匿名で発信できる5ちゃんねるなどのネットの掲示板では、誹謗中傷や個人情報を晒すような書き込みが度々問題になっています。地域に特化したネット掲示板である爆サイも同様です。
誹謗中傷などの悪意のある書き込みは、何らかの方法で削除しない限りインターネット上に残り続け、企業や個人のイメージを毀損する原因になります。
爆サイに正しく申請をすることで不適切な書き込みは削除されますが、手順を守っていないと、書き込みが削除されないばかりか削除依頼をした人がブラックリストに登録されてしまう可能性もあります。
そこで今回は、爆サイの書き込みを削除したい場合の正しい削除依頼の方法や、やってはいけない行為について解説します。
爆サイってどんなサイト？
爆サイは5ちゃんねるに比べるとそこまで知名度は高くありませんが、実は日本国内でも有数のアクセス数を誇る掲示板です。
引用：爆サイ.com－日本最大級のローカルコミュニティ掲示板
まず始めに、爆サイの概要や書き込みの特徴について解説していきます。
爆サイは5ちゃんねるに次ぐ巨大掲示板
爆サイは地域に特化したローカルなコミュニティが特徴の掲示板です。東北板、関東板など、地方ごとにコミュニティが分けられていて、それぞれローカルな話題が書き込まれています。
地方ごとのコミュニティからさらに県、市、最寄り駅とスレッドが細分化されているため、ピンポイントで自分の知りたい地域の情報を得ることができるという点が、多くの利用者を集めている理由の1つです。
爆サイの統計によれば2021年には123億PVを突破しており、5ちゃんねるに次ぐ巨大掲示板となっています。
国内の主要インターネット掲示板のうち、カテゴリ数を見れば5ちゃんねるを抜いて堂々の1位となっており、書き込まれているジャンルや内容の豊富さが窺えます。
膨大なアクセスを集めるサイトであるものの、運営元は明かされておらず、運営者情報には「爆サイ.com係」とだけ記されています。2020年2月、「Aegate（エーゲート）株式会社（現：株式会社フェイズ）」が爆サイの運営元であると報じられましたが、同社はこれを否定しており、運営元は判然としていません。
警察や弁護士などが問い合わせた場合は住所や電話番号などの連絡先が開示されますが、一般の利用者は運営元に関する情報を得ることが難しい状態です。
参考：爆サイ.comとは？
参考：エーゲート株式会社
参考：株式会社フェイズ
「爆サイ」管理人総選挙とその結果は？
運営元会社は依然として不明の爆サイ。2022年10月には、爆サイの新たな管理人を決める総選挙が行われました。
総選挙では、まず2022年10月3日～10月16日までに転職サイトのdodaまたは爆サイ内にある公式ページからエントリーを受付け、書類選考を行い、一般枠・推薦枠によって選考を通過した50名に中から投票で1名を選出するというもの。
管理人として選ばれた1名は「管理人」として主に口コミの削除やページメンテナンス、アクセス解析などといった事務業務と爆サイのPRや関連情報の発信、提携サイトや雑誌のインタビュー対応などといったアンバサダー業務を行うとされており、その時給は10万円が提示されていました。
投票の結果、2位に大差を付けて暴露系YouTuberのコレコレ氏が初代の管理人として当選したようです。（契約は6ヶ月間）
参考：爆サイ.com管理人総選挙 – 日本最大級のクチコミ掲示板
参考：【時給10万円獲得のチャンス！？】月間10億PVの日本最大級地域密着掲示板サイト「爆サイ」が管理人総選挙を10月3日よりスタート！ – 株式会社湘南乃ササキのプレスリリース
爆サイに書き込まれる誹謗中傷の特徴
爆サイに書き込まれる誹謗中傷の中でも多く見られるのが、水商売や風俗業などに従事している人に対するものです。爆サイはナイトワークに関するカテゴリが多く、そこで働く人の個人情報を晒したり、評判をおとしめたりする書き込みが目立ちます。
