多くの人が個人でインターネットを利用するようになり、インターネットで誹謗中傷を書き込まれる場所も多様化してきました。
本記事では、インターネット上で誹謗中傷が起こりやすい場所の紹介から、インターネット上で誹謗中傷を受け相談先を探している方向けに、もしも自分がインターネットで誹謗中傷の被害に遭ってしまった場合、相談できる機関の情報や特徴をまとめています。
インターネットに誹謗中傷が書き込まれるのはなぜ?
警察庁が発表している「平成30年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等」という資料によると、平成30年にあったサイバー犯罪に関する相談12万6815件のうち、名誉毀損・誹謗中傷に関する相談は1万1406件。
数字だけ見ると少ないようにも見えますが、警察に相談しているだけでも毎年約1万人以上の人がインターネット上で誹謗中傷や名誉毀損の被害に遭っていると分かります。
なぜ、インターネットに誹謗中傷が書き込まれるのでしょうか?詳細な理由は人により様々ですが、多くは妬みや僻みの感情を持っていたり、自分の承認欲求を満たしたいと思っていたりするという理由が主として挙げられます。
自分より高い評価を受けている人が許せない、自分と違う意見を持っている人を排除したい、自分と同じ意見を持っている人から評価されたいなどの欲求を満たしたい時、匿名で発言のできるインターネットはとても便利なツールだと言えます。
なぜなら、これらを理由に誹謗中傷する事によって他者(企業や商品・サービスなど)を攻撃する際、可能な限り自分に降りかかる「身バレ」のリスクは避けたいと思っているからです。
「匿名で書き込んでいるから何を言っても自分だとバレないし、日常生活に影響がない」と考えているからこそ、普段なら言えないような誹謗中傷を平気で発言してしまったり、執拗に他人を攻撃したりしてしまったりする人が一定数いるのが現状です。
インターネットは完全な匿名とは言えないという事を覚えておく
確かに、インターネットで何かを発言する際、一般人は特に自分の本名などの個人情報を記入する必要がありませんので、一見書き込んだ人がどんな人物・立場・職業であるかはもちろん、本名や性別などもわかりません。
しかし、インターネットは「完全な匿名」ではない事も忘れてはいけません。インターネットに接続した履歴や、接続した人物のアクセスデータはプロバイダによって一定期間保存されています。
もしもインターネットを悪用して他人の名誉を毀損したり、個人情報を書き込んでプライバシーの侵害をしたりする犯罪行為を行った場合、被害者が法的な手続きを取れば書き込んだ犯人を突きとめる事は可能です。
書き込んだ情報の違法性が認められ、被害者が刑事訴訟を起こした場合は、もちろん訴えられた犯人が逮捕される場合もあります。
掲示板サイトやSNSなどを利用する際に自分の個人情報を入力しないからといって匿名性を過信せず、インターネット上でも普段の生活と同じように「他人を貶めるような発言をしない」「個人が特定可能な情報を掲載しない」など、十分に配慮して利用するようにしましょう。
どのような書き込みが違法になるのか?
インターネット上でよく見かける「誹謗中傷」とは、どういうものを言うのでしょうか。「誹謗中傷」は法的な概念ではなく、言われた側にとって不快な言説を指すものをいいます。そのため、正当な批判や非難であっても、多くの場合「誹謗中傷」と括られています。
違法となる「誹謗中傷」とは、法的に見れば名誉権や名誉感情の侵害、プライバシー権や肖像権の侵害などを指すことになります。
何が違法になるかは、文脈によってもくるため非常に難しい判断が必要になりますが、人格否定を伴っているもの、たとえば「バカ」「クズ」「消えろ」「自殺すればいいのに」「生きている価値がない」などという言葉を繰り返すものは違法となる可能性が高いといえます。
ここで注意すべきことは、言った本人にとっては「根拠」と言えるものがあっても、その「根拠」がデマ(嘘)だった場合は違法と判断される場合があることです。実際に、嘘の噂を鵜呑みにして関係のない人物の誹謗中傷をした人物が侮辱罪等で書類送検された事例もあります。
また、誹謗中傷投稿の流れで殺害予告を行った場合は、いたずらや冗談であったとしても「脅迫罪」や「威力業務妨害罪」に問われることがあります。
インターネットの誹謗中傷はどのような場所でおこる?
