転職を考えている人にとって強い味方になってくれる転職口コミサイト「en Lighthouse(エン ライトハウス)」。一度利用した事がある!という方も多いかもしれません。しかし、多くの利用者数を誇るen Lighthouseに、もしも嘘の口コミがあったら企業にとっては大きな痛手になってしまいます。
本記事では、en Lighthouseの特徴や利用規約などを確認した上で、もしも嘘や違法となる口コミが掲載されてしまった場合の削除基準や削除申請の方法などをわかりやすく解説していきます。
- en Lighthouseとはどんなサイト?まずは特徴を知ろう
- 見やすいスコアチャートなどわかりやすさに拘ったデザインが人気
- 働く女性に優しい口コミサイトという側面も持ち合わせている
- 2020年「カイシャの評判」から「en Lighthouse」にリニューアルしていた!
- en Lighthouseの口コミに注意しなくてはいけない理由
- en Lighthouseの口コミを削除したい時に確認すべき場所
- en Lighthouseの口コミを削除する方法について
- en Lighthouseの運営側でも口コミの精査をしている
- en Lighthouseは口コミ削除の明確な方法を提示していない
- 口コミの内容が不法行為にあたる場合は、削除できる可能性がある
- en Lighthouseの削除は弁護士を通すのがおすすめ
- 削除できなかった場合は誹謗中傷対策会社に相談
- まとめ|en Lighthouseの口コミを削除したい場合は、口コミの違法性を証明する事が大切
en Lighthouseとはどんなサイト?まずは特徴を知ろう
en Lighthouseは、エン・ジャパン株式会社が運営する日本最大級の口コミ・評判プラットフォームです。
引用:エン ライトハウス(旧:カイシャの評判) | 会社の評判、口コミ、年収から転職・就職情報まで分かる
2020年現在で320万件以上もの口コミを掲載しており、信憑性の高い口コミや比較しやすい見た目などが人気です。
見やすいスコアチャートなどわかりやすさに拘ったデザインが人気
引用:エン ライトハウス(旧:カイシャの評判) | 会社の評判、口コミ、年収から転職・就職情報まで分かる
en Lighthouseの企業ページでは、「会社の成長性 ・将来性」「事業の優位性 ・独自性」「実力主義」「活気のある風土」「20代成長環境」「仕事を通じた社会貢献」「イノベーションへの挑戦」「経営陣の手腕」といった8項目がチャート形式で表示されます。
就活や転職を行う人が企業を選ぶ上で参考にしたい項目がぱっと見でわかるため、自分が働く企業を見極める時に重要視する事がはっきり決まっている人にはありがたい機能となります。
さらに、「給料・年収」「勤務時間」「休日・休暇」の納得度や職場の人間関係の満足度がパーセンテージで数値化され、企業の雰囲気も想像しやすいように工夫されています。
このように、en Lighthouseは企業の口コミ以外にも大きな強みを持った口コミサイトと言え、その点も圧倒的なユーザー数を誇る要因となっているようです。
働く女性に優しい口コミサイトという側面も持ち合わせている
引用:エン ライトハウス(旧:カイシャの評判) | 会社の評判、口コミ、年収から転職・就職情報まで分かる
en Lighthouseは女性視点の口コミや評価を集約して表示するなど、働く女性の使いやすさも重視したサイト構造にも配慮されていることも知られています。
引用:エン ライトハウス(旧:カイシャの評判) | 会社の評判、口コミ、年収から転職・就職情報まで分かる
女性の投稿だけを集約する事によって、女性のみで絞った場合の平均年収や残業時間などを詳細に見ることが可能です。この「女性の評価スコア」は会員登録を終えたユーザーのみが閲覧可能です。
2019年にはサンケイリビング新聞社が行った「女性が選ぶランキング ウーマンリサーチ」にて行われた「利用者が勧めたい企業のクチコミ評判サイト」で第1位を獲得しています。
参考:~女性が選ぶランキング「ウーマンリサーチ」をスタート~ 利用者が勧めたい企業のクチコミ評判サイト 第1位は「カイシャの評判」
2020年「カイシャの評判」から「en Lighthouse」にリニューアルしていた!
