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ネットの誹謗中傷は犯罪行為になる!条件や法律のポイントを詳しく解説

ネットの誹謗中傷は犯罪行為になる!条件や法律のポイントを詳しく解説

近年ではインターネット上の誹謗中傷に纏わる犯罪や事件がマスメディアでも詳しく報道されるようになり、問題視されたり、改めてインターネットの使い方を考えたりする機会も増えてきました。

最近ではSNSに書き込まれた誹謗中傷が原因で心を痛め、自ら命を絶ってしまう人や社会の中で普通の生活が出来なくなってしまう人も出ています。

インターネット上の誹謗中傷は現代における社会問題のひとつと言っても過言ではありません。

SNSや掲示板をはじめとしたサイトに書き込みを行うユーザーの中には、いまだに他人に対する誹謗中傷を書き込む人が絶えません。

その背景には、インターネットの匿名性があると言って良いでしょう。「匿名である」事によって罪の意識が薄くなっている人は一定数います。しかし、匿名での発言だからといっても、誹謗中傷の内容によっては犯罪になり得る事はあります。

本記事では、「インターネット上において、どのような誹謗中傷が罪となるのか」「匿名で犯罪となり得る発言を行った人を特定する場合」について詳しく説明していきたいと思います。

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インターネットにおける犯罪について最初に知っておくべきこと

インターネットにおける犯罪について最初に知っておくべきこと

令和2年(2020年)5月に総務省が発表したデータによると、インターネットの利用者は全体の89.9%となっており、約9割に迫っていることがデータとして発表されています。特に近年においては6~12歳の低年齢層と60歳以上の高齢層での利用率が増えていると言われています。

さらに、そのうちの70%近くがSNSを利用しているというデータもあり、「13~19歳」「20~29歳」「30~39歳」の3項目の人々は80%以上がSNSを利用しています。

参考:総務省「令和元年通信利用動向調査の結果」(令和2年5月29日発表)

インターネットのトラブル相談件数は増加傾向、10代や20代からの相談も

元々は、インターネット上の誹謗中傷トラブルと言えば匿名のインターネット掲示板やブログのコメント欄が主流と考えられていました。

しかし、何度かニュースで見た方も多いかもしれませんが、近年はSNSが絡んだトラブル(特に、個人への誹謗中傷が関係するもの)が多く報道されています。これも、インターネットを利用する人の殆どが個人のSNSアカウントを所持している事の弊害と言えるでしょう。

2020年の8月4日から8月19日までの14日間、LINE株式会社が一般財団法人 全国SNSカウンセリング協議会とともに行ったLINE相談窓口「SNS誹謗中傷等の心のケア相談」では、限られた期間の中で164件もの相談があったとされています。

相談者の年齢層は75%が10代と一番多く、次に20代が多かったと発表しており、10代~20代がトラブルに巻き込まれるケースが増えている事も推察できます。

参考:SNS誹謗中傷等の心のケアLINE相談に、14日間で164件の相談 | LINE Corporation | CSR活動レポート

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約5人に1人がSNSでの誹謗中傷を「受けたことがある」

大手インターネットプロバイダ「BIGLOBE」を運営するビッグローブ株式会社が2020年8月に発表した「withコロナ時代のストレスに関する調査」(第2弾)では、 「SNSで他者から誹謗中傷をされたことがある」という質問に「よくある」または「たまにある」と回答した20代は3割弱にものぼるという結果が出ています。

10代、30代、40代の回答においても2割近くの回答者が「よくある」または「たまにある」と回答している所を見ると、SNSで誹謗中傷を受けた経験のある人は少なくとも5人に1人程度の割合で存在すると言え、決して少ない人数ではないと言えます。

また、同調査では「あなたは著名人が一般人と比べて発言や行動を強く非難されやすいことについてどのように考えますか」という質問に対し「仕方ないと思う」「やや仕方ないと思う」と回答した人が合計で56.4%もいるという結果も出ています。

もちろん、著名人だから「誹謗中傷を受けても仕方がない」ということはありません。

参考:SNSでの誹謗中傷に対する罰則「強化すべき」8割強BIGLOBEが「withコロナ時代のストレスに関する調査」第2弾を発表 | プレスルーム | ビッグローブ株式会社

