誹謗中傷・風評対策

5ちゃんねる・2ちゃんねる対策とは?誹謗中傷の削除方法

5ちゃんねる・2ちゃんねる対策とは?誹謗中傷の削除方法と弁護士・専門業者による対応

企業の評判やブランドイメージを一瞬で損なう可能性がある5ちゃんねる(2ちゃんねる)上の誹謗中傷。その対策を誤れば、さらなる炎上や信頼失墜を招くリスクがあります。

本記事では、5ちゃんねる対策の重要性から具体的な削除方法、そして弁護士や専門業者による効果的な対応まで、実務経験に基づいて詳しく解説します。企業の信頼とブランド価値を守るための最適な対策をご紹介します。

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5ちゃんねる・2ちゃんねるとは?企業に潜むリスク

5ちゃんねる・2ちゃんねるとは?企業に潜むリスクを徹底解説

5ちゃんねる(2ちゃんねる)は、日本最大級の匿名掲示板として多くのユーザーが利用しています。ある企業が2008年に公開したデータによると、5ちゃんねる(当時は「2ちゃんねる」)の月間利用者数は1170万人と言われており、その頃から現在に至るまで毎日多くの新規スレッドが作成されています。

ユーザー個人としては自分の立場や性別、年齢を超えてインターネット上でしか出会えないような人との会話や知識の共有が簡単にできる一方、その匿名性ゆえに誹謗中傷が拡散されやすく、企業にとってはリスク要因となるサイトでもあります。

ここでは、5ちゃんねるの歴史や現状、そしてそのリスクについて解説します。

参考:Q&A サイトや「ウィキペディア」は職場でも重用、意外と高い「2ちゃんねる」の職場利用|ネットレイティングス株式会社

2ちゃんねるの歴史と役割

1999年に開設された5ちゃんねる(当時は「2ちゃんねる」)は、日本最大の匿名掲示板として20年以上にわたり多くのユーザーに利用されてきました。

匿名性を活かした自由な議論の場として機能する一方で、その匿名性を悪用した誹謗中傷の温床としても知られています。1日の投稿数は数百万件にも及び、一度ネガティブな情報が掲載されると、瞬く間に拡散されるリスクがあります。

5ちゃんねるへの移行と現在の状況

2017年に2ちゃんねるは運営権の移譲により「5ちゃんねる(5ch.net)」へと移行し、運営体制が大きく変更されました。現在は5ch.netという正規の後継サイトと、「2ちゃんねる(2ch.sc)」という旧管理人による非公式ミラーサイトが並立している状況です。

5ちゃんねる(5ch.net)トップページ

引用:5ちゃんねる(5ch.net)トップページ

2ちゃんねる(2ch.sc)トップページ

引用:2ちゃんねる(2ch.sc)トップページ

この分裂により、2つのサイトで削除依頼の方法や対応窓口が異なるため、より複雑な対策が必要となっています。企業として対策を行う際は、両サイトへの対応を視野に入れる必要があります。

ネガティブ情報が拡散しやすい理由

5ちゃんねる(2ちゃんねる)の最大の特徴は、「匿名性」にあります。この匿名性により、投稿者の責任が極めて希薄化され、悪意ある書き込みが行われやすい環境となっています。

さらに、サイトの高い知名度と長い歴史により、検索エンジンでの表示順位が非常に高くなっています。そのため、企業名や商品名で検索した際に、ネガティブな書き込みが上位に表示されやすい傾向にあります。

また、多数のユーザーが閲覧することで情報が急速に拡散され、さらにまとめサイトによって二次利用されることで、影響が増幅される構造となっています。

5ちゃんねる・2ちゃんねるでの誹謗中傷対策の重要性

5ちゃんねる・2ちゃんねるでの誹謗中傷対策の重要性

5ちゃんねる(2ちゃんねる)上の誹謗中傷は、放置すればするほど企業価値を毀損するリスクが高まります迅速かつ適切な対応が求められる理由を解説します。

企業や個人に及ぼす悪影響

誹謗中傷による被害は、企業活動の様々な側面に深刻な影響を及ぼします。最も直接的な影響として、売上の減少が挙げられます。

消費者が商品やサービスの購入を躊躇したり、取引先が取引を見直したりするケースが少なくありません。また、採用活動においても、優秀な人材の確保が困難になるという事態が発生しています。

さらに深刻なのは、従業員のモチベーションや社内の士気への影響です。自社や自社製品に対するネガティブな書き込みは、従業員の仕事への誇りや自信を損ない、結果として業務効率の低下や離職率の上昇につながることがあります。