2020年の6月1日、元々の「カイシャの評判」という名前を改め、サイトのロゴを含めたデザインや機能を大幅に変更するリニューアルを行い、現在の形になりました。
Lighthouseは灯台を意味し、求職者だけではなく企業にとっても「より良い企業にする」という進むべき方向を照らすようなサイトでありたいという想いが込められています。
参考:@PRESS – エン・ジャパン、国内最大級の年間5000万ユーザーが 利用する企業クチコミサイトをリニューアル 『en Lighthouse』(エン ライトハウス)が本日6月1日OPEN!
リニューアル前に「カイシャの評判」に登録していたユーザーも、再度登録情報を追加する必要があり、本人確認のために電話番号の認証を行わなくてはいけません。また、以前は会員登録をしなくても全ての口コミが閲覧可能でしたが、リニューアルに伴い一部の口コミのみが全体公開されており、全ての口コミを閲覧するには会員登録と口コミの投稿が必要となる仕様に変更されました。
一度口コミを投稿すると、投稿日から半年間すべての口コミが閲覧可能となります。半年を経過したらまた改めて口コミの投稿を行わなければいけません。
en Lighthouseの口コミに注意しなくてはいけない理由
冒頭からも説明しているように、en Lighthouseは年間で約5000万人ものユーザーが利用するサイトです。そのため、GoogleやYahoo!などの検索エンジンからの評価も高くなりやすい傾向があります。検索エンジンからの評価が高いサイトは検索結果の上位に表示されやすいため、多くの人の目に留まります。
en Lighthouseにもしも「この会社はブラック企業」や「有給休暇が取れない」などの口コミや違法と取れるような口コミが掲載されていた場合、企業の事をよく知らなかった多くの人からネガティブなイメージを持たれてしまいます。
求人面への影響
引用:Twitter
具体的な損害の例を考えてみると、まずは求人面への影響が考えられます。就職・転職活動の際にen Lighthouseに掲載されている口コミを確認する人は多くいます。
掲載されている信頼度は高いと広く認知されているため、もしも口コミに「残業が多いのに給料は少ない」「上司からのパワハラが酷い」などが書かれていた場合、それが虚偽の情報であったとしても実際に就職を考えて情報収集のつもりで閲覧した人から「この企業に応募するのはやめよう」と思われてしまったり、すでに選考が開始していた場合は内定の辞退に繋がったりします。
取引先への影響
引用:Twitter
次に、就職や転職以外の目的でen Lighthouseを利用するユーザーへの影響が考えられます。例えば、投資を行っている人が参考のために確認したり、別の企業が取引先として適切かどうかを判断するために確認したりする場合です。
en Lighthouseは登録の際に利用目的の選択が必須となっていますが、その選択肢には「取引先を調べるため」や「自社の情報を見るため」という項目が予め含まれており、そういった用途で利用するユーザーが公式にも認められていると考えられます。
en Lighthouseの口コミを削除したい時に確認すべき場所
en Lighthouseには、「口コミガイドライン」と「利用規約」の2カ所にそれぞれ口コミの削除に言及している場所があります。企業に寄せられた虚偽の口コミを削除したい場合に、まず読んでおくべき場所を紹介します。
口コミガイドラインを確認しよう
en Lighthouseは価値のある口コミを掲載するため、独自の「口コミ投稿ガイドライン」を公開しています。このガイドラインでは、以下の6点の決まりごとが提示されています。
1.ご自身の実体験に基づいた口コミの投稿をお願いします
2.個人情報やプライバシーへの配慮をお願いします
3.大げさに決めつけた表現・事実と異なる内容の投稿は禁止しております
4.特定個人や企業を誹謗中傷することは禁止しております
5.不正の告発や違法性を指摘する内容は、然るべき機関への通報をお願いします
6.その他、不適切と思われる行為は禁止しております
en Lighthouseへの口コミとして投稿して良いのは、「実際に自分が体験したこと」だけです。他人から聞いた話や噂などといった伝聞形式の書き込みは不可となっています。また、誇張表現や決めつけの内容もNGです。企業に対する不正の告発や違法性を指摘する内容は、口コミとして投稿するのではなく、関係各署への通報を勧めています。