トラブルの増加に対し、対処しようという動きも大きくなっている

もちろん、これらのトラブルに対応していこうとする動きも加速しています。例えば、2020年4月にはByteDance株式会社、Facebook Japan株式会社、LINE 株式会社、Twitter Japan株式会社の4社を中心とした「⼀般社団法⼈ソーシャルメディア利⽤環境整備機構」が設立されました。

⼀般社団法⼈ソーシャルメディア利⽤環境整備機構 関連会社

引用:SNS 等の安⼼・安全な利⽤環境実現のため「⼀般社団法⼈ソーシャルメディア利⽤環境整備機構」を設⽴(PDF)

⼀般社団法⼈ソーシャルメディア利⽤環境整備機構の設立は、SNSを通じた性被害やSNS上でのいじめ、誤った情報への接触・拡散、違法・有害なコンテンツ、テロ関連コンテンツなどといった様々な課題の対処を目的としています。

2020年7月には、法務省・総務省と共同でSNS利用に対するスローガン「#NoHeartNoSNS」を発表し、SNSでトラブルに遭った場合の対処法やわかりやすい削除依頼の手順、困ったときの相談先などをまとめた#NoHeartNoSNS 特設サイトを公開しました。

参考:SNS 等の安⼼・安全な利⽤環境実現のため「⼀般社団法⼈ソーシャルメディア利⽤環境整備機構」を設⽴(PDF)
参考:法務省、総務省と共同で、SNS のより良い利⽤環境実現に向けたスローガン #NoHeartNoSNS を発表(PDF)

誹謗中傷によって「名誉権を侵害」していないかどうかが大きな鍵

インターネット上に投稿されている誹謗中傷は、投稿された人物の名誉権を侵害している場合が多くあります。

過去の判例において「名誉」は、以下のように説明されています。

民法七二三条にいう名誉とは、人がその品性、徳行、名声、信用等の人格的価値について社会から受ける客観的な評価、すなわち社会的名誉を指すものであつて、人が自己自身の人格的価値について有する主観的な評価、すなわち名誉感情は含まないものと解すべきである。

引用:最高裁判所判例集 事件番号 昭和43(オ)1357 「民法七二三条にいう名誉の意義」

簡単に言うと、誹謗中傷の内容を見た第三者が、「この人と関わるのはやめよう」「この人と一緒に仕事をするのは不安だ」などと感じる、「社会的な信用を失う」ものを「名誉」と位置づけていると言えます。

加えて、「自分のプライドが傷ついた」などといった主観的な名誉感情はここで言う「名誉」には含まれません。

SNSや掲示板など、不特定多数の人々が閲覧できるような場所で「この人は過去に〇〇という事件を起こした」「この人は実は多額の借金を抱えている」などといった書き込みをされた場合、その投稿を見た人からの信用を失う恐れは大いにあります。

書込みの内容が真実だった場合は違法にならない場合もありますが、もし真実であることの証明ができないならその投稿は「名誉権の侵害」といった不法行為と判断出来ます。

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インターネットの誹謗中傷が犯罪になる条件とは?こんな刑事罰を科される場合も

インターネットの誹謗中傷が犯罪になる条件とは?こんな刑事罰を科される場合も
SNSや掲示板などに投稿された書き込みの内容が名誉権などの人格権を侵害していると証明できる場合、被害を受けた本人からの申請があれば書き込みの削除が可能です。

また、書き込まれた中傷の内容が極めて悪質だった場合は以下で説明するような刑事上の「犯罪」として扱われる場合もあります。

名誉毀損罪

インターネットの誹謗中傷トラブルで一番多く名前を聞くのが「名誉毀損罪」ではないでしょうか。

第二百三十条 公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金に処する。

引用:電子政府の総合窓口(e-Gov)刑法 第二百三十条

名誉毀損罪に関しては、刑法230条に記述があります。名誉毀損罪に当てはまるかどうかのポイントは、「公然と」「事実を摘示し」「人の名誉を毀損した」という点に分けられます。