また、ローカルなコミュニティであるため、イニシャルや伏せ字など少しぼかした書き方をされていても個人が特定されやすく、いわゆる「身バレ」の危険性が高いです。
近隣の地域に住んでいる人が誹謗中傷の書き込みを目にする可能性も高く、悪意のある書き込みがネットだけでなく現実の生活にも悪影響を及ぼしやすい掲示板と言えます。
爆サイの削除対象になる書き込み
爆サイには利用規約が定められており、これに違反する書き込みは削除依頼によって削除される対象となります。
爆サイの規約を確認！違反投稿の基準とは
誹謗中傷など書き込みに関連する規約は、主に次のようなものが挙げられます。
- bakusai.comドメイン以外のURLの記載
- 他人の名誉、社会的信用、プライバシー、肖像権、パブリシティ権、著作権その他の知的財産権、その他の権利を侵害する行為(法令で定めたもの及び判例上認められたもの全てを含む)
- 本名、住所、メールアドレス、電話番号の記載(一般に公開されている情報・公人に関してはこの限りではありません)
- 犯罪予告、自殺への誘引その他他人を威迫・脅迫する旨が看取される内容を含むもの
参考：利用規約｜爆サイ.com
個人情報や権利侵害にあたる書き込みの取り扱いは5ちゃんねるなどの主要な掲示板と類似していますが、外部サイトへのリンクを規約違反と見なすのは爆サイ独自の方針です。
また、各掲示板には「運用規定（ローカルルール）」という、掲示板独自のルールが存在している場合があります。爆サイの利用規約には、「運用規程が本利用規約に抵触する場合には、運用規程が本利用規約に優先します。」と記載がありますので、対象の掲示板のローカルルールをよく読んでおくことも重要です。
依頼をしても削除されない書き込み
上記の規約に違反していないと見なされた場合や、犯罪報道に関する書き込みは削除依頼をしても対応してもらえません。「利害の公共性、公益性を図る為」とのことです。企業の電話番号や住所、個人のSNSのIDなどが晒されている、といった場合も「一般に公開されている情報」である限り削除されないのが原則です。
また、「犯罪予告」にも詳細の規定があり、厳密には「時間・場所・人物の指定を伴う、殺害および爆破を予告する投稿」が禁止となります。「自殺誘引」に関しても同様となります。
なお2022年4月より「24時間以内のレス削除機能」がリリースされ、自分が行った書き込みについては、会員登録をしているユーザーであれば24時間以内の投稿は自分で自由に削除できるようになりました。それに伴い「削除パス機能」も廃止されています。
「24時間以内のレス削除機能」を利用するには、「爆サイに会員登録をしていること」「投稿時に爆サイの会員としてログインをしていること」の2点が必須となっている点については注意が必要です。
参考：【全カテゴリ】「24時間以内のレス削除機能」リリースと「削除パス機能」廃止のお知らせ｜爆サイ.com
爆サイの書き込みの削除方法
爆サイの書き込みを削除するためには、自分で削除申請をする、弁護士に削除を依頼する、誹謗中傷対策業者に依頼するという３つの方法があります。
自分で爆サイの書き込みを削除する
自分で書き込みを削除する場合は、スレッド下部の削除依頼フォームから行います。
過去は誰でも削除依頼が可能でしたが、2023年現在では爆サイに会員登録をしたユーザーのみ削除依頼が可能となっています。削除依頼を行いたい場合は、まず爆サイへの会員登録を行いましょう。
会員登録にはメールアドレスが必要です。捨てアドレスでの登録が不可であるため、Gmail等信頼度が高めのメールアドレスを使って登録しましょう。
爆サイへの削除依頼はメールなどフォーム以外からは受け付けていませんので、必ず次の手順の通り行いましょう。
２．削除依頼フォームに必須項目を入力し送信
必須の入力項目は次の６つ。
- スレッドNo.