それでは、実際にインターネット上で誹謗中傷が書き込まれやすい場所を見てみましょう。
SNS・ブログ
インターネット上での誹謗中傷の場として近年メジャーになったのがSNSです。
とくにX(旧:Twitter)やInstagramなど気軽にコメントを投稿できるものや、TikTok(ティックトック)やYouTube Live、ツイキャス、Pococha(ポコチャ)や17Live(イチナナ)といったライブ配信に特化したSNSなどのコメント欄などが誹謗中傷の多い場として知られています。
例えば、X(旧:Twitter)で匿名の公開アカウントから根も葉もない噂(嘘)をあたかも本当の事であるかのように書かれて繰り返し投稿されたり、自分の投稿に対して罵るようなリプライを何度も送ってきたりという被害があります。ライブ配信でも、ライブ中のコメントで配信者に対する罵倒や配信者の個人情報などを投稿されるといった被害があります。
他のSNSや掲示板・口コミサイトなどに投稿された誹謗中傷がスクリーンショットなどにより複製されてSNSに投稿されるということもあります。
また、ブログ内でおこる誹謗中傷は主に2種類に分けられます。ひとつ目は、自分のブログのコメント欄での誹謗中傷です。もう一つは誹謗中傷を行っている人が管理しているブログの記事内での誹謗中傷になります。
どういった場所で誹謗中傷が行われているのかによっても対策方法は大きく異なってきます。
SNSにおける誹謗中傷の深刻化と諸団体の動き
2020年5月に起きた女子プロレス選手の急死事件をきっかけに、SNSで受ける誹謗中傷の深刻さについて多くの人が向き合うことになりました。見逃してはいけない現状を踏まえ、SNSに関連する企業や団体が早急な改善を目指し、動き始めています。
その一環として、LINE株式会社が一般財団法人全国SNSカウンセリング協議会とともに、一般社団法人全国心理業連合会のLINE相談窓口である「SNS誹謗中傷等の心のケア相談」の開設を支援しています。
この相談窓口の開設期間は2020年8月4日から19日までの14日間と短い間ではありましたが、その期間中にはなんと164件もの相談があったと発表されています。
「インターネット上の誹謗中傷による精神的ダメージを受けた方を対象とした無料のLINE相談窓口」と定義し、話を聞くプロとして全国心理業連合会の心理カウンセラーが相談者の心のケアにあたるといった内容で、相談者の年代は10代が123件と最も多い人数であった事も発表されています。
参考:SNS誹謗中傷等の心のケアLINE相談に、14日間で164件の相談
インターネット掲示板
2ちゃんねるや5ちゃんねる、爆サイをはじめとした匿名のインターネット掲示板も誹謗中傷が起こりやすい場とされています。
掲示板の中にはビジュアル系バンドに関する情報に特化した「たぬき掲示板」や会社の愚痴、噂に関する情報に特化した「sogno」、キャバクラやホストなどの風俗に関係する情報に特化した「ホスラブ(ホストラブ)」など特定の話題に特化したものもあります。
こういった特化型の掲示板では意見に同調してくれるユーザーも見つかりやすい事から、ひとりの人が始めた誹謗中傷を皮切りに大人数で同じ人物を叩く流れになってしまう傾向もあります。
書き込むためにログイン等の必要がない掲示板サイトが多く、SNSよりもさらに匿名性が高いため、誹謗中傷もより深刻で心無い内容が書かれてしまう事もある上、削除の申請方法が複雑だったり、管理が行き届いていない無法地帯の掲示板では申請しても削除してもらえなかったりします。
口コミサイト
口コミサイトは、個人の誹謗中傷と言うよりは商品や企業についての誹謗中傷が多く掲載される傾向があります。
現代では、自宅にいながら好きなものを購入できるインターネットショッピングがメジャーになると同時に、先駆けて気になっている商品を購入した人が書き込む「口コミ」が重要視されるようになりました。
口コミは書き込む人の主観による感想であるため、その全ての意見を鵜呑みにする人は多くありませんが、もしも誹謗中傷に当たる口コミが多かった場合、その商品の購入をためらってしまう要因になります。
さらに、「口コミ」は商品だけではなく企業自体の誹謗中傷が書き込まれる場合もあります。とくに「リクナビ」や「マイナビ」「転職会議」などの就職支援系口コミサイトは多くの場合、何らかの理由で退職した社員からの書き込みが掲載されます。定期的にチェックを行っておいた方が良いでしょう。
インターネットの誹謗中傷を見つけた際に早急な対処をオススメする理由
