スマホを利用する人なら、ほとんどの人が一度は利用したことがあると言えるGoogle マップ。その機能の一つに口コミの投稿があります。
施設や特定のスポットの紹介にユーザーが自由にレビューを書き込むことが出来ます。初めて訪れる場所について、評判を調べるときに参考にしている人も多いはず。
しかし、便利さの反面、ネガティブな口コミを投稿されてしまうと、風評被害に発展してしまう恐れがあります。Google マップで風評被害が起こると、その場を訪れたいと思う人に対して悪い印象を与えてしまい来客数が減少してしまったり、売り上げの低下を招いてしまったりすることも。
Google マップは誰もが目にする機会のあるものなので、口コミをしっかり活用・管理していくことが大切です。本記事では、投稿の仕方からネガティブな口コミへの対処法まで、Google マップの口コミについて解説していきます。
Googleマップの口コミ機能とは?
Google マップの口コミ機能とは、Google マップやGoogleの検索結果上に表示されるGoogleビジネスプロフィールアカウントに「レビューを投稿」することができる機能です。
マップ上に投稿された評価やレビューは、多くのユーザーが飲食店を選んだり近くのクリニックを選んだりする時の参考にしています。
★の5段階評価+口コミ投稿で評価することができ、自分の投稿は施設のGoogleビジネスプロフィールの口コミ欄に他のユーザーが書き込んだ口コミとあわせて表示されます。
Google マップのクチコミの影響力
Google マップの口コミの影響力は大きく、2022年3月に行われた調査では、Google マップは地図アプリの中で利用率が1位で、9割近くのユーザーが利用したことがあるという結果が出ています。
このように今や誰もがカフェや居酒屋など初めて訪れるスポットに辿り着くまでに、現地までの距離や道のりを確認するためにGoogle マップを利用しているのです。
自分が訪れようと検討してる場所について、事前の知識や先入観のないユーザーにとってはGoogle マップに書き込まれた口コミがスポット選びの重要なポイントになります。
良い口コミが投稿されているか、低評価のレビューが書き込まれていないかという点が施設のイメージを左右します。
ポジティブな口コミが集まるスポットであればリピーターが多く集まり、継続的な来客が見込める可能性も高まります。これに対して、低評価の口コミが集まれば「このスポットに行くのはやめよう」と考えるユーザーが増えてしまいます。
参考:【2022年最新調査】地図アプリの利用トレンドレポートを公開しました | 株式会社mov(mov inc.)
クチコミの反応は、スタッフの対応を見直すきっかけになる
お店やクリニックなど、その場所で働くスタッフ側から見ると、Google マップ上に書き込まれた口コミは、サービスを利用したり商品を購入したりする「お客さんの生の声」が反映されたものとして、自分たちの対応を客観的に把握する判断材料にもなります。
良い口コミが集まれば、お店側の対応が良かったと判断できますし、スタッフのモチベーションも上がります。
逆にネガティブな口コミが集まってしまった場合は、お店側の対応に見直すべき点があったという反省材料になります。スタッフ側が気にも留めていなかったことがユーザーにとっては不満であったりなど、お店側の対応を改善するためのアイディアを得られることもあります。
Googleマップの口コミ投稿の仕方
Google マップの口コミ投稿は、Googleアカウントを持っていれば誰でもできます。
【口コミ投稿の手順】
- Google マップ(またはGoogle検索結果)から、口コミを投稿したいGoogleビジネスプロフィールを表示させ「クチコミを書く」をクリック
- まずは5段階評価の星の数を決め、その下の口コミ記入欄に文章を書き込みます。写真があれば追加しましょう。最後に【投稿】をクリックして完了です。
Google マップの口コミへの返信
店舗側の対応になりますが、Googleビジネスプロフィールのオーナー権限があれば、投稿された口コミに返信することができます。
口コミに返信することでユーザーとの距離を縮めることができますし、リピーターを増やすのにも効果的です。口コミを閲覧している別のユーザーからも「丁寧なお店だな」という印象を持ってもらえます。
【口コミ返信の手順】
- オーナー権限※を持ったアカウントでログイン
- 管理画面の「クチコミ」から、返信したい口コミを表示させ「返信」から投稿
※オーナー権限を得るには、Googleビジネスプロフィールに登録が必要です。登録の仕方は、下記の記事を参考にしてください。
Google Mapの口コミ返信の注意点
Google マップの口コミへ返信を行う場合は、良い口コミ・悪い口コミ両方に返信をするようにしましょう。悪い評価を投稿されると、嬉しくはないですし返信内容にも困ることが多いと思いますが、良い口コミにしか返信していないのは、口コミ欄を見たユーザーからすると印象がよくありません。
できるだけ定型文にならないように、すべての口コミに丁寧に返信することができればベストです。
Google マップへネガティブな口コミが書き込まれてしまったら?
