自社名を検索した際に、「倒産」「ブラック」「クレーム」などの不適切なキーワードが自動表示されることがあります。
このような現象は「サジェスト汚染」と呼ばれ、企業の信用やブランドイメージを大きく損なう原因となります。
一度ネガティブなサジェストが表示されると、採用活動や取引先からの信頼にも影響を及ぼすおそれがあり、早期の対応が重要です。
この記事では、企業におけるサジェスト汚染の主な原因、削除の方法や効果的な対策について詳しく解説します。
サジェスト汚染とは

サジェスト汚染とは、検索エンジンの検索入力枠に表示される「検索候補(サジェスト)」に、対象の企業・商品・サービスに対してネガティブな言葉が並んでしまう現象をいいます。
検索候補として以下のようなキーワードが表示されると、たとえそれらの言葉が事実でなかったとしても、顧客や取引先、求職者に対して悪い印象を与えてしまうでしょう。
- 〇〇(企業名) ブラック
- 〇〇(商品名) 不良品
- 〇〇(サービス名) 詐欺
検索エンジンは検索回数や関連性をもとに人気の高い組み合わせを自動表示するため、ネガティブワードが繰り返し検索されるほど「関心の高い組み合わせ」と判断し、検索候補(サジェスト)に表示してしまう仕組みです。
Googleサジェストの仕組み

Googleサジェストとは、ユーザーが検索窓に文字を入力し始めた時点で検索意図を予測し、関連するキーワード候補を自動的に表示する機能です。
多くのユーザーがどのような言葉を検索しているか、また、どの話題に注目が集まっているかといったデータをもとに検索候補が作られます。
非常に便利な機能ですが、検索数が急増したり、特定の話題が炎上したりすると、ネガティブなキーワードが並ぶことも少なくありません。
まずは、Googleサジェストがどのように選ばれ、なぜネガティブなキーワードが表示されるのか、その仕組みをわかりやすく解説します。
他ユーザーの検索行動が反映される
Googleサジェストは、多くのユーザーが実際に入力・検索したキーワードをもとに候補を生成しています。
例えば「〇〇(企業名) ブラック」という検索が繰り返し行われた場合、Googleは「多くの人が関心を持つ組み合わせ」と判断し、サジェストに反映します。ネガティブなキーワードであっても、検索数が増えるほど候補として表示されやすくなる仕組みです。
企業の不祥事やSNSの炎上など話題性の高いニュースが広がった場合、検索回数が急増し、短期間でネガティブなキーワードが表示されることもあります。
地域や言語設定によって変わる
Googleサジェストは、ユーザーの「位置情報」や「使用言語設定」も考慮してキーワードを表示します。
例えば「レストラン」と入力した場合、東京のユーザーには「レストラン 渋谷」、大阪のユーザーには「レストラン 梅田」など、地域ごとに異なるサジェストが表示されるのが特徴です。
また、言語設定が日本語か英語かによっても、表示内容や順番が変わります。
Googleは、その地域や言語で最も関連性の高いキーワードを優先的に表示する仕組みを採用しており、世界中で一律に同じ結果が表示されるわけではありません。
自分の検索履歴が影響する
Googleサジェストは、ユーザー自身の「検索履歴」に基づいてパーソナライズされることもあります。
例えば、過去に「〇〇 評判」「〇〇 ブラック」「〇〇 詐欺」などと検索していた場合、次に「〇〇」と入力すると、同じ関連キーワードが表示されやすくなる仕組みです。
自分の検索履歴が影響しているかを判断するには、シークレットモード(プライベートブラウズ)を使用してください。シークレットモードには過去の検索履歴や閲覧履歴が反映されないため、他のユーザーと同じ条件で検索結果を確認できます。
サジェスト汚染の主な原因

サジェスト汚染は、偶然に発生するものではありません。ユーザーの検索行動や第三者の意図的な操作など、何らかの原因によって起こるものです。
続いては、サジェスト汚染の主な原因を3つ挙げ、それぞれの仕組みと特徴を紹介します。
ネガティブワードで検索されている
ニュースやSNSで「〇〇社 不祥事」「△△サービス 詐欺」といったネガティブなキーワードが話題になると、その組み合わせで検索する人が急増します。
検索回数が増えると、Googleから「多くの人が関心を持っている」と判断され、サジェストに表示されやすくなる仕組みです。
また、掲示板やブログ、SNSなどで同じ企業名とネガティブワードが繰り返し使われている場合、検索数自体は少なくても、サジェストに表示されることがあります。
ユーザーの検索行動とインターネット上の情報との関連性が高いと評価されると、サジェスト汚染が悪化することもあるため、注意が必要です。
第三者が人為的に操作している
第三者が悪意をもち、意図的にサジェスト汚染を引き起こすケースもあります。
特定の企業名やサービス名と、「詐欺」「違法」などのネガティブワードを組み合わせて大量に検索したり、SNSや掲示板で批判的な投稿を繰り返したりする手口です。
【人為的なサジェスト汚染の例】
- ネガティブなワードとの組み合わせで大量検索を実行する
- 匿名掲示板に企業名+ネガティブワードを書き込み続ける
- SNSで悪評やデマを拡散する投稿を繰り返す
このような攻撃を受けると、事実無根であってもサジェスト汚染が引き起こされ、長期的にブランドイメージを損なうおそれがあります。
無関係なキーワードが影響している
無関係なキーワードの影響により、自社のサジェスト汚染が広がってしまうケースもあります。
例えば、同じ名前の企業や商品が不祥事で話題になった場合、名称の類似性から、Googleアルゴリズムがネガティブサジェストを関連付けてしまうのです。
また、コラボ企業や提携先でトラブルが発生すると、その関連で自社名がサジェストに現れるケースもあります。
直接関係がなくても連鎖的にネガティブワードが結びつくことがあり、これもサジェスト汚染の原因の一つです。
サジェスト汚染を放置するとどうなる?

