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BtoB企業にもブランディングが必要な理由|選ばれる企業になる4つのポイント

BtoB企業にもブランディングが必要な理由|選ばれる企業になる4つのポイント

現在はBtoB企業にも「ブランディング」が必要な時代と言われています。BtoB企業のブランディングとは、自社のサービスや商品に独自の価値(=ブランド)を印象付け、競合他社のサービスからの差別化をはかる試みです。

他の競合企業と比べて自社のサービスを選んでもらうために、BtoB企業が行うブランディングとはどのようなものでしょうか。また、「ブランディング」はどのように行えばよいのでしょうか。

本記事では、BtoBの企業がブランディングを行うことによるメリットや、実際にBtoBの企業がブランディングを行う場合の戦略やポイントについて紹介します。

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ブランディングとは?なぜBtoBブランディングが必要なの?

ブランディングとは?なぜBtoBブランディングが必要なの?

「ブランド」は、「自社のサービスや商品」と「他社のサービスや商品」を差別化するための概念と言え、企業が自社のサービスや商品について、他人に「こう見られたい」と考えて発信されたポジティブなイメージや価値が具現化されたものです。

それを踏まえると「ブランディング」とは、簡単に言えばサービスや商品の差別化をするための活動であると表現できます。

相手の企業から、自社のサービスに対して「ここのサービスや商品じゃないといけない!」という価値を見出してもらい、自社のサービスや商品を選んでもらうのがブランディングの目的です。

そもそもBtoBとBtoCの違いって何?

BtoBとBtoCの違いから見ていきましょう。まず、「BtoB」とは「Business to Business」の略称です。企業が別の企業に対してサービスを提供すること、つまり法人同士の取引のことを指します。

それに対し、「BtoC」とは「Business to Consumer」の略称のこと。Consumerは一般消費者のことです。つまり、BtoCは企業と一般消費者との間の取引を指す、ということになります。

「BtoB」と「BtoC」では、取引成立における意思決定に大きな違いがあります。「BtoC」の場合、取引の成立には取引の相手である一般消費者個人の感情(そのサービスを利用して自分が満足できるかどうか)によって意思決定を行います。

法人である「BtoB」の場合、取引の意思決定権は個人ではなく複数人に分散されている場合が多く、意思決定の基準も「企業の利益率や費用対効果」に基づき、決定する傾向が強くあります。また、「BtoB」の取引の場合は高額の取引が行われることも多く、そのため検討期間も長くなります。

その上で、現代では法人同士の契約の場合も、ビジネスパートナーとしての「取引企業の信頼性」を重視する傾向が高まっています。これは、昔よりも企業の提供するサービスが複合化され、競合するサービスが溢れたことが原因のひとつだと言われています。

多くの企業が同じような価格で質の高いサービスを提供しているということであれば、「信用のできる企業と取引をしたい」と考えるのは当然のことです。

さらに言えば、「信用のおける企業」であることを認めてもらえれば、まわりの企業より多少価格が高くても自社を選んでもらえる可能性があります。

BtoB企業にもブランディングが必要な理由

「ブランディングはBtoCの企業にしか必要ない」という認識を持った方もいると思いますが、果たして本当にそうでしょうか?いま、「BtoB企業にもブランディングが必要だ」と言われている理由は一体なぜなのか、考えてみましょう。

先ほども触れたように、現在の市場には色々なモノやサービスが溢れています。昔のように馴染みの大手企業同士が争っているようなイメージではなく、ひとつの顧客を大企業と多くの中小企業が取り合っている状況です。

また、中小企業だからといって大企業に比べて格段に技術力が劣っているという訳でもなく、むしろ中小企業ならではのきめ細かく手厚いサポートを売りにしている場合すらあります。

そういった現代の市場の傾向の中、数々の選択肢の中から自社のサービスを選んでもらうには、そのサービスに「他とは違う価値」を見出してもらう必要があります。そして、その「価値」を効果的に伝える手段として「BtoBブランディング」が注目されているのです。

BtoBブランディングで得られる4つのメリットは?

BtoBブランディングで得られる4つのメリットは?