これらの影響は、時間の経過とともに深刻化する傾向にあり、早期の対応が極めて重要となります。

対策を怠ることによるリスク

誹謗中傷への対策を怠った場合、風評被害は時間とともに拡大していく傾向にあります。

特にGoogleなどの検索エンジンで、誹謗中傷を含むスレッドが上位に表示され続けることで、新規顧客の獲得が困難になるだけでなく、既存顧客との関係にも悪影響を及ぼす可能性があります。それだけではなく、初期対応が遅れると削除対応も困難になり、回復に多大なコストがかかります

さらに、放置された誹謗中傷は、第三者による追加の誹謗中傷を誘発する可能性があります。また、企業の場合は従業員の士気にも関わります。人材の確保が困難(従業員の離職率の増加や新規求職者の減少)になり、事業運営に支障をきたすリスクも高まります。

ネガティブ情報の拡散リスク

5ちゃんねる(2ちゃんねる)上の誹謗中傷は、掲示板内に留まらず、さまざまな経路で拡散されていきます。特にX(旧:Twitter)やFacebookなどのSNSでの拡散は、その影響力の大きさから最も警戒が必要です。SNSユーザーによる引用や転載は、オリジナルの書き込み以上の影響力を持つ場合があります。

また、アフィリエイトサイトやニュースサイトなどのまとめサイトによる転載も深刻な問題です。これらのサイトは、5ちゃんねるの書き込みを編集・加工して掲載することもあり、時として誤った文脈で情報が伝播される危険性があります。このような二次的な拡散は、原文以上の影響力を持つ可能性があり、対策の必要性を一層高めています。

5ちゃんねる・2ちゃんねるの誹謗中傷投稿を削除する方法

5ちゃんねる・2ちゃんねるの誹謗中傷投稿を削除する方法

適切な手順で削除依頼を行うことで、誹謗中傷投稿に対処することが可能です。ここでは、具体的な削除依頼の方法と注意点について詳しく説明します。

5ch.netと2ch.scの削除申請手順

5ちゃんねる(5ch.net)での削除申請は、まず「削除ガイドライン」を確認します。とくに、「削除依頼の注意」という項目は熟読することをおすすめします。

「5ちゃんねる」の削除要請板依頼フォーム

引用:「5ちゃんねる」の削除要請板依頼フォーム

削除対象であった場合、「削除要請板」または「 削除整理板」の専用フォームからの申請を行うほか、理由を添えてメールでの削除依頼をすることも可能です(参照:https://ace.5ch.net/saku2ch/)。

2ちゃんねる(2ch.sc)の場合は、まず「削除ガイドライン」と「削除依頼の注意」「削除依頼の入り口」をよく確認します。「削除依頼の注意」のページにはフォームの入力方法が具体的にかかれているため、特によく読むことをおすすめします。

「2ちゃんねる」の削除要請板依頼フォーム

引用:「2ちゃんねる」の削除要請板依頼フォーム

削除対象であった場合は、「削除要請板」または「削除整理板」での削除依頼を行います。削除依頼のスレッドが見当たらない場合や、削除依頼の書き方に不安がある場合は、削除依頼フォームから投稿することができます。

こちらの場合も、削除要請板に投稿した場合で、依頼から2週間以上、削除人・削除屋から削除も却下も返答もされていない場合は専用のアドレスからメールで問い合わせをします。

5ch.net・2ch.scともに削除依頼は原則全て公開されます。依頼の際は、その内容が誰でも見ることができるようになってしまうことを考慮し、慎重に行いましょう。

削除依頼のために必要な情報

削除依頼を行う際は、まず対象となるスレッドのURLと問題となる投稿のレス番号を正確に把握する必要があります。これに加えて、削除を希望する明確な理由を示す必要があります。

ただし、削除要請板、削除整理板などに削除申請をすると、理由も全て公開されてしまうため慎重な対応が必要です。

また、5ちゃんねる(2ちゃんねる)は法人や団体、公的機関に関する書き込みの削除に関して、書き込まれた掲示板のカテゴリによっては、削除可否の判定を厳しくしています。

法人・団体・公的機関の取り扱い

原則放置
法人・団体については、カテゴリによって扱いが違いますが、原則として放置であるとご理解ください。  社会・出来事カテゴリ内では、批判・誹謗中傷、インターネット内で公開されている情報、インターネット外のデータソースが不明確なもの、は全て放置です。
その他のカテゴリ内では、掲示板の趣旨に関係があり、客観的な問題提起がある・公益性のある情報を含む・その法人・企業が外部になんらかの影響を与える事件に関係している・等の場合は放置です。学問カテゴリ内では、この判定を厳しくいたします。
公的機関については、他の削除基準と掲示板の趣旨に反しない限り放置します。

