誹謗中傷・風評対策

風評被害対策の決定版!ネットで拡散された悪評の対処法

風評被害対策の決定版!ネットで拡散された悪評の対処法

風評被害対策は、間違った情報やデマ、悪評がもたらす損害を防ぐための手段です。

インターネット上の風評は、拡散が速い上に、中々消えません。放置しておくと、一度は鎮火したように見えてもまた再熱してしまう場合もあるため、迅速かつ継続的な対策を講じることが不可欠です。

本記事では、風評が発生する原因や迅速・継続的に風評被害対策を行わなければいけない理由、実際に風評被害を行う場合の対策方法などを詳しく説明しています。

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風評被害対策とは?

風評被害対策とは?
「風評被害」とは、日本大百科全書(ニッポニカ) で以下のように説明されています。

風評被害
ふうひょうひがい

間違った情報や意図的なデマだけでなく、根拠の不確かな噂(うわさ)やあいまいな情報をきっかけに生じる経済的損害。

引用:風評被害(フウヒョウヒガイ)とは? 意味や使い方 – コトバンク

風評被害は、現代では主にインターネット、とりわけSNSが拡散の主体となっている場合が多く、一度世間に投稿されると瞬く間に世界中に拡散される傾向があります。

もっと具体的にどんなことが「風評被害」と言えるのかというと、例えば個人の場合なら「風評によって人間関係が悪化した」「風評が書かれたことによって精神的苦痛やストレス、不安を感じ精神疾患を発症した」などが言えます。

企業であれば、「風評が原因で取引先から経済的な制裁を受けた(取引がなくなった)」「風評を見た従業員が企業を不審に思い、辞めてしまった」などの被害が考えられます。

風評被害によるブランドイメージの失墜を即座に払拭することは難しく、信用を取り戻せずに存続できなくなってしまった企業もあります。

これらの風評による被害を最小限に抑えるために取るべき対策のことを「風評被害対策」と言います。

風評被害が発生する3つの原因

風評被害が発生する3つの原因
風評被害は、災害や事件・事故が起こった際に発生しやすいと言われていますが、実際には日常的に起こり得るものです。

風評が発生し、炎上に繋がる原因は複数考えられます。また、それらの原因が複雑に絡み合っている場合などもありますが、大きくは以下の3つのポイントに分類できます。

  • 不確実な情報や誤情報の拡散
  • 悪意のある情報操作
  • 個人的な偏見や差別

それぞれのポイントについて、詳しく見ていきましょう。

不確実な情報や誤情報の拡散

インターネット上には多くの情報が流れています。SNSを利用している方はイメージしやすいかもしれませんが、X(旧:Twitter)で見たニュースや注意喚起などを何気なく、反射的にRP(リポスト)した経験のある方は多いのではないでしょうか。

災害や大きな事故などが起こってパニック状態になっている方によく見られる傾向ですが、自分が入手した情報の正確性を確かめないまま拡散してしまう人は多くいます。そして、インターネット上に溢れた星の数ほどの情報の中には、当然「デマ」や「誤報」などもたくさんあります。

不安や焦り、もしくは「情報を伝えてあげたい」という善意によって誤情報が拡散されることにより、大きな風評被害が発生してしまうのです。

悪意のある情報操作

個人的な恨みやライバル意識などから、意図的に虚偽の情報を発信する人や、虚偽ではないものの悪印象を受ける形で発信する人もいます。また、ネガティブな情報は世間の興味を引きやすいため、自分が注目を浴びるために誇張しすぎた情報を発信する人もいます。

もちろん、これは個人間ではなく、企業間でも発生することです。一部のメディアの報道などでも、閲覧数を稼ぐために読み手が誤解しかねない過激な表現のタイトルをつける場合があります。さらに、企業の場合は就職・転職系サイトやGoogleマップなどの口コミにも注意が必要です。

また、XやInstagramなどのSNSは基本的に匿名で利用している人が多いものです。その匿名性を悪用し、個人または企業に対して嫌がらせを行う人が後を絶ちません

このような悪意から投稿された嘘の情報も、風評被害の一因となっています。悪意のある情報操作による風評被害は個人や企業の評判を大きく損ない、それぞれの活動に支障をきたす事もあります。