それでは、BtoBの企業がブランディングを行う事によって得られるメリットについて、もう少し詳しく掘り下げてみましょう。

価格競争からの脱却

「BtoB」の取引ではまず「企業の利益率や費用対効果」が重要視されます。企業にとって大きな額が動く取引になればなるほど、サービス購入側は出来るだけ安くて良いもの(メリットの大きいもの)を仕入れたいと考えます。

つまり、競合が多い企業ほど、他の企業に負けまいと価格競争に巻き込まれてしまう可能性が高くなるのです。BtoBブランディングを行い、自社のサービスに他社とは違う「価値」が広く認められるようになれば、こうした価格競争から脱却することができます。

競合が多く価格競争が激化しているBtoB企業の中で自社のサービスや商品を「安売り」しないためにも、企業がブランディングを行い他との差別化をはかることは大切なのです。

新規顧客の開拓

自社のブランド力が上がり、知名度が高くなれば、他の企業から「取引先」の選択肢として候補に上がる機会が増えます。元々取引がなかった企業であっても、「口コミを聞いて」「繋がりのある他社から紹介されて」といった理由で新規の顧客から声がかかる事もあります。

また、ブランド力の高さは信用にも繋がります。企業間の契約には、企業の利益率や費用対効果が重視される傾向があるものの、契約を行うかどうかを判断するのは「人間」です。信用できるかどうかわからない企業よりも、認知度が高かったり良いイメージがあったりする企業との取引を行いたいと考えるのが一般的ではないでしょうか。

企業間の取引への影響

現代ではインターネットで様々な情報を検索できる時代でもあり、企業に対するイメージや口コミは少し調べれば誰もが簡単に目にすることができます。

どれだけすばらしい技術を持っていても、多くの人々が「悪いイメージ」を持っている企業とは誰でも取引を躊躇ってしまいます。取引相手の「悪いイメージ」が自社の売り上げにも影響を及ぼしてしまうリスクがあるためです。

つまり、BtoBブランディングによる認知度の向上や「ブランド」という良いイメージの浸透には、新規の顧客に興味を持ってもらうだけではなく、自社の提案が通りやすくなる効果も見込めます。

有能な人材の獲得

BtoBを行い、企業のブランドイメージが確立されると、採用にも影響します。

新卒の学生などは、自分の知っている企業の中から就職先を選ぶ傾向があります。そのため、企業の認知度を高め、他の企業との差別化をはかる「ブランディング」をしっかり行っている企業には企業のありかたやブランドに共感し、企業のファンになってくれる人材が集まりやすくなるのです。

自社のビジョンやブランドに共感して入社した社員は、自社のサービスや商品にも愛着を持って仕事をしてくれる可能性も高く、入社後のミスマッチ率も低いため、結果的に長く活躍してくれる社員の獲得にも繋がります。

また、しっかりとブランドが確立され、社内外に「日本一の技術がある企業」「〇〇業界のトップ」などといった共通認識が生まれることは、元々働いていた社員のモチベーションアップにも繋がります。

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BtoB企業のブランディング戦略とポイント

BtoB企業のブランディング戦略とポイント

BtoB企業のブランディング戦略は、大きく分けて以下の4つのステップで進めていくことができます。

【BtoB企業のブランディング戦略 5つのステップ】

  1. 目標の設定
  2. 自社のサービスや商品の価値を見極める
  3. ターゲットの設定
  4. 情報の発信
  5. 情報発信の継続と効果検証

BtoB企業が実際にブランディングを行う際の流れやポイントについて、それぞれのステップに分けて解説していきます。

ステップ1:目標の設定

まずは、企業としての目標を設定します。ここで言う目標とは、理念や理想像のこと。ブランディングを行う際には、この「理想像」のイメージを持つことが大事です。

「理想像」を持つことによって企業が目指すものが明確になり、やらなければならない事が明確になるとともに、ブランディングの軸がぶれる事を防げます。そして、このことが結果として、どういう印象を持たれている企業なのか、というブランディングに繋がっていきます。

ブランディングを行い、自社の「ブランド」を確立するには最低でも2〜3年はかかると言われています。その間、施策の方向性が間違っていないか、効果は出ているか、もっと良いアピール方法はないか……などといった検証も定期的に行いましょう。

最初にしっかりと目標が設定されていれば、検証を行う時にも間違った方向に進んでいないかどうかをしっかり見極めることができます。

ステップ2:自社のサービスや商品の価値を見極める

ブランディングを行うにあたり、まず重要視されるものは「魅力」です。ここで言う「魅力」は、自社のサービスや商品の良さはもちろん、「信頼できる企業である」「パートナーとして安心して仕事が出来る」という点も一種の魅力と言えるでしょう。

また、現在の自社の立ち位置を見極めることも大切です。具体的には、SNSや口コミサイトで自社の評判や口コミを調べたり、競合他社の情報を集めたりして情報を集めます。収集した情報をもとに、自社や提供しているサービス・商品が現在まわりからどのようなイメージを持たれているのかを考察します。

自社の情報を効率よく収集するために、監視ツールや有人監視を導入する企業も増えています。

【監視ツールのメリット】

  • 初期費用があまりかからない
  • ひとつのツールで色々な場所が監視できる

 