さらに、口コミに関する第三者からの問い合わせがあった場合やen Lighthouseの運営の判断により、口コミが削除されたり口コミの投稿者へ連絡をする場合があると記載されています。
en Lighthouseの利用規約にも削除についての記載がある
en Lighthouseでは、口コミガイドラインの他に、「利用規約」で投稿の削除について深く言及しています。
(1) 送信情報を投稿した利用者の同意を得たとき
(2) 当社が削除等の同意を求める連絡を利用者に行なってから7日以内に、当該利用者からの回答がなかったとき
(3) プロバイダ責任制限法に基づき、第三者の権利侵害が発生していると当社が判断したとき
(4) 裁判所、警察等の公的機関から、法令に基づく正式な要請を受けたとき
(5) 法律に従い削除等の義務を負うとき
(6) 利用者が本規約所定の禁止行為を行なったとき
(7) 利用者または第三者の生命・身体・その他重要な権利を保護するために必要なとき
(8) 第11条(本サービスの変更、中断、終了)によって本サービスが変更、中断、終了したとき
(9) 上記各号に準じる必要性があるとき
以上の内容のいずれかに該当する場合や、該当するとen Lighthouseの運営が判断した場合は、投稿者に通知することなく口コミの全部または一部を削除する場合があると明記しています。
en Lighthouseの口コミを削除する方法について
企業に対する不満や愚痴などを掲載するのはen Lighthouseとしても本意ではないため、運営としても対策を行っているという事はご存知でしょうか?
以下では、口コミに対してen Lighthouseはどういった対策を取っているのかを踏まえた上で、もしも実際に企業の信用に関わるような内容にあたる虚偽の口コミが掲載されてしまった場合、その口コミがどういった内容であれば削除できる可能性があるのか説明していきます。
en Lighthouseの運営側でも口コミの精査をしている
en Lighthouseでは、投稿された口コミを掲載する前に、運営側で一度チェックが入ります。企業への誹謗中傷や明らかに悪意のある口コミ、個人を特定できてしまうような内容の口コミはその時点でNGとされ、掲載はされません。
さらに、企業に対する「誹謗中傷」と「批判」の判断が微妙であると判断された場合、en Lighthouseを運営しているメンバーが参加する「クチコミ企画会議」という場を設けて、問題となった口コミの掲載可否を個別に話し合い、決定するという徹底ぶりです。
参考:「すべて正しい」は不可能。企業クチコミサイト、運営の本音と使い方|ニュースイッチ by 日刊工業新聞社
en Lighthouseは口コミ削除の明確な方法を提示していない
前項でも触れたように、en Lighthouseでは口コミ投稿のルールや口コミ掲載前のチェックが徹底されているため、サイト内には残念ながら一度投稿された口コミ削除の方法は提示されていません。そうである事から考えても、一度運営の審査を通って掲載された口コミの削除は難しいのではないかと考えられます。
そのため、口コミを削除したい場合には「口コミガイドライン」または「利用規約」に明確に違反していることや、書かれている口コミが虚偽の内容であり、法律に違反している事を証明する必要があります。
口コミの内容が不法行為にあたる場合は、削除できる可能性がある
口コミの内容が不法行為にあたる場合、基本的にはen Lighthouse内に提示されている「口コミガイドライン」や「利用規約」にも違反していると言えます。例えば、以下のような不法行為に当てはまっているような場合です。
名誉権を侵害している場合
口コミサイトで起こりやすい不法行為のパターンのひとつに、「名誉権を侵害する書き込み」というものがあります。「名誉権を侵害」とは、当該口コミによって書き込まれた企業や人物の社会的評価が低下した場合の事を言います。
簡単に言えば、口コミを見た第三者が「この企業(または個人)と関わるのはやめよう」などと考えてしまう原因になり得るようなものの事を指します。文章中に具体的な企業名(や個人名)が入っていない場合も第三者が見て「この企業(人)だ」と判別できる場合は問題があります。つまり、企業ページに投稿されている口コミの場合は、口コミ自体に企業名が入ってなくても名誉権の侵害になり得ると言う事です。