依頼方法
担当部署および担当責任者の連絡方法(メールアドレス可)が必須です。それ以外は、通常の依頼と同様に削除理由と削除対象の特定も必要です。

抜粋:5ちゃんねる(5ch.net) 削除ガイドライン

企業や団体、公的機関からの申請の場合、担当部署および担当責任者のメールアドレスが必要です。申請者の正当性を証明する重要な要素となるため、不備のないよう準備することが重要です。

依頼フォームの活用と注意点

削除依頼フォームを活用する際は、感情的な表現を避け、客観的な事実に基づいた記述を心がけることが重要です。具体的な証拠を示しながら、なぜその書き込みが削除されるべきなのかを、法的根拠とともに明確に説明する必要があります。

また、申請は簡潔かつ正確であることが求められます。複数の削除理由がある場合は、それらを整理して記載し、必要な証拠書類を漏れなく添付することで、削除の可能性を高めることができます。特に、著作権侵害や名誉毀損など、法的な観点からの申請の場合は、より詳細な説明と証拠の提示が必要となります。

弁護士や専門業者による対策サポート

弁護士や専門業者による対策サポート

専門家による支援を受けることで、より確実な対策が可能になります。それぞれの特徴とメリットについて解説します。

弁護士に依頼するメリット

弁護士に依頼することの最大の利点は、法的な専門知識を活用した確実な対応が可能となることです。

特に権利侵害の立証においては、どの法律のどの条項に違反するのかを明確に示す必要があり、弁護士の知見が大きな力となります。また、将来的な同様の問題を防ぐための法的アドバイスも得られます。

さらに、弁護士による対応は裁判手続を踏まえて行うこともでき、仮処分の申立、そして発信者情報開示請求など、法的手段を用いた実効性の高い対応が可能です。これにより、通常の削除依頼では対応が難しいケースでも、解決への道筋をつけることができます。

専門業者のサポート内容

専門業者による対策の特徴は、包括的かつ継続的なサポートにあります。

24時間体制でのモニタリングにより、問題のある書き込みを早期に発見し、迅速な初期対応が可能となります。

予防的なアプローチも専門業者の重要な役割です。定期的なリスク分析と対策アドバイス、継続的な評判管理、そしてSEO対策との連携により、誹謗中傷による被害を最小限に抑えることが可能です。特に、検索結果の最適化は、ネガティブな情報の表示順位を下げる効果があります。

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コストと対応の比較

誹謗中傷対策にかかる費用は、対応方法によって大きく異なります。

弁護士に対策を依頼する場合

【弁護士に依頼した方が良い場合】

  • 発信者を特定したい
  • 法的に問題のある投稿の削除を代理で行って欲しい
  • 損害賠償の請求などの裁判手続きを行いたい

弁護士に依頼する場合、費用は大まかに分けて相談料・着手金・報酬金という3つの構成となっています。事務所によっては無料相談を受け付けている場合もありますが、相談料の相場は30分あたり5,000円〜1万円ほどです。

そこから実際に弁護士に依頼を行う場合、「削除請求」となると削除の件数や裁判手続を使うのかなどにより大きく変わりますが、着手金と報酬金合わせて20万円〜50万円程度を見ておくと良いでしょう。

弁護士に依頼する最大のメリットは、法的強制力を持った対応ができる点です。特に、誹謗中傷投稿そのものを削除したい場合は、自分で行うよりも法律を熟知し、過去に削除の経験がある弁護士に依頼した方が確実性が上がります。

ただし、コストは高めであり、問題に対して何か継続的な対策を行いたい場合には不向きと言えるでしょう。

専門業者に対策を依頼する場合

【専門業者に依頼した方が良い場合】

  • 法的には削除が認められない誹謗中傷に対して対策を行いたい
  • モニタリングなど継続的な対策を行いたい
  • 誹謗中傷対策に関して包括的なアドバイスが欲しい

5ちゃんねるを含め、誹謗中傷対策を行っている専門業者は、誹謗中傷に対してあらゆるアプローチを行う事が可能です。継続的なサービスを行う場合は、およそ月額3万円から20万円程度の費用が一般的です。