【有人監視のメリット】

  • 監視のプロに丸投げできる
  • 会員制(ログインの必要がある)サイトの監視も可能
    ※サービス提供会社によるため、事前のヒアリングをしっかり行いましょう

 

インターネット上の口コミは、様々な立場の人が書き込みを行います。その中には、特定の企業を攻撃するために虚偽の口コミなどを書き込むような人も少なからずいるのが現実です。

そして、閲覧する人々も書き込みの真偽を確かめずに信じてしまう人が一定数いるため、事実ではない風評を放置してしまうと、折角ブランディングを行っているにもかかわらず上手くいかない場合もあります。

そういったリスクを軽減するため、万が一インターネット上に自社について虚偽の口コミや事実でない風評が散見された場合は、早急に対策を行う事をおすすめします。

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ステップ3:ターゲットの設定

いくら試行錯誤を重ねて「ブランディング」を行ったとしても、自社が行うブランディングが顧客のニーズに沿わなければ意味がありません。そこで、自社がブランディングを行う事でどういった客(企業)にアピールしたいのかというターゲットの設定を行います。

ターゲットの設定が完了したら、そのターゲットのニーズと自社のサービスや商品の魅力がマッチしているかどうかを確認し、どのようにアピールするかを考えます。

ステップ4:情報の発信

ターゲットと発信内容が決まったら、情報の発信を行いましょう。現代ではインターネットが普及し、企業にとっても情報発信のできる場所の選択肢が多くあります。自社の公式サイトでの発信はもちろん、専門雑誌や新聞など広告となる媒体は様々。

現代の情報収集はインターネットの利用が主流となっています。企業の公式ホームページとは別に、商品やサービスの紹介に特化したブランドサイトを作成するなど、インターネットでの情報発信は現代におけるBtoBブランディングには必須と言っても過言ではありません。

ターゲットによってはYouTubeやInstagram、Twitterなどたくさんの人に閲覧してもらえるSNSを活用するのも良いかもしれません。発信の方法も、文章や写真、イラストの他に動画やPR漫画を制作する企業もあります。

伝統や格式、歴史を重んじたブランディングをするのか、それとも新しさや親しみやすさを重視したブランディングをするのか……など、自社の商品や価値観、そして狙いたいターゲットに合ったアピール方法を考え、発信していきましょう。

また、作成したホームページやSNSをより多くの人に見てもらえるよう、SEOなどを行うのも賢い手段です。

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ステップ5:情報発信の継続と効果検証

企業のブランディングは、始めてからすぐに効果が出るものではありません。「ステップ1」でも説明したように、実際にブランディングの効果が実感できるのは、早くても施策を始めてから2〜3年後です。

企業の発信する「ブランド」が世の中に浸透するには、継続した発信が必要です。そのため、情報を発信するツールの見直しや、継続して情報を発信できる人材の確保などにも気を配るようにしましょう。

また、ブランディングの効果として、「企業のイメージどおりの『ブランド』が浸透しているか」「企業がアピールしたい人材(ターゲット)に『ブランド』が伝わっているか」という点を定期的に調査し、もしも最初に決めた「軸」から離れているようであれば都度軌道修正を行います。

まとめ|BtoB企業のブランディングを成功させるポイントは現状把握をすること

BtoB企業のブランディングを成功させるポイントは現状把握をすること

法人同士の取引には大きな金額が動く場合も多く、契約期間も長めになるため、取引先を選ぶ時にはどの企業も慎重になります。競合が多い企業にとっては特に、「選ばれる企業」になるための「BtoBブランディング」は重要な施策だと言えます。

効果的なBtoBブランディングを行うには、まず自社の現状を正しく把握する事が大切です。しっかりと自社の現状を把握することによって、ぶれないブランドの「軸」を設定しましょう。効率的に情報収集を行いたい場合は、監視ツールや有人監視などを取り入れるのもおすすめです。

企業がイメージした「ブランド」が広く浸透するには時間がかかります。定めた「軸」に行っている施策が合っているのかどうか検証する機会を定期的に設けることも忘れないでおいてください。

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監修者
法律事務所アルシエン 共同代表パートナー

清水 陽平

清水陽平弁護士
2007年弁護士登録(60期)。2010年11月法律事務所アルシエンを開設。ネット中傷の削除、投稿者の特定、炎上対応などインターネット分野の法律問題に取り組んでいる。総務省の「発信者情報開示の在り方に関する研究会」(2020年)、「誹謗中傷等の違法・有害情報への対策に関するワーキンググループ」(2022年~)の構成員となった。主要著書として、「サイト別ネット中傷・炎上対応マニュアル第4版(弘文堂)」などがあり、マンガ「しょせん他人事ですから ~とある弁護士の本音の仕事~」の法律監修を務める。