- スレッドタイトル
- レス番号
- 通報区分
- メールアドレス
- 削除依頼理由
スレッドタイトルまでは自動で入力されるため、自分で記入するのはレス番号からです。また、削除依頼を行うには会員ログインが必要なため、会員登録に使用した自分のメールアドレスもあらかじめ表示されています。
３．「削除依頼を送信」ボタンを押す
全て記入をし、漏れがないか確認した後に「削除依頼を送信」ボタンを押したら削除依頼完了です。
以前の仕様では登録したメールアドレス宛に認証メールが届いていたのですが、現在は削除依頼時の認証メールは廃止され、「削除依頼を受理しました」という画面が出た時点で依頼は完了しています。
削除依頼を送った書き込みが規約違反だと削除人に判断された場合、72時間を目途に削除されます。規約違反の書き込みをしたユーザーは、以後書き込みできなくなります。
自分で削除依頼をする時に注意したいポイント
爆サイはメールでの削除依頼は一切受け付けていませんが、仮に何通も同内容の削除メールを送信した場合、最悪の場合ブラックリストに登録されます。登録されるとその後一切削除依頼に対応してもらえなくなるとされているので、削除依頼は必ず指定のフォームから行いましょう。
依頼時には威圧的な態度をとったり、仕様上できないようになっていますが、同じ依頼を何通も送ったりすることも避けて下さい。このような行為は爆サイの運営側から業務妨害と見なされ、禁止リストに登録される原因になります。
削除依頼は必ず丁寧な言葉で記入し、1つの書き込みに対し1回だけするようにしましょう。削除されるまでの目安が72時間程度とされているため、その間は対応を待つようにして下さい。
削除して欲しい書き込みが複数ある場合は、まとめて依頼することができないため、レス番号ごとにそれぞれ削除依頼を送ります。例えば消して欲しい書き込みが3つある場合、3回に分けて依頼フォームを送信して下さい。
また、書き込みした人を特定したいと考えているなら、削除依頼をしてはいけません。書き込みを削除する際、通信記録も一緒に消えてしまうおそれがあるためです。発信者を特定するつもりなら、削除する前に弁護士に相談するようにしましょう。
参考：削除依頼について｜爆サイ.com
参考：よくある質問｜爆サイ.com
弁護士に爆サイの書き込み削除を依頼する
書き込みが法律に違反していれば、弁護士に依頼して書き込みの削除を代行してもらうことが可能です。法的な根拠を示しながら削除の依頼ができるため、個人で依頼するよりも削除される確率が高くなります。
削除だけでなく、書き込みした人を特定したい場合や損害賠償を請求したい場合、弁護士しか対応することができません。こうした措置を希望する場合は、ネットの誹謗中傷問題に強い弁護士に相談するようにしましょう。
誹謗中傷対策業者に依頼する
消したい書き込みが爆サイの規約や法律に違反していない場合、削除依頼を通して削除してもらうことが難しくなります。削除が難しい書き込みについては、誹謗中傷対策業者に依頼するのがおすすめです。
誹謗中傷対策業者は、削除をしないで該当する書き込みを人の目に触れにくくするような施策を行うことができます。削除が難しい書き込みについては、誹謗中傷対策業者への相談を検討してみましょう。
まとめ｜爆サイの誹謗中傷の放置は危険！迅速に削除依頼を
爆サイは5ちゃんねるに次ぐアクセス数を持つ掲示板で、ローカルな話題に特化しているため身バレの危険性が高く、実生活に悪影響を及ぼすことが懸念されます。利用規約に違反している書き込みを見つけたら、手順とルールを守って迅速に削除依頼をすることが重要です。
「自分で依頼したけど削除してもらえなかった」という場合や「書き込みをした人を特定したい」という場合は弁護士を頼りましょう。費用はかかりますが、自分で削除依頼をするよりも格段に確実性が増す方法です。
もし、規約や法律の違反がなく、削除依頼を出しても削除が望めない場合は、誹謗中傷対策業者に相談するのがおすすめです。弁護士のように削除依頼の代行はできませんが、被害が広がらないようにする施策が可能です。
たかが爆サイの書き込みと思って放置せず、誹謗中傷や権利を侵害するような書き込みを見つけたら、被害が大きくなる前に対策を講じるようにしましょう。
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清水 陽平