インターネット上に掲載された情報は、アクセスできる環境さえあれば誰でも、世界のどこからでも見る事ができます。さらに、大勢の人が見るような場所に書き込まれた誹謗中傷は、全く関係のなかった人の目にも触れる事になります。元々意識していた訳ではなくても、インターネット上で様々な悪評が書き込まれているのを見てしまうと、自然にその対象に悪いイメージを持ってしまう人は少なくありません。
例えば、就活生が自分の受けたい企業をインターネットで調べる際、就職支援系口コミサイトに「この会社はブラックなので受けない方がいい」「残業代が全く出ないのに毎日サービス残業をしている」等の書き込みがあったら、書き込みが虚偽であっても真実かどうかを調べる手段はなく、会社への不信感が芽生えてしまいます。
もしもライバル会社とどちらを選ぼうか悩んでいたなら、誹謗中傷書き込みのない企業を選ぶでしょう。企業にとっては、誹謗中傷書き込みを放置した事によって優秀な人材の獲得を逃す要因に繋がるという訳です。
さらに、口コミサイトは多くの人がアクセスする場でもあります。そんな場所に「企業名」と「口コミに掲載されたネガティブなワード」が並んだ状態で多くのクリックを集めると、検索エンジンにも「この言葉の組み合わせは需要がある」と捉えられてしまう場合があります。
その結果、インターネットを利用する人ならほぼ全ての人が高確率で閲覧する検索エンジンのサジェスト欄や関連検索ワード欄に「企業名 〇〇(口コミに掲載されたネガティブなワード)」と表示されてしまい、採用だけではなく自社サービスの売上にも影響が出てしまうなど大きな被害に繋がります。
元々の誹謗中傷が小規模でも、その書き込みを別の人が転載し、拡散されて大炎上する場合もあるため、自社やサービスに関する書き込みには出来るだけ目を通し、どのような書き込みがあるのかを把握するように努めましょう。もしも誹謗中傷の書き込みが投稿されてしまったら、被害が拡大する前に対処する事も大切です。
インターネット上で起こる誹謗中傷の相談先
実際に誹謗中傷を受けてしまった場合は、すぐに専門家に相談しましょう。しかし、「どこに相談したら良いのか分からない」「この書き込みを強制的に削除したいが可能か」「どうしたら書き込んだ犯人を特定できるのか」など様々な疑問や不明点が出てくると思います。
こういったインターネット上の誹謗中傷に関する疑問や要望を相談できる機関は、実はたくさんあります。インターネットホットライン協会がまとめている「相談窓口をお探しの方 参考になる情報(リンク集)」なども参考にしてみると良いでしょう。
以下には、インターネットで誹謗中傷を受けた際に相談できる機関や、機関の特徴、相談するメリットなどを挙げました。
誹謗中傷の相談窓口ってどう選べばいいの?
「ネットの誹謗中傷被害を受けていて、どこかに相談したいけれど、どこに相談したら良いのかわからない……」という人も多いと思います。
ひとえに「相談」と言っても、「誹謗中傷を削除したい」のか、「辛いと思っている事実を誰かに聞いてほしい」のか、それとも「犯人を特定して刑事罰を与えたい」なのか、被害者の目的によって相談すべき窓口は変わってきます。
インターネット上での誹謗中傷被害における相談窓口の選び方については、法務省がわかりやすいフローチャートを公開しているので、参考にしてみましょう。
引用:法務省:インターネットによる人権侵害をなくしましょう「その他の相談窓口について」
上の画像からでも、インターネットで誹謗中傷の被害に遭ってしまった時に相談できる窓口はいくつも存在していることがわかります。画像を公開している法務省のホームページでも相談先に関する概要が掲載されていますが、本記事の中でもそれぞれの窓口についての詳細を見ていきたいと思います。以下の情報も誹謗中傷被害の相談をする際の参考にしてみてください。
相談窓口①:法務省 人権擁護局
引用:法務省:人権相談
法務省の人権擁護局は、人権が侵害された時の相談窓口です。
とくに注目したいのはセクハラ・家庭内暴力・ストーカー・AV出演強要・リベンジポルノなど女性の人権問題を相談できる「女性の人権ホットライン」の存在。相談内容から人権が侵害されていると判断された場合は救済措置が講じられます。
【具体的な実績】
- 夫から暴力行為を受けていた女性からの相談を受け、当日中に被害者との面談を実施。その日のうちに婦人相談所のシェルターへ一時保護。保護に至るまでに関わる機関との仲を取り持ち、スムーズに事が運ぶよう援助。
- 元交際相手の男性によってインターネット上のアダルトサイトに氏名・住所と併せて交際中に撮影した性的な画像を投稿されてしまった女性からの相談を受け、当該サイトの運営会社に対して削除要請を行った。被害者本人の通報では削除されなかったが、法務省からの要請により無事削除に至った。