もちろん「名誉権の侵害」になるには、書かれている口コミの内容が虚偽である事や嫌がらせ目的に基づいている事が前提となります。そのため、名誉権の侵害を理由に口コミを削除したい場合、その企業はen Lighthouseの運営に対して口コミが虚偽である証拠や嫌がらせ目的である証拠を提示しなければなりません。
口コミが名誉権を侵害していると認められた場合には、当該口コミを削除できます。
プライバシー権の侵害が起きている場合
「プライバシー」とは、一般的に以下のように説明されています。
【プライバシー】
他人の侵害から保護される私生活や私事。他人から隔離されて,一人でそっとしておいてもらいたいという生活上の利益が,人格権の一つであるプライバシーの権利として法的保護の対象とされる。私生活・私事が公開されないことがその主たる内容をなす。
この説明からプライバシー権とは「個人(や家庭)の私生活や私事が他人から干渉されない権利」という意味であると読み取ることが出来ます。法律上「プライバシー権」という規定はないものの、日本国憲法第13条で保障されている権利です。
口コミの内容が「当事者が公開を承諾していなかったこと」「情報が公開された事によって、当事者に損害があったこと」などのの条件を満たした場合、プライバシー権の侵害と認められ、削除できる可能性があります。
もっとも、企業の情報はプライバシーの保護の対象外ですし、企業に関連する社長の情報などは一定程度公開を受忍する必要があるとされる場合も多く、削除できるものは少ないと考えられます。
en Lighthouseの削除は弁護士を通すのがおすすめ
先ほども触れたように、en Lighthouseでは具体的な口コミ削除の手順を公開していません。そのため削除の申請を行うには、法的な手順を踏むのが一番の近道と言えます。もちろん、違法な口コミで被害を受けている企業が独自で行う事も可能ですが、しっかりと「違法である」という事を証明できる書類の作成が必要であることなどを考えても、弁護士に相談するのが得策と言えるでしょう。
インターネット上で起こるトラブルに強い弁護士にお願いすれば、削除されやすい方法を考慮した書類の作成や手順も考えてもらえるので確実性も上がります。
削除できなかった場合は誹謗中傷対策会社に相談
以上のように、口コミが法律に違反しているという事を証明できた場合は口コミを削除出来る可能性があります。しかし、書き込まれた口コミがどうしても法律に違反していると証明できなかった場合、削除はほぼ不可能といって良いでしょう。
投稿された口コミの削除が難しかった場合は、削除以外の方法での対策が必要となります。そういった時は、誹謗中傷対策を行っている会社に相談してみる事をおすすめします。対策の手段や方法、費用などは会社ごとに違うため、自社の予算などを含めてリサーチを行い、信頼できる会社を選んで対策すると良いでしょう。
まとめ|en Lighthouseの口コミを削除したい場合は、口コミの違法性を証明する事が大切
2020年にリニューアルしたばかりのen Lighthouseは、国内の就職・転職支援口コミサイトの中でも大手であり、圧倒的なユーザー数と口コミ数を誇るサイトでもあります。
投稿された口コミに関しては普段から運営側がしっかりと確認をし、違法性のある口コミの精査が行われているようですが、どうしても運営の目をすり抜けてしまう口コミが出てきてしまう事はあります。
もしも虚偽の内容の口コミが掲載されてしまった場合、求人面や取引先などに影響を受ける場合があるので、早急な対処をおすすめします。
en Lighthouseでは明確な削除申請の方法は公開されていないため、もしも削除したい口コミがある場合はその口コミが虚偽(または違法性がある)事を証明する必要があります。法的な手続きや書類が必要になるため、できれば弁護士に相談するのが得策と言えるでしょう。
口コミに違法性がなかった場合は、削除はほぼ不可能なので、削除以外の方法で対策を行うことを考えましょう。その際は誹謗中傷対策を行っている会社に相談してみて下さい。
ネットの誹謗中傷、風評対策のプロがお悩みを伺います。
風評サイトやサジェストのお悩みのほか、SNSや口コミサイトの監視など、幅広くご対応可能です。
清水 陽平