サジェスト汚染は、できるだけ早めに対処することが重要です。
そのままにしておくと、企業の信頼や売上、人材確保など、経営全体に深刻な影響を及ぼすおそれがあります。
続いては、サジェスト汚染を放置することで起こり得る3つのリスクを紹介します。
売上や業績に悪影響を及ぼす
サジェストにネガティブなキーワードが並ぶと、企業の信頼やイメージが長期的に損なわれる可能性があります。
購入を検討しているユーザーがGoogleで商品名を検索した際に、「〇〇(商品名) やばい」「〇〇(商品名) 不良品」などの候補が目に入ると、購入意欲を失ってしまうかもしれません。
このような状況が続くと、新規顧客だけでなく既存顧客からの信頼も揺らぎ、リピーター離れや取引先からの契約打ち切りにつながることもあります。企業経営の根幹である売上や業績にまで影響が及ぶ可能性があるのです。
従業員のモチベーションが低下する
サジェスト汚染によって売上や企業イメージが悪くなると、従業員のモチベーションにも影響を及ぼす可能性があります。
「自分の会社がネット上で悪く言われている状態」が長く続けば、離職者が増えるおそれもあるでしょう。
また、企業イメージが低下している状態では、採用活動にも悪影響が出ます。
「この会社に応募して大丈夫だろうか?」と不安を抱く求職者が増えれば、優秀な人材の確保が難しくなり、結果として企業の成長力が低下するでしょう。
企業イメージや信頼回復に時間がかかる
一度ネガティブなサジェストが表示されると、その印象は利用者の記憶に残りやすく、「不祥事のあった会社」「信頼できない商品」など、誤ったイメージが定着してしまうことがあります。
すると、さらに多くのユーザーがネガティブワードで検索するようになり、ネガティブサジェストが存在し続けるという悪循環が起こり得るでしょう。
形成されたネガティブサジェストを削除し、企業イメージや信頼を回復するには、多くの時間と労力が必要になります。
サジェスト汚染は、放置すればするほど被害が拡大するため、早期発見と迅速な対応が何よりも重要です。
サジェスト汚染の対策

サジェスト汚染が発生した場合、まずは迅速な対応が必要です。
あわせて、再発を防ぐための継続的な対策も求められます。
ここでは、企業が実践すべき4つのサジェスト汚染対策を紹介します。
Google・Yahoo!など検索エンジンへの削除申請
GoogleやYahoo!では、専用フォームまたはお問い合わせフォームから、ネガティブな記事やサジェストの削除を申請できます。
サジェストされているキーワード自体が権利侵害を伴うものであったり、そのキーワードを含めて調べても、キーワードに該当する検索結果がないなど、キーワードが表示される理由が不明といえる場合は、削除が認められる可能性があります。
Google・Yahoo!の削除申請は、自分で行うこともできますが、弁護士に依頼すると成功率が高まります。
詳しいやり方については、以下の記事で説明しています。

掲示板・サイト運営会社への削除依頼
サジェスト汚染につながる記事や掲示板、SNS投稿の削除を運営会社に依頼するのも有効です。
問題のある情報が削除されれば、ネガティブサジェストが表示される頻度も徐々に減り、サジェストも標準化されていくでしょう。
ただし、運営元が不明な場合や、投稿者が匿名の場合、事実に基づく批判である場合には、削除が難しいこともあります。
弁護士に削除申請を依頼する
削除申請をしても認められない場合や、投稿者を特定できない場合には、法律の専門家である弁護士に依頼しましょう。
名誉毀損・プライバシー侵害・営業妨害など、権利侵害が明らかな場合には、弁護士を通じて裁判手続きを行うことが可能です。
費用や時間はかかりますが、深刻な被害が生じている場合には効果的な手段となります。
風評被害対策サービスを利用する

サジェスト汚染については、自社だけで抱え込まず、専門会社に依頼するのも一つの方法です。
専門会社では、ネガティブキーワードの順位を下げる「逆SEO」などの手法で、検索全体の印象を改善します。
また、専用ツールでサジェストの変化をモニタリングし、定期的にレポートや改善提案を受けられるサービスもあります。
特に、すでに複数のネガティブワードが表示されている企業や、社名・ブランド名の検索が重要な業種では、自社対応よりも迅速かつ効果的な改善が期待できるでしょう。
風評被害対策サービスの主な内容については、以下の記事で紹介しています。

サジェスト汚染は放置せず、早めに削除・対策をしよう!
検索結果のサジェストにネガティブなワードが並ぶサジェスト汚染は、企業の信用や売上、採用活動にも深刻な悪影響が及びます。
ユーザーは検索時にサジェストを参考にする傾向が強いため、わずかなネガティブワードでも「信頼できない会社」「やばい商品」といった良くない印象を与えてしまうかもしれません。
サジェスト汚染は、放置すればするほど悪化するため、早期に発見し、速やかに削除・対策することが大切です。
エルプランニングは、検索エンジンのアルゴリズムに精通した専門チームが、サジェスト削除やネット監視、広報支援まで幅広いサポートを提供しています。経験豊富なコンサルタントが丁寧に対応し、課題に応じた最適なプランをご提案いたします。
サジェスト汚染でお悩みの方は、ぜひ一度エルプランニングにお問い合わせください。
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