「不動産会社がSEO対策をするとしたらどんなことに気を付けたらいいのかな？」
「いま取り組んでいるSEO対策はこのままの内容で問題ないかな？」
「そもそも不動産会社がSEO対策をする必要性って本当にあるのかな？」
不動産会社のweb担当の方はSEO対策に対して上記のような疑問を持ったことがあるのではないでしょうか？
SEO対策は費用対効果と集客力が高いため、不動産業界においてもリードを獲得する上で有効な手段です。
しかし「正しいSEO対策」を施していないとサイトの順位が全く上がらず、せっかく掛けた時間や費用が無駄になってしまいます。
本記事では「不動産会社にとって本当に効果のあるSEO対策は何か？」を6つのポイントにまとめてご紹介します。
不動産会社におけるSEO対策のポイント6選
効果的なSEO対策を行うために抑えておくべきポイントが6つあります。
以下のことに気を付けながら対策を行いましょう。
競合の分析
検索結果上位に表示されているサイトやコンテンツはユーザーニーズを満たしている可能性が高いため、内容を分析すると自社サイトのSEO対策のヒントになります。
「競合はどのように集客しているのか？」
「コンテンツのどこが評価されているのか？」
「ユーザーはどのような情報を求めているのか？」
多角的な視点を持って分析をすると、検索エンジンの大まかな評価の方向性を推測することができます。
また、競合を分析することで、競合の強みや弱みを知ることができます。
そこから自社サイトの強みや、足りていない情報も明らかにすることができますよ。
キーワード選定
不動産業界のSEOでは、キーワードの選定が非常に重要です。
物件を借りたい、購入したいと考えているユーザーの1人1人、希望する条件が異なります。
たとえば「中古マンション」に対しても、エリア、最寄り駅、予算、間取り、方位など住まいに求める条件は多岐に渡るでしょう。
すべてのキーワードに対策することが理想ですが、現実的にはなかなか難しいので、ある程度キーワードを絞る必要があります。
「ターゲットとするユーザーが何を求めているのか？」を的確に判断し、それらを自社サイトやコンテンツに組み込むことが重要です。
また、物件を探すモチベーションが高いユーザーほど具体的なキーワードで検索を行う傾向にあります。
そのため、不動産サイト（コンテンツ）では具体的なキーワードに対してSEO対策を行うことが基本です。
不動産サイトがSEO対策で狙うべきキーワードは以下の5個に分類できます。
①広域の地名が含まれるワードを対策する
広域の地名とは都道府県名が含まれるものです。
具体的には「東京都 賃貸」「埼玉 新築マンション」などがあげられます。
「賃貸」や「新築マンション」単体のビックワードほど検索回数は多くないですが、自社サイトを上位表示させる難易度は高いと言えるでしょう。
都道府県内に複数店舗を持つ不動産会社であれば狙いたいキーワードですが、ポータルサイトが上位表示しやすい傾向にあります。
②中～小域の地名が含まれるワードを対策する
中～小域の地名とは市区町村や駅名が含まれるものです。
具体的には「練馬区 賃貸」「池袋駅 新築マンション」などがあげられます。
とても検討度合いが高い、顕在層向けのキーワードです。
エリアに特化した不動産会社であれば上位表示できる可能性のあるキーワードのため、積極的にSEO対策に取り入れたいキーワードです。
③ロングテールキーワードを対策する
ロングテールキーワードとは3～4個のキーワードを組み合わせたキーワードです。
複数のワードで絞り込むため検索ボリュームは少なくなりますが、その分確度の高いユーザーが検索する傾向にあります。
具体的には「練馬駅 2LDK 駅チカ」「豊島区 オフィス 50坪 安い」などがあげられます。
検索ボリュームの大きいビックワードや「地名×物件情報」では、競合の大手ポータルサイトが強く上位化することは難しいです。
そこで、ロングテールキーワードのような、検索ボリュームが比較的少なく、競合が少ないワードをしっかり対策する必要があります。
ニッチなワードながらユーザーの検討度合いが高く、ニーズが明確なため、SEO対策が非常に有効です。
上位表示が狙いやすく集客にも繋がりやすいため、中小の不動産会社は必ず取り組むべきワードと言えます。
④具体的な物件名を対策する
有名デザイナーズマンションや、人気のタワーマンションなどの物件名で、「コートヒルズ広尾南」や「ワールドシティタワーズ」などがあげられます。