まず、「公然と」とは、簡単に言うと「不特定多数の人物が閲覧可能な状態にする」という意味なので、もちろんインターネットの掲示板やSNSへの投稿も含まれます。メールなど1対1でやり取りする場での誹謗中傷の場合は、「公然と」に当てはまらないため名誉毀損になりませんが、メールを多数人に送られたという場合であれば「公然と」といえることになります。

また、X(旧:Twitter)やInstagramの鍵アカウント(非公開設定にしているアカウント)に投稿された場合でも、その発言をスクリーンショットなどで保存された上、別の公開アカウントで拡散されてしまった場合は「公然と」に当てはまるので注意しておきましょう。

次に「事実を摘示し」についてです。「事実」というのは、「不倫をしている」「暴力事件を起こした」など、具体的な行動の事を言い、それが本当のことかどうかは関係がありません。

「事実」とは「真実」とは異なる概念というのがポイントであり、本当のことを指摘する場合でも名誉毀損罪になり得るということです。

そして「人の名誉を毀損した」は、すでに説明したように人の社会的評価を低下させることを指します。なお、ここでの「人」は生きている人のことを指し、死者は含まれません。

名誉毀損罪が成立しない場合

一見、名誉毀損に当たるように見えても名誉毀損罪が成立しない場合があります。投稿が以下の内容に当てはまった場合です。

(公共の利害に関する場合の特例)
第二百三十条の二 前条第一項の行為が公共の利害に関する事実に係り、かつ、その目的が専ら公益を図ることにあったと認める場合には、事実の真否を判断し、真実であることの証明があったときは、これを罰しない。

2 前項の規定の適用については、公訴が提起されるに至っていない人の犯罪行為に関する事実は、公共の利害に関する事実とみなす。

3 前条第一項の行為が公務員又は公選による公務員の候補者に関する事実に係る場合には、事実の真否を判断し、真実であることの証明があったときは、これを罰しない。

引用:電子政府の総合窓口(e-Gov)刑法 第二百三十条の二

上記の文章で「特例」として名誉の毀損と見なされない条件は、簡単に言うと

  • 「公共の利害」に関する内容であった場合
  • 発言者が「公益を図る目的」を持って発言した場合
  • 摘示された「事実」が「真実」であると証明された場合

この3点の条件が全て揃っていれば、違法性がなくなり名誉毀損罪と判断はされません、という事です。そのため、公務員や政治家・企業の社長などに寄せられた一部の発言に関しては、名誉毀損にならないケースが生まれてきます。

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侮辱罪

第二百三十一条 事実を摘示しなくても、公然と人を侮辱した者は、拘留又は科料に処する。

引用:電子政府の総合窓口(e-Gov)刑法 第二百三十一条

名誉毀損罪と並んでよく見るのは、「侮辱罪」です。こちらは、先ほど説明した「事実」を摘示しない場合に当てはまります。

「事実」を摘示しない誹謗中傷とは、例えば「この人は馬鹿者だ」「能力がない人だ」など、人の人格的な価値を貶めるような発言のことを言います。

侮辱罪の厳罰化にむけた動き

現在、「事実を摘示する」名誉毀損罪に比べて「事実を摘示しない」、つまり具体的な行動などを提示せずに相手の人格をおとしめる侮辱罪の方が軽い罰則であることが注目され、「侮辱罪」を厳罰化する動きが起きています。

侮辱罪は刑法が制定された1907年(明治40年)から大きな見直しがなかった罰則でしたが、現代ではインターネットの誹謗中傷の深刻化によってSNS等での発言が「侮辱罪」に当てはまる事例が多くなっており、対策強化のために法制審議会による罰則の見直しが進められています。

【侮辱罪の厳罰化(案)】

■現行法
拘留(30日以内)又は科料(1万円未満)

■改正案(2021年10月現在)
1年以下の懲役・禁錮または30万円以下の罰金を追加

法改正についての審議はこれから行われる事になりますが、もしも侮辱罪が上記の案のように改正された場合「侮辱罪」が厳罰化するだけではなく、公訴時効が1年から3年に延びることになり、立件対象者の拡大が見込まれます。