個人的な偏見や差別

個人的な偏見や差別なども風評被害の原因となっています。

例えばどういうことかというと、ある地域の一部の区域で起きた事件が原因で、その地域全体が危ない場所だという偏見が起こったり、差別的な発言が散見されるようになったりするようなことです。

企業が偏見や差別によって風評被害に遭った事例としては、コロナ禍に起こった偏見がイメージしやすいかと思います。

一部の地域で新型コロナウイルス感染症の患者が出ると、「その地域全体が危ない」というイメージを持たれたり、患ってしまった方に対する差別などが起こったりしました。

また、当時は多くの「コロナ」と名の付くだけの、「新型コロナウイルス感染症」とは無関係の企業や商品が風評被害に遭い、商品の買い控えなどによる売り上げ不振に悩まされました。

根拠のない思い込みによって地域や人、企業などを差別する発言をSNSなどに投稿してしまうといったことも、風評被害に繋がっていきます

迅速かつ継続的な風評被害対策が必要な理由

迅速かつ継続的な風評被害対策が必要な理由
風評被害対策は、風評を発見したら即座に行うことが重要です。なぜなら、風評の拡散スピードはとても速いためです。

多くの人が風評を知れば知るほど、対策が困難になっていくだけではなく、複製された情報によって鎮火後の再炎上リスクも上がります。

ここでは、なぜ「風評被害対策は迅速かつ継続的に行うべきだ」と言われているのか、その理由について解説していきます。

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風評は真実の情報よりも拡散が速い

米マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究者チームが「Science」という学術誌に「虚偽のニュースは真実のニュースよりも早く、広く拡散される」という興味深い内容の論文を発表しています。

具体的な数字で見てみると、虚偽のニュースは真実のニュースよりも70%多くリポスト(当時はリツイート)されたとのこと。そして、真実のニュースが1,500人の人に届くためにかかる時間は、虚偽のニュースが同じ人数に届くためにかかる時間の約6倍かかるということです。

また、研究者たちはこれらの虚偽のニュースを拡散しているのがBOT(自動投稿プログラム)ではないかと疑って研究を進めましたが、虚偽のニュースをより多く拡散しているのは人間(手動)であるという成果も確認されています

虚偽のニュース(=風評)の拡散が速い理由のひとつとして、「目新しい情報」がリポストされやすい、という研究結果も出ています。虚偽のニュースは真実のニュースに比べて奇抜な言葉を用いたり、人の感情をネガティブな意味で揺さぶったりする内容のものが多い傾向にあります。

怒りや恐怖、不安などを煽るニュースは真実をよく確かめずに拡散してしまう人が多く、さらに同調圧力によって見た人も同じように拡散してしまいやすいものです。こういった行動の傾向を考えても、風評被害の対策は速やかに行うべきだと言えます。

参考:The spread of true and false news online | Science
参考:Study: On Twitter, false news travels faster than true stories | MIT News | Massachusetts Institute of Technology
参考:Twitterで人は真実よりうそを早く、多くシェアする──MIT論文 – ITmedia NEWS

炎上した風評が、鎮火後に再度掘り返されることもある

風評被害は一時的なもので、何もしなくても鎮火する場合はあるものの、何も対策をせず放置しておくことも危険です。なぜなら、インターネットに投稿された情報は何年も残り続けてしまうためです。

例えば、日本でも2011年の福島第一原子力発電所事故後、福島県産の農産物や水産物に対する風評被害が広まった事例があります。

この風評は一時的に収まったように見えましたが、2023年に処理水の放出が決定されたタイミングで、再び海産物への風評被害が懸念され始めました。

福島県では、現在もこれらの風評への対策を継続しています。

風評被害対策においては、ただ炎上を鎮火しただけでは不十分といえます。インターネット上に公開された虚偽の情報はほぼ永遠に残るため、新たなきっかけによって再び表面化してしまうおそれがあります。

上記の事例はかなり大規模な風評被害となりますが、風評被害の対策は事件直後だけではなく、継続的に改善をアピールし、ポジティブな情報や対策状況の透明性を発信し続けていくことが大切であるということがよくわかる例ではないでしょうか。