特定のマンションを探しているユーザーが検索するのため、顕在度合いが高いキーワードです。
「〇〇（物件名） 賃料」「〇〇（物件名） 価格」といったキーワードを設定して紹介ページを作ったり、近隣エリアを紹介するコンテンツを作成することで上位表示を狙うことができます。
⑤潜在的なニーズがあるワードを対策する
潜在的なニーズがあるワードとは今すぐ行動するわけではないが、今後引っ越しをする可能性がある、今後不動産を購入する可能性のあるユーザーが検索しているワードです。
例えば「エリア 賃料」「治安がいい街」「子育てしやすい街」「住宅ローンの利用方法」などがあげられます。
このようなワードで検索しているユーザーは、この先、顧客になる可能性が十分にあるので、潜在的なニーズがあるキーワードについても抑えておくべきです。
内部対策
内部対策とは自社サイトの内部で行うSEO対策のことです。
対策を行うことで検索エンジンに正確にサイトを認識してもらい、適切に評価してもらうことができます。
具体的には下記の5つがポイントです。
適切なタイトルを設定する
SEO対策で最も重要なのはタイトル設定です。
どれだけ良い内容のサイトやコンテンツを作成してもユーザーに見てもらえなければ意味がありません。
検索結果で上位表示されるようになるには、ユーザーがついクリックしたくなるような魅力的なタイトルを設定する必要があります。
設定するポイントは下記の5点です。
競合サイトのタイトルを調べる
検索結果上位に表示されているサイトはどのようなタイトル設定をしているのか？調べることも大切です。
そうすることで、検索エンジンの評価軸とユーザーのニーズをつかむことができます。
タイトルは30字以内に設定する
検索結果一覧で表示されるタイトルの文字数は環境によって異なりますが、PCで30〜35文字、スマートフォンで36～41文字です。
一目でサイトの内容が分かるよう、PC・スマートフォン共に最後まで表示される30文字以内に設定しましょう。
対策キーワードをタイトルに含める
対策したいキーワードをタイトルに盛り込むことによって、ユーザーと検索エンジンに「どのような内容のサイトか？」を的確に判断してもらうことができます。
しかし、キーワードを詰め込みすぎるとスパムと判断されることがあるため、詰め込みすぎには注意をしましょう。
キーワードはできるだけ左側に入れる
人間の目線の動きは画面の左側に集中すると言われているので、対策したいキーワードをユーザーに認識してもらえるよう、できるだけ左側に設定しましょう。
また、タイトルが30文字以上になってしまった場合でも、キーワードが左側に来ていればユーザーにサイトの内容をしっかり伝えることができるので、タイトル選定の際に意識したいポイントです。
具体的な数字やインパクトのあるワードを盛り込む
コンテンツのタイトルで「賃貸物件契約時に確認すべき項目10選」などと数字が含まれていると、内容が具体化され、より魅力的に見えます。
また、数字だけではなく「簡単」「話題」「厳選」「2024年」などのインパクトのあるワードを入れることも効果的です。
見出しタグを設定する
見出しタグはhタグとも言い、文章の中で重要な部分を伝えるために短い言葉でまとめたものです。
タイトルなどの一番大きな見出しにh1タグ、目次や中見出しにh2タグ、小見出しにh3タグ、と分かれh6タグまで設定することができます。
hタグを設定することで検索エンジンが正しくサイトの内容をクロールすることができ、ユーザーの見やすさも向上します。
alt属性の設定をする
検索エンジンは画像データそのものを認識することはできないため、画像を説明するテキスト情報を設定する必要があります。
その設定の際に使用するのがalt属性です。
不動産会社のサイトでは物件紹介の際にたくさんの画像データを使用します。
すべて設定するのは大変ですが、alt属性を記述することで検索エンジンのクローラーに正確に認識させることができ、画像検索時に上位表示を狙うことができます。
XMLサイトマップ、HTMLサイトマップを作成する
サイトマップとは該当のwebサイトの構造が一目で分かるようにまとめた地図のようなものです。
サイトマップの中には検索エンジン向けのXMLサイトマップと、ユーザー向けのHTMLサイトマップの2種類が存在します。
検索エンジン向けのXMLサイトマップを作成することで、サイトを隅々までクローラーにクローリングしてもらうことができます。