モニタリングだけではなく、問題の早期対応や保険などを含めたパッケージ商品として提供している企業もあるため、受けるサービス内容や対策を行うワードの量、契約期間、難易度などの要素で価格が大きく変動します。

その他のスポット対応の場合は、案件の複雑さに応じておよそ10万円から20万円程度の費用が発生します。これらの費用も、企業の規模や対策の範囲によって変動します。実際にどのような対策が可能なのかも含め、金額は気になっている業者に直接聞くようにしてください。

専門業者の利点は、スピード感のある対応と比較的低コストで継続的なサービスが受けられる点にあります。ただし、投稿の削除など法的措置を必要とする場合には対応ができないため、弁護士と連携する必要があります。

5ちゃんねる・2ちゃんねる対策の注意点と効果的なアプローチ

5ちゃんねる・2ちゃんねる対策の注意点と効果的なアプローチ

効果的な対策を実施するには、慎重な判断と適切な対応が求められます。以下、重要な注意点と効果的なアプローチについて詳しく説明します。

反撃による炎上リスクの回避

誹謗中傷への対応で最も避けるべきは、感情的な反論や露骨な削除依頼です。このような対応は、かえって状況を悪化させる可能性が高くなります。特に、威圧的な法的措置の予告は、ユーザーの反発を招き、新たな炎上を引き起こす危険性があります。

代わりに推奨されるのは、冷静な事実確認と適切な証拠収集です。必要に応じて専門家への相談を行い、法的根拠に基づいた対応を進めることが重要です。この際、企業としての透明性を保ちながら、誠実な姿勢で対応することが、長期的な信頼回復につながります。

削除されない可能性を理解する

すべての批判的な書き込みが削除対象となるわけではないことを理解しておく必要があります。特に、事実に基づく批判や主観的な評価、公共性のある情報については、削除が認められない場合が多くあります。

このような場合、代替戦略として、自社の正確な情報発信やSEO対策による検索結果の改善、企業としての透明性向上などの施策を検討する必要があります。特に、自社のウェブサイトやSNSでの積極的な情報発信は、誹謗中傷の影響を緩和する効果があります。

継続的なモニタリングの重要性

誹謗中傷対策において、継続的なモニタリングは非常に重要な役割を果たします。早期発見により被害を最小限に抑え、迅速な対応が可能となるからです。特に、情報が拡散する前に対策を講じることで、その後の対応にかかるコストと労力を大幅に削減することができます。

モニタリングの方法としては、専門ツールの活用や定期的な検索、アラート設定などが効果的です。これらを組み合わせることで、より確実な監視体制を構築することができます。また、モニタリング結果を分析することで、リスクの傾向を把握し、予防的な対策を講じることも可能となります。

弊社でも『ツール×有人』でダブルチェックを行う「ネット監視サービス」を提供しております。万が一炎上した場合のサポート保険付サービスとなっており、その際のフォローとアドバイスも可能。官公庁の導入実績もあるサービスです。

詳しいサービス「ネット監視サービス」の内容や導入実績は以下のページにてご紹介しております。

まとめ|効果的な5ちゃんねる・2ちゃんねる対策で企業価値を守る

効果的な5ちゃんねる・2ちゃんねる対策で企業価値を守る

5ちゃんねる(2ちゃんねる)対策は、単なる誹謗中傷の削除だけでなく、企業価値を守るための総合的な取り組みとして捉える必要があります。早期発見と適切な初期対応、専門家との連携、そして継続的なモニタリングと予防的対策、これらの要素を効果的に組み合わせることで、企業の評判とブランド価値を適切に保護することが可能となります。

特に重要なのは、対策の一貫性と継続性です。一時的な対応では根本的な解決にはなりません。長期的な視点に立ち、企業の評判管理の一環として取り組むことが求められます。誹謗中傷への対応に不安がある場合は、まず専門家に相談し、自社に最適な対策方針を検討することをお勧めします。

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監修者
法律事務所アルシエン 共同代表パートナー

清水 陽平

清水陽平弁護士
2007年弁護士登録(60期)。2010年11月法律事務所アルシエンを開設。ネット中傷の削除、投稿者の特定、炎上対応などインターネット分野の法律問題に取り組んでいる。総務省の「発信者情報開示の在り方に関する研究会」(2020年)、「誹謗中傷等の違法・有害情報への対策に関するワーキンググループ」(2022年~)の構成員となった。主要著書として、「サイト別ネット中傷・炎上対応マニュアル第4版(弘文堂)」などがあり、マンガ「しょせん他人事ですから ~とある弁護士の本音の仕事~」の法律監修を務める。