参考:福島 風評の正体に迫る 東日本大震災・原発事故12年 | NHK政治マガジン
参考:「魚が売れなくなる」処理水の海洋放出で地元は懸念 風評被害対策は | NHK | 福島第一原発 処理水

風評被害:2つの対策と相談窓口

風評被害:2つの対策と相談窓口
実際に風評被害の対策を行う場合、大きく分けて既に起きてしまった風評被害の「改善」と、今後起きてしまうかもしれない風評被害に対する「予防」といった2つの観点から対策を行うことができます。

選ぶ対策方法によって相談窓口も変わってきますので、実際に対策を行う際はこれから案内する相談窓口もぜひ参考にしてみてください。

「風評被害の改善策」と「風評被害の予防策」という2通りの視点から、自社(または自分)の状況に適した風評対策を具体的に考えていきましょう。

風評被害の改善策

既に拡散されてしまった風評に対しての改善策と相談窓口を紹介します。

ここでは、主に風評が記載された投稿を削除したい場合を想定した対策方法を紹介していますが、それ以外にも「風評の事実確認を迅速に行い、正確な情報を発信すること」や、「ポジティブで正しい情報を継続的に発信していくこと」などで世間からの誤解を解く努力をすることなども風評被害の対策として有効です。

削除や開示の請求は弁護士に相談

風評が書かれた投稿(SNSやブログ、ニュース記事など)を削除したい場合は、記事の削除請求を行うことになります。

ひとたびインターネットに投稿されてしまった内容は、スクリーンショットやインターネット魚拓などで保存・再投稿されている可能性があるため完全に全ての風評を削除するのは難しいとはいえ、大元の記事や大手のニュースサイト・まとめサイトに掲載された投稿を削除することは風評被害対策として有効だと言えます。

風評記事の削除申請は被害を受けている本人でも行うことはできますが、法律の詳しい知識を持った専門家に助けてもらうのが成功の近道です。その前段階である「風評が違法かどうか」という見解を教えてもらうことも含めて、弁護士への相談は強力な選択肢のひとつです。

また、風評による被害が著しく、風評を投稿した相手に対して裁判をおこなう事で法的な責任を追及したい場合も弁護士に相談しましょう。匿名の相手に対して開示請求を行う必要がある場合は、風評被害が発覚し次第できるだけすぐに相談することをおすすめします。

削除不可能なら専門業者に相談

SNSなどに投稿された風評によって実際には被害に遭っていたとしても、削除請求時に証拠が消えてしまっていたり、被害状況をうまく説明できなかったりなどの理由で違法性が認められない場合もあります。

違法性のない投稿は、法的な理由をもって削除することは困難です。日本の法律では「表現の自由」が認められているため、たとえSNSの短い投稿や口コミサイトへのコメントであっても無暗に削除することができないのです。

そういった「どうしても削除できない投稿」に対して風評対策を行いたい場合は、風評対策を行っている業者へ相談してください。「削除」以外の方法でどのような対策を行えば良いか、状況を聞きながら適切なプランを提示してくれます。

風評被害対策の専門業者に依頼する際は、対策事例や成果実績などを確認し、信頼できる業者を選びましょう。

事件性のある場合は警察に相談

SNSなどに書かれた風評の内容に事件性がある場合は、速やかに警察に相談しましょう。個人で対応してしまうと、余計に悪い方向に事が進んでしまうおそれがあります。

事件性とは、例えば「企業の人間(または個人、客など)に危害を加える」「爆弾を設置した」などといった内容の風評のことを指します。

さらに、風評被害によって営業停止に追い込まれたり、顧客が急激に減少したりするなど目に見える被害が出ている場合も、業務妨害罪に当たる可能性があるため警察に相談するとよいでしょう。

風評被害の予防策

風評被害が起こるリスクをゼロにすることは、残念ながら不可能と言えます。しかし、日頃から風評被害に対する準備をしておくことによって、万が一の際にその被害を最小限に抑えることは可能です。

ここでは、風評被害の予防策として有効なものを3点ピックアップして紹介します。

ソーシャルメディアポリシーやSNSガイドラインの策定

ソーシャルメディアポリシーやSNSガイドラインは、企業がどのような立場で、どのような目的やルールを持ってソーシャルメディアを運用するのか、ということを定めたルールです。社内用、社外用と分けて作成している企業もあります。