また、HTMLサイトマップを作成することで、ユーザーが目的のコンテンツを見つけやすくなるためユーザビリティも向上しますよ。
URLの正規化をする
URLの正規化とは、サイト内にある同一内容のページのURLを1つに統合することです。
サイトの中に同じ内容のページが複数存在するとユーザーの利便性が低下するうえに、検索エンジンから重複コンテンツとみなされペナルティが課される可能性があります。
そのため、URLの正規化は必ず行いましょう。
内部コンテンツ
内部のコンテンツを充実させるには下記のような方法があります。
物件の情報をできるだけ細かく入力する
ユーザーにできるだけ検討してもらえるように、物件の詳細情報を充実させましょう。
家賃、間取り、方角、築年数、面積、駅からの距離はもちろん、物件の写真や動画、周辺環境に関する情報もあるといいですね。
ユーザーが知りたい情報が網羅されているコンテンツは満足度が高くなる上に、検索エンジンからの評価も上がり、集客の増加にも効果があります。
コンテンツSEO対策をする
コンテンツSEOとは良質なコンテンツを継続的に発信し、情報を積み上げることで、検索エンジンからの集客を狙う手法です。
最近、検索エンジンによるサイトの評価において、コンテンツの質が重視される傾向にあります。
そのため、ユーザーが求める有益な情報を盛り込んだ良質なコンテンツを作成する必要があります。
コンテンツSEOは効果的な対策方法を理解して、粘り強く取り組むことで効果が出る施策です。
継続的に情報を発信し続けるのはリソースがかかり難しいかもしれませんが、幅広いユーザーと接点を持つチャンスです。
辛抱強く取り組んでいきましょう。
外部対策
外部対策とは自社サイトの外側からリンクを張ってもらったり（被リンク）、引用してもらったりする（サイテーション）施策です。
被リンクを張られたりサイテーションされたりすることで、検索エンジンが「このページは他でも紹介されるくらい良質だ」と認識し、リンク元の自社サイトを高く評価します。
リンクの「数」も大切ですが「質」も重要視されているため、自社サイトと外部サイトの内容の関連性も重要になります。
関連性のある外部サイトにリンクしてもらえるような、良いサイトやコンテンツを継続して作成していきましょう。
ユーザーの利便性を高める
ユーザーの利便性（ユーザビリティ）が高いことによって、直接的に検索エンジンからの評価が上がるわけではありません。
しかし、ユーザーにとって使いやすいサイトにすることで、サイトに訪れるユーザー数が増え、滞在時間が長くなり、結果として検索エンジンから「ニーズのあるサイト」と認識され上位表示される可能性が高まります。
読み込み速度を意識したサイト作り
ユーザビリティを高める具体例としては、ページの読み込み速度が速い、サイト内の構造がわかりやすい、文字や画像が見やすい、リンクがわかりやすい等があげられます。
特に不動産業界で注意したいポイントはページの読み込み速度です。
不動産会社のサイトでは情報を充実させるために多くの画像や動画を掲載しているため、表示速度が遅い傾向にあります。
表示速度が遅いとユーザーの離脱率が上がり、検索エンジンからの評価が下がります。
サイトやコンテンツに画像や動画を挿入する際は必ず圧縮を行い、適切なデータサイズのものを使用しましょう。
レスポンシブデザインを導入する
スマートフォンが普及している現代では、レスポンシブデザインの導入が必須になっています。
レスポンシブデザインとはパソコン、スマホ、タブレットなど、web利用者が使用しているデバイスの種類に合わせて表示するデザインを変更する手法のことです。
Googleはモバイルフレンドリーの観点からレスポンシブデザインを推奨していますので、SEOに好影響を与える可能性も考えられます。
不動産会社におけるSEO対策の必要性
不動産会社におけるSEO対策について具体的な対策方法を紹介してきましたが、このコラムを読んでいる人の中には「そもそも不動産会社がSEO対策をする必要性って本当にあるのかな？」と疑問に思っている人もいるでしょう。
結果として、スマートフォンが普及している現代では、web集客のためのSEO対策は必要不可欠と言えます。
また、人口減少・少子高齢化が進む日本では不動産の需要が下がり、今後さらに競争が激化することが予想されます。
そのため、顧客に選ばれる不動産会社になるためにもSEO対策は必須です。