参考:「侮辱罪に懲役刑」厳罰化答申へ 法制審部会、ネット上の中傷対策:東京新聞 TOKYO Web

信用毀損罪・業務妨害罪

第二百三十三条 虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて、人の信用を毀損し、又はその業務を妨害した者は、三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

引用:電子政府の総合窓口(e-Gov)刑法 第二百三十三条

刑法233条に記載されている「信用毀損罪」「業務妨害罪」は、「虚偽の風説を流布」「偽計を用いて」と書かれている通り、誹謗中傷の内容が嘘の内容である事が前提となります。

「人の信用を毀損し」という部分において、実際に多くの人からの信用を失わせたとは言えなくとも、「そういう恐れのある状態にした」とみなされた場合は信用毀損罪と判断される事も覚えておきましょう。

脅迫罪・強要罪

第二百二十二条 生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者は、二年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。
2 親族の生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者も、前項と同様とする。

第二百二十三条 生命、身体、自由、名誉若しくは財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し、又は暴行を用いて、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害した者は、三年以下の懲役に処する。
2 親族の生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害した者も、前項と同様とする。
3 前二項の罪の未遂は、罰する。

引用:電子政府の総合窓口(e-Gov)刑法 第二百二十二条・第二百二十三条

インターネット上で起こる誹謗中傷の中には、相手に対する悪口や嫌がらせの他に、特定の人物に向けて「殺す」「殴る」「壊す」「閉じ込める」などといった強い言葉を使って脅すような書き込みを行う人もいます。

刑法222条・223条に記載される「脅迫罪」「強要罪」には「害を加える旨を告知して人を脅迫」とあります。この「告知」には、SNS・掲示板への投稿や、相手宛のリプライ、X・Instagramに付いている機能のひとつであるDM(ダイレクトメール)なども十分に当てはまります。

強要罪の場合、「人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害」という記載があります。「〇〇しないと殺す」などのメッセージを送りつけ、受け取り側が強制的に「〇〇」をしなければいけない状況にさせる、といった点が脅迫罪との大まかな違いになります。

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もしも自分が誹謗中傷を受けて大きな被害を受けてしまった場合、相手に慰謝料を請求したり、刑事罰を与えて罪を償って欲しいと思ったりする事もあるかと思います。

インターネット上での発言は基本的に「匿名性が高い」ため、インターネット上以外でもやり取りのある人や、本名を使って発言をしている人(著名人など)以外が相手だった場合、相手の情報が全く分からないという事もあります。

だからといって、インターネット上での発言は「完全な匿名」ではありません。少し複雑ではありますが、法的な手順を踏めば匿名で誹謗中傷を発言した相手を特定することが可能になる場合もあります。

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発信者の情報開示を検討する時に確認しておくこと

匿名で誹謗中傷を投稿した相手を特定する作業に入る前に、まずは「発信者の情報開示が可能であるかどうかをよく検討する」事が必要です。簡単に言えば、相手が違法行為をしているのか否かをしっかり確認するという事です。

【確認すべきポイント】

  • 相手の発言内容から、対象となる個人が特定できるか
  • 対象となる(誹謗中傷を受けた)個人の社会的評価の低下に繋がっているか
  • 相手の発言内容に違法性がない事を伺わせる事情がないか
  • 誹謗中傷が投稿されてから時間が経ち過ぎていないか

大まかに言えば、以上のポイントを押さえており、かつ、その事実の根拠を明確に提示できる場合は、書き込まれた誹謗中傷が「不法行為」と認められる可能性があるため、発信者の情報開示に進んでも良いでしょう。

注意しなくてはいけないのは、誹謗中傷が投稿されたサイトが海外のサイトであった場合です。その場合、海外法人が日本の「プロバイダ責任制限法」に従う理由がないため、発信者の情報開示は難しくなってしまう場合があります。(ただし、XやInstagramなどといった日本のユーザーが多いサイトに関しては対応してもらえます)