社内用のSNSガイドラインでは、SNSで発信してはいけない話題や投稿の際の注意点などを定めますが、その他に「万が一SNSが炎上してしまったらどのように行動するか」といった事も盛り込んでおくと良いでしょう。

炎上は初期対応が肝心です。風評による炎上を確認した際にも冷静に初期対応へ移れるよう、日頃から社員全員が同じ認識で動けるよう対策しておきましょう。

SNSリスク研修の実施

新入社員研修を行う際、研修の一部としてSNSリスク研修を取り入れる企業が増えています。

SNSにおける風評被害のリスクは新入社員だけではなく管理職やSNS担当者も知っておくべきことが多いため、可能であれば全ての従業員が研修を受講することをおすすめします

株式会社エルプランニングでは、受講対象や人数、予算、そして受講内容などの要素全てをカスタマイズできるオーダーメイドのSNSリスクリテラシー研修を承っています。リモート環境でのオンライン研修や100人規模のオフライン研修もOK。オンラインでの打ち合わせにも対応可能です。

長年風評被害対策に携わってきた企業だからこそ提供できる株式会社エルプランニングSNS研修、詳しい実績は以下のページでご紹介しています。

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風評監視などモニタリング体制の整備

SNSや各検索エンジンの検索結果、サジェスト、掲示板サイトや口コミサイトなど、風評が投稿(あるいは、表示)されやすい場所を監視することも、風評被害対策の方法のひとつです。

風評監視サービスは大きく2種類あり、ひとつは「風評監視ツールの導入」、ふたつめは「有人監視サービスの利用」に分けられます。

風評監視ツールは比較的安価で提供している企業が多く、監視したいワードが多数ある場合でも導入しやすいのが特徴です。ただし、登録されたワードのみを検知するため前後の文脈を判断できず、風評ではない書き込みも「風評」と判断してしまう場合があります。

有人監視サービスは、その名の通り風評対策を行っている業者のスタッフが依頼された場所を監視するサービスとなります。サービス自体の価格はやや高めですが、風評監視ツールでは検知できない、前後の文脈を考慮した風評投稿の判断ができる点がメリットです。

サービスによっては、この2つを組み合わせた内容のものもあります。例えば、株式会社エルプランニングでは「ツール監視+有人監視」のダブルチェックに対応した監視サービスを提供しています。

監視対象サイトの指定や報告方法・頻度、報告内容などを自由に組み合わせて必要な情報のみをご提供することで、有人監視でありながらコストの削減を実現しています。詳細情報や導入実績は以下のサイトで確認できます。

まとめ|風評被害対策は迅速・継続が鍵

風評被害対策は迅速・継続が鍵
風評は、一度インターネット上に投稿されると瞬く間に世界中に拡散されます。企業や個人に大きな被害をもたらすだけではなく、社会的な問題に発展する場合もあるため、迅速な対応を行いましょう。

また、風評被害による炎上は鎮火したように見えても、再燃する可能性があるため、根本的、かつ継続的な対策を講じることが重要です。

風評被害には、既に起きてしまった風評被害の「改善」と、今後起きてしまうかもしれない風評被害に対する「予防」といった2つの観点から対策をしていきます。

どのような対策を行うかによって相談すべき窓口が違ってきますので、本記事を参考に適切な味方に相談し、風評対策を万全にしていきましょう。

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ネットの誹謗中傷、風評対策のプロがお悩みを伺います【株式会社エルプランニング】

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風評サイトやサジェストのお悩みのほか、SNSや口コミサイトの監視など、幅広くご対応可能です。

監修者
法律事務所アルシエン 共同代表パートナー

清水 陽平

清水陽平弁護士
2007年弁護士登録(60期)。2010年11月法律事務所アルシエンを開設。ネット中傷の削除、投稿者の特定、炎上対応などインターネット分野の法律問題に取り組んでいる。総務省の「発信者情報開示の在り方に関する研究会」(2020年)、「誹謗中傷等の違法・有害情報への対策に関するワーキンググループ」(2022年~)の構成員となった。主要著書として、「サイト別ネット中傷・炎上対応マニュアル第4版(弘文堂)」などがあり、マンガ「しょせん他人事ですから ~とある弁護士の本音の仕事~」の法律監修を務める。