その他にも、いじめや虐待などといった子どもの人権問題に関する相談窓口「子どもの人権110番」や英語・中国語対応の相談窓口など、人権問題を抱えた相談者を広く受け入れています。
法務省の人権擁護局に相談するメリット
- 相談や手続きに費用がかからず、書面の作成など難しい手続きの必要もない
- 人権侵害の事実関係が認められた場合は、速やかに解決を目指して動いてもらえる
- 手続きの終了後も必要に応じてアフターケアを行ってくれる
相談窓口②:インターネット違法・有害情報相談センター
また、総務省からの支援事業となっている「インターネット違法・有害情報相談センター」も頼れる相談窓口として覚えておくと良いでしょう。違法・有害情報相談センターに相談するメリットは、手続きについて詳細に教えてくれるという点です。
こちらの機関では、インターネットにおける違法行為全般(誹謗中傷・名誉毀損、人権問題、著作権侵害など)を取り扱っており、それらの書き込みへの対応方法や削除方法、トラブルに関する対応方法の相談を受け付けてくれます。法律知識のある法務アドバイザーがいる事も強みです。こちらの利用は、企業でも可能です。
インターネット違法・有害情報相談センターに相談するメリット
- インターネットにおける違法行為全般の対応について必要な手続きを詳細に教えてくれる
- トラブルに関する相談は企業でも受け付けてくれる
相談窓口③:一般社団法人セーファーインターネット協会(SIA)
引用:ネットの誹謗中傷 | セーファーインターネット協会 Safer Internet Association(SIA)
一般社団法人セーファーインターネット協会(SIA)とは、ヤフー株式会社やアルプス システム インテグレーション株式会社、ピットクルー株式会社の3社を中心としたインターネット関連企業の有志によって運営されている団体です。2020年6月29日から「誹謗中傷ホットライン」の運用を開始しています。
インターネットの自由を護る、という事だけではなく「インターネットを活用した社会的課題の解決」も課題としているというセーファーインターネット協会が運用を開始した「誹謗中傷ホットライン」には、原則無料で相談をする事が可能です。
相談をする際には、以下の画像のメールフォームに「誹謗中傷を受けた本人と相談者の関係」「誹謗中傷を受けたサイト」「投稿のURL」「誹謗中傷の内容」などといった必要な情報を入力し、送信します。
引用:誹謗中傷のご相談 | セーファーインターネット協会 Safer Internet Association(SIA)
この「誹謗中傷ホットライン」では、寄せられた「投稿を削除したい」という内容の相談のうち、以下の条件に当てはまるものを「特定誹謗中傷情報」としています。
(ア) 対象情報から個人が特定可能であること※
(イ) 対象情報から公共性がないことが明らかである又は公益目的の表現でないことが明らか
であること
(ウ) 次のいずれかに当たること
(ⅰ)対象情報によって、特定個人の社会的評価が低下させられるものであること
(ⅱ)社会生活上許される限度を超えた侮辱的表現を内容とすること(※対象情報が掲載されている電子掲示板等の他の記載に照らして、特定個人に関する投稿であると推知可能である場合も含む。)
「特定誹謗中傷情報」に当てはまる書き込みと認められたものは、セーファーインターネット協会からコンテンツ提供事業者やプロバイダ等に対して、各社の利用規約に基づいた削除等の措置を依頼します。(ただし、あくまでも「依頼」であるため、法的な強制力はありません。)
2020年9月8日に発表している2ヶ月間の活動報告(2020年6月29日~8月31日)には、開設直後からの2ヶ月間で相談件数が約500件ほど寄せられたことが書かれています。そのうち、投稿の削除要請は90件、削除件数は34件と、37.8%の投稿が削除に至ったということです。
その後、セーファーインターネット協会が開設した「誹謗中傷ホットライン」は一年間で1,375名(2,630件)からの相談を受けたと発表しています。そのうち協会が設定する「特定誹謗中傷情報」に該当するもの(=協会が削除等の対応を促す通知を実施できると判断したもの)は695件(1,813URL)でしたが、そのうちの79.2%、約8割の削除率を実現しています。
一般社団法人セーファーインターネット協会(SIA)に相談するメリット
- 原則無料で相談することができる
- 専用フォームに当てはまる事柄を書き込むだけなので、相談が簡単にできる
- 相談したものが「特定誹謗中傷情報」の判断基準に当てはまる書き込みであった場合、協会の方から削除要請を出してもらえる
参考:FNNプライムオンライン ネットでの“誹謗中傷”に被害相談窓口を開設…投稿削除を要請する「基準」を聞いた