発信者情報開示請求の大まかな流れ

それでは、発信者情報開示請求の流れを大まかに説明します。

1.事前の検討で開示できる可能性があると判断できたら、プロバイダ責任制限法に基づくプロバイダに等に投稿者のIPアドレスをタイムスタンプの開示を請求します。(「プロバイダ等」とは、例えばTwitterへの投稿で被害を受けた場合の「プロバイダ等」はTwitter社というように、ここではサイトの管理者を指します)

2.基本的に、サイトの管理者から任意で情報が開示される事がないため、裁判所に対して「発信者情報開示仮処分命令申立」を行います。情報開示のために行う1回目の裁判という事になります。

この申し立てを経て、裁判所の方からサイトの管理者に対して「発信者の情報を開示するように」という仮処分の命令をしてもらいます。

3.サイトの管理者から「IPアドレス」と「タイムスタンプ」が開示されたら、その情報をもとにして今度は「発信者が投稿するために使ったプロバイダ」を特定します。

特定ができたら、今度はそのプロバイダに対して契約者の「氏名」「住所」「電話番号」「メールアドレス」の開示請求を行います。

4.もちろん、ここでもプロバイダは任意で情報を開示する可能性は低いため、今度はこのプロバイダを相手に「発信者情報開示請求」の裁判を行います。

この2回目の裁判で、裁判所からプロバイダに「発信者の情報を開示するように」と命令をしてもらえれば、「プロバイダ契約者」の住所や氏名、電話番号、メールアドレスが開示されるのです。

匿名の相手を特定するには最低2回の裁判が必要!

以上のように、インターネットを使って匿名で誹謗中傷をしてきた相手を特定するには、現在の日本の制度だと最低2回の裁判が必要となります。

この手順を踏み相手を特定して初めて、相手に損害賠償請求を行ったり刑事罰を与えてもらえるように告訴状を提出したりするフェーズに移る事ができます。

また、匿名の相手を特定するためには長い時間もかかる事がわかります。それだけ体力や労力もかかります。その上、発信者特定のための裁判や警察に受け取ってもらえる告訴状の書き方など、詳しい法律の知識が必要な場面も多く出てくるため、匿名の相手を特定する必要がある際には、インターネットトラブルの解決実績のある弁護士に依頼をして相談に乗ってもらったり、諸々の手続きを代理で行ってもらったりすることをおすすめします。

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まとめ|インターネットでの誹謗中傷は犯罪になる場合も!書き込む前に読み返すなど対策をしよう

インターネットでの誹謗中傷は犯罪になる場合も!書き込む前に読み返すなど対策をしよう
普段利用しているSNSで、有名人の投稿のリプライ欄やコメント欄を見ると、酷い言葉を使った誹謗中傷を書き込んでいる人がいます。

今回は、書き込んだ内容によって、どのような罪になり得るのかを説明しました。書き込まれた誹謗中傷は、内容によっては犯罪と見なされるということをしっかりと覚えておきましょう。

もしも、自分のSNSなどに誹謗中傷が書き込まれてしまった場合は、その投稿がどんな罪に当てはまるのかの参考として本記事を読んでいただくと良いと思います。刑事罰を与えるまでは考えていなくても、書き込みが違法なのか(削除申請可能かどうか)判断したい、という場合でも参考にできるかと思います。

実際に民事・刑事で訴訟を起こそうと考えている場合は、インターネットトラブルの解決実績のある弁護士に相談して頂ければと思います。また、誹謗中傷の内容がどうしても「違法ではない」との判断に至った場合は、ぜひ誹謗中傷対策を行っている会社にも相談してみてくださいね。

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監修者
法律事務所アルシエン 共同代表パートナー

清水 陽平

清水陽平弁護士
2007年弁護士登録(60期)。2010年11月法律事務所アルシエンを開設。ネット中傷の削除、投稿者の特定、炎上対応などインターネット分野の法律問題に取り組んでいる。総務省の「発信者情報開示の在り方に関する研究会」(2020年)、「誹謗中傷等の違法・有害情報への対策に関するワーキンググループ」(2022年~)の構成員となった。主要著書として、「サイト別ネット中傷・炎上対応マニュアル第4版(弘文堂)」などがあり、マンガ「しょせん他人事ですから ~とある弁護士の本音の仕事~」の法律監修を務める。