スマートフォンの普及によるユーザー行動の変化
昨今、多くの人がスマートフォンを使うようになり、総世帯数における普及率は2023年時点で89.9％と右肩上がりで推移しています。
以前のようにわざわざパソコンを使用しなくても、隙間時間で簡単に比較検討ができるようになりました。
不動産の購入・賃貸契約を考えている顧客も同様で、まずはweb上で物件について情報収集をし、ある程度物件を決めた状態で不動産会社を訪れるという流れが主流になっています。
そのため、契約までに実際に訪れる不動産会社は1社のみという人も少なくありません。
自社サイトでSEO対策を行う必要性
上記のことから、顧客数を伸ばすためには、多くのユーザーが使用しているSUUMOやHOME’Sなどのポータルサイトから「いかに自社へ興味を持ってもらうか」という点が重要です。
よくポータルサイトは広告看板、自社ホームページはもう1つの店舗に例えられます。
顧客はポータルサイトで物件を見つけた後、不動産会社のホームページを閲覧し問い合わせをするという流れが一般的ですが、その時、自社サイトが充実していないと次のアクションに繋がる確率がとても低くなってしまいます。
せっかく興味を持ってくれた顧客を手放さないためにも自社サイトを良いものにし、「この不動産屋さんに相談したい」と思ってもらえるようにしましょう。
また、ポータルサイトではサイトごとに掲載フォーマットが異なり、場合によっては自社や物件の良さを十分にアピールすることができないことがあります。
しかし、自社サイトであれば会社の得意分野やスタッフの人柄、物件の良さなどを十分に伝えることができます。
このことから自社サイトでもSEO対策に取り組む必要性があると言えるでしょう。
不動産業界の現状から見るSEO対策の必要性
不動産業界の現状から見ても、SEO対策を施すことは必須だと考えられます。
日本の総人口は年々減少しており、2050年には1億人を割ると言われています。
このまま人口が減り続けると住宅、オフィス、商業施設、土地などの需要も下がるでしょう。
しかし、不動産の需要は減り続けていくのに対して、開業にかかる費用が安く、経済的リスクが少ないことから、不動産業界に新規参入する企業は増えています。
そのため、今後不動産業界ではさらに少ないパイを取り合う状況になることが予想されます。
競合他社に勝ち続けていくためにもSEO対策は必須と言えるでしょう。
不動産会社におけるSEO対策のメリット
web集客の課題を解決することができるSEO対策には多くのメリットがあります。
以下のことから、不動産業界でもSEO対策を行うべきであると言えるでしょう。
資産性がある
SEO対策を施したコンテンツは長期間にわたって価値を保ち、資産としても役割を果たします。
適宜、適切なメンテナンスは必要ですが、一度上位化されると長期間に渡って多くの検索流入を獲得します。
ブランディングに効果がある
自然検索結果で上位に表示されるサイトやコンテンツは、信頼性と専門性があると認められます。
ブランド力の向上にもつながり、「〇〇区の賃貸不動産屋といえばここ」というようなブランディングにも効果があります。
中長期的な集客に繋がる
コンテンツの数が増えると、それに応じてコンテンツを経由してサイトに集まるユーザーも増えます。
上位表示されるようになると、流入数が増え継続的に集客することが可能です。
SEO対策は結果が出るまで時間がかかるものの、しっかり対策をすれば着実に中長期的に集客効果を得られます。
感度の高いユーザーを集客できる
SEO対策を施したサイトやコンテンツには地名や物件名、不動産知識について検索したユーザーが集まります。
そのため、不動産に対する高い関心を持ったユーザーを集客することができます。
不動産会社でもSEO対策は必須
不動産業界におけるSEO対策について説明してきましたがいかがでしょうか。
ユーザー行動の変化や市場の移り変わりから、不動産会社でもSEO対策は必須と言えます。
競合の分析、対策キーワードの選定、内部対策、内部コンテンツの作成、外部対策といったSEO対策をしっかり行い、顧客に選ばれ続ける不動産会社を目指しましょう。
対策する上で必要不可欠な内部対策、内部コンテンツ、外部対策では特に専門的な知識が求められます。
社内で対応することが難しい場合は、専門業者に依頼する方法もありますよ。
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