参考:誹謗中傷ホットライン 運用開始から2ヶ月間の活動報告を公開 | セーファーインターネット協会 Safer Internet Association(SIA)
参考:誹謗中傷ホットライン 運用開始から1年間の活動報告を公開 | セーファーインターネット協会 Safer Internet Association(SIA)
相談窓口④:警察
違法行為に巻き込まれた時、助けて欲しい時、相談先としてまず最初に思い浮かぶのが警察だという方も少なくはないと思います。警察は原則「民事不介入」という立場をとっており、人の喧嘩と判断できる程度のもめ事と判断された場合は動いてもらえない事もあります。相談する前にしっかりと誹謗中傷の内容が「刑罰の定められた法律に違反している」ことを確認し、その証拠や根拠を明示できるようにしておきましょう。
名誉毀損や侮辱、業務妨害、脅迫などの犯罪に該当するような案件について犯人を訴えたいと考えて警察に相談したい場合は、まず自分が住んでいる地域を管轄している警察署で相談をしましょう。
相談窓口⑤:弁護士
インターネットでの誹謗中傷被害を法律的な観点から対処したい場合にとても頼りになるのが弁護士です。
ネット上に書き込まれた内容や自分の受けている被害がどういった法律に違反しているのか判断して欲しい場合だけではなく、違法行為だと判断された後の適切な対処法もアドバイスしてもらえます。
警察や裁判所に提出するような書類には法律の知識がなければ上手く説明を書くことが出来ない部分もありますが、法律のプロである弁護士に依頼すればそういった法的機関に受理してもらいやすい書類を作成することが可能です。
そのため、「最終的には犯人に対して損害賠償を請求したいので警察に相談したい」と考えている場合でも、犯人を特定する過程で匿名で書き込みを行った発信者情報の開示請求を行うためにまずは弁護士に相談する人も多くいます。
また、基本的には被害者本人が行わなくてはならない掲示板等の違法書き込み削除依頼を代行してもらう事も可能です。口コミサイトや掲示板サイトなどの中には、個人からの削除申請だと削除されにくいとされている媒体でも弁護士からの依頼なら削除してもらいやすいものや、利用規約に「弁護士からの依頼であれば削除する」といった趣旨の内容が記載されている媒体もあります。
インターネットの誹謗中傷被害を弁護士に相談する際には、しっかりと依頼したい弁護士の経歴や対応実績を確認し、インターネットのトラブルに強い弁護士を選んで依頼するとより安心です。
弁護士に相談するメリット
- 自身の受けている誹謗中傷が法律に違反しているのか、違反していた場合はどの法律に違反しているのかをプロの視点から判断してもらえる
- 基本的に全ての媒体において、基本的に被害者本人が行う「削除申請」を代行することが可能
相談窓口⑥:誹謗中傷対策業者
上記①~⑤の相談窓口への相談は、基本的に全て自分が受けた誹謗中傷が違法行為に当てはまっている場合に利用できる対処法です。しかし、様々な要因が重なって削除したい誹謗中傷が「違法ではない」と判断されてしまった場合に相談を検討したいのが、誹謗中傷対策を行っている業者です。
誹謗中傷対策業者は、削除不可能な口コミや掲示板の書き込みなどに対し、「該当の書き込みを大人数の目に触れにくくする」という対策を行います。対策の方法や価格は業者によってそれぞれ異なるため、依頼をする際には予算等も含めしっかりとヒアリングした上で納得して施策をお願いできる業者を選ぶようにしましょう。
誹謗中傷対策業者に相談するメリット
- 誹謗中傷書き込みを法的に削除する事が不可能だった場合に、別の方法で対策ができる
- 既に書き込まれた誹謗中傷の対策だけではなく、今後の対策などを含めトータルでコンサルティングを行ってくれる業者が多い
まとめ|誹謗中傷が書き込まれたら放置せず的確な機関に相談
インターネットはとても便利ですし、SNSや掲示板などは匿名で書き込めるからこそ本音を言える場であると考えている人もいるでしょう。しかし、インターネットにもマナーやルールは存在します。自分の個人情報が開示されていないからといって、他人が嫌がる事や迷惑になる事をしたり、名誉を毀損するような誹謗中傷を書き込んだりしてはいけません。
また、もしも自分がSNSや掲示板などに誹謗中傷を書かれてしまった場合は、ひとりで悩まずに本記事の内容を参考にして適切な機関に相談し、対処方法についてアドバイスをもらいましょう。
ネットの誹謗中傷、風評対策のプロがお悩みを伺います。
風評サイトやサジェストのお悩みのほか、SNSや口コミサイトの監視など、幅広くご対応可能です。
清水 陽平