書き込まれる、Google マップへの口コミは評価の良いものばかりとは限りません。飲食店や病院などを利用したお客さんが、スタッフ側の対応で何らかの不満を持ってしまい、ネガティブな口コミを書き込んでしまう事もあります。
マップ上に書き込まれたネガティブな口コミは、初めてその場所を訪れようとする人が見たときに「この場所は何か問題があるかもしれない」という印象を持ってしまう原因になります。
2,3程度なら「そういうこともある」と考える人は多いですが、ネガティブな内容がたくさん書き込まれてしまった場合、施設に対して大きなマイナスイメージがついてしまいます。
そうなった場合は新規顧客を逃す一因になるだけではなく既存の顧客さえも離れてしまう危険性があるため、対策が必要です。
Google マップの口コミ削除とポリシー
Google マップの口コミには、利用のためのポリシーが定められています。
【Google マップで禁止および制限されているコンテンツ】
敬意を払った対話 | ハラスメント |
ヘイトスピーチ | |
不適切なコンテンツ | |
個人情報 | |
詐欺的なコンテンツ | 虚偽のエンゲージメント |
なりすまし | |
誤情報 | |
不実表示 | |
成人向けコンテンツ | わいせつ、冒とく的な表現 |
露骨な性的描写を含むコンテンツ | |
アダルト コンテンツ | |
暴力や残虐行為 | |
規制されているコンテンツ
危険なコンテンツ 違法コンテンツ |
制限されているコンテンツ |
危険なコンテンツ | |
違法なコンテンツ | |
子供の安全 | |
テロリストのコンテンツ | |
情報の質 | 関連性のないコンテンツ |
宣伝と勧誘 | |
意味不明なコンテンツ、コンテンツの繰り返し |
上記に当てはまる投稿は、Googleに削除申請を行えば、ポリシー違反として削除してもらえる可能性があります。
例えば、その場を訪れたユーザーの実体験が伴わない「スパム」の投稿や、「場所の特徴と関係のない」投稿であったり、各地域で「規制の対象となっている商品やサービスの販売を促す」投稿は、ポリシー違反です。
また、著作権を含む、他者の「法的権利を侵害する投稿」や、「テロ組織による投稿、テロを助長する」ような投稿、「性的表現や、わいせつ、冒涜的な表現」を含んだり、「他者に危害を与えるような中傷的な投稿」も、ポリシーに反します。
Google マップに自分の店やサービスの口コミを投稿する、いわゆる「ヤラセ」や、 現在や過去の職場に関するコンテンツを掲載すること、 競合他社に関するコンテンツを投稿して評価を操作する、いわゆる「なりすまし」などは、「利害に関する問題」として制限されています。
口コミ削除申請の手順
Google マップの口コミの削除申請の方法は2つあります。
ビジネスプロフィールオーナーとして削除申請する
オーナー権限のあるアカウントでログインし、管理画面「クチコミ」から削除申請したクチコミを表示させます。削除したいクチコミの右上の縦3つの点のアイコンをクリックし「不適切なクチコミとして報告」から申請してください。
または、オーナー権限のあるアカウントでログインし、「Google のビジネス プロフィールからクチコミを削除する」のページにアクセスします。
「クチコミの削除リクエストをする」という青いボタンをクリックし、Googleの指示に従って違反だと思われる口コミを申請します。
引用:Google のビジネス プロフィールからクチコミを削除する – Google ビジネス プロフィール ヘルプ
口コミの審査には数日かかる場合があります。審査結果が出るまでには時間がかかるということは留意しておきましょう。
申請では細かい理由を説明することはできないため、詳細な理由を説明したいときは法的事項に関するヘルプのリンクからフォームに飛んで、理由を入力していくと良いでしょう。
ただし、「法的事項に関するヘルプ」のフォームからの申請を一度対応を拒否されてしまった場合は、その判断で固まってしまうリスクもあります。そのため、理由を記載して申請していく際は専門の弁護士に依頼することも検討するとよいでしょう。
第三者として削除申請する
ビジネスプロフィールの管理権限のないアカウントから申請する場合は、Mapや検索結果から該当の口コミを表示させ、同じように右上位の縦3点のアイコンをクリックし「レビューを報告」から申請します。
参考:Google Japan Blog: Google のクチコミの仕組みについて
削除申請は100%通るわけではない
上記のように削除申請をすることは可能ですが、申請した口コミの全てが削除されるとは限らず、Google側が申請に応じない場合もあります。
Google マップの口コミは、その場所を訪れたユーザーが「この場所を訪れることにどのような価値があるのか」をレビューして、他のユーザーと共有しあうための機能です。
例えばあるユーザーが、病気を治すためにクリニックを訪れた時に「期待していたような診察が受けられず、ガッカリした」と感じたとします。クリニック側から見れば、このような評判は不本意・不都合な内容です。
しかし、この場合には「実際にその場所まで足を運んで、感じた主観的な経験」に基づいています。こうした内容はGoogle側から見れば、その場と無関係な内容ではありません。
このようなケースでは、実際にユーザーが感じたことに偽りがあったということを証明することができません。削除申請を行っても、内容によってはGoogle側が削除に応じてくれなかったり、削除が完了するまでに時間が掛かったりしてしまうことがあります。
削除申請をしても削除されない口コミの対処法
消去したい口コミに対して申請を行うに値する正当な理由がなかったり、Google側が削