旧:Twitter)のルールや法律に違反していると主張する理由を詳しく記入します。さらに、もしも違法なポストをしているユーザーが複数のアカウントを所持していて、その情報が確実である場合はこちらで報告する事ができます。こちらにはスクリーンショットなどの画像は添付できないため、必要であれば該当ポストのリンク等を添付します。

最後に、「報告されている内容を、自分に今後送信されるものに含めてもかまいません。」という項目にチェックし、送信ボタンを押して報告は終了です。

Instagramの場合

Instagramの詳しいルールについては、こちらの「コミュニティガイドライン」にて確認する事ができます。

Instagramでの風評のうち、自社アカウントの投稿に対するコメントの場合は、自社のアカウントの権限で削除を行う事が可能です。しかし、安易なコメント削除は更なる火種を生みかねないため、予めプロフィール欄や投稿本文の最後、またはソーシャルメディアポリシーなどを公開している場合にはそこで、「違法なコメントは削除する場合があります」などの注意文を記載しておくのも良いでしょう。

Instagramヘルプセンター

引用:Instagramヘルプセンター Instagramでの嫌がらせまたはいじめを報告

Instagram内での違法投稿などは、ヘルプセンターの「Instagramでの嫌がらせまたはいじめを報告」から行う事が出来ます。

Instagramでの嫌がらせまたはいじめを報告

引用:Instagramヘルプセンター Instagramでの嫌がらせまたはいじめを報告

Instagramでも、X(旧:Twitter)と同じように違法と思われる投稿のURLや(不適切であるとされる場所が投稿の本文であった場合)その本文を入力するなどの作業が発生します。「このコメントが不適切だと思う理由」については、投稿がInstagramのルールや法律に違反していると考える理由を詳しく記入してください。

弁護士や誹謗中傷対策の業者に依頼する

何らかの理由があり自力で削除する事が難しい場合や、法的に削除できるのかどうかの判断が自社では判断出来ない場合、または自分で削除申請を行っても何らかの理由で削除が出来なかった場合などは、ぜひ一度弁護士に相談してみましょう。

風評だと判断された投稿が違法になるのかどうかも含めた見解を教えてもらえるだけではなく、必要であれば企業の代理として削除申請の手続きを全てお願いする事も可能です。

一般の人にとって、SNSの投稿の削除依頼を出す際に必ず記入しなければいけない「不適切だと思う理由」という欄を投稿が違法であるという根拠を含めて正しく説明する事は困難です。弁護士ならその点を上手に説明できるだけではなく、前例などを考えてより削除されやすい言葉を使って依頼を行ってくれるでしょう。

もしも削除が必要だとされる風評が違法ではなかった場合、法的に削除する事は困難になります。そういった場合は、削除以外の風評の対策方法について誹謗中傷対策を行っている業者に相談してみましょう。

弁護士や誹謗中傷対策の業者へ相談する際は、どちらもインターネットにおけるトラブルの対策実績がどの程度あるのかを確認すると良いでしょう。予算や希望をしっかりと伝え、信頼のおける弁護士や業者を選ぶようにしてください。

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まとめ|企業の風評対策はまずSNSから!風評をサービス改善に繋げる向上心も大切

企業の風評対策はまずSNSから!

インターネットを利用する人のうち、大多数がSNSを利用すると言われている現代。SNSには「ひとりごと」のように企業に対する風評が投稿されることも少なくありません。

企業がSNS風評を放置してしまった結果、思わぬ程多くの人に拡散されてしまったり、不買運動が起こってしまったりなど直接的な影響が出てしまう恐れがあるので、しっかりと風評対策を行っておくことは大切です。

とはいえ、風評はいつ書かれるか予測がつかないもの。そのため、投稿されてしまった風評をいち早く見つけるためにSNSの監視をしておく事が有効と言えます。さらに、監視やエゴサーチで見つけたネガティブな意見に関しては、企業自らが顧客をサポートし解決を促す「アクティブサポート」という手法を用いる事も選択肢のひとつだと覚えておいてください。

SNSのルール違反であったり、違法だと思われたりする投稿を削除したい場合は、被害に遭っている本人であれば無料で行う事が可能です。削除できる確率を上げたい場合は弁護士に相談してみる事をオススメします。もしも削除したい投稿が違法と判断できなかった場合は、誹謗中傷対策を行っている業者に相談してみるのも良いでしょう。

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監修者
法律事務所アルシエン 共同代表パートナー

清水 陽平

清水陽平弁護士
2007年弁護士登録(60期)。2010年11月法律事務所アルシエンを開設。ネット中傷の削除、投稿者の特定、炎上対応などインターネット分野の法律問題に取り組んでいる。総務省の「発信者情報開示の在り方に関する研究会」(2020年)、「誹謗中傷等の違法・有害情報への対策に関するワーキンググループ」(2022年~)の構成員となった。主要著書として、「サイト別ネット中傷・炎上対応マニュアル第4版(弘文堂)」などがあり、マンガ「しょせん他人事ですから ~とある弁護士の本音の仕事~」の法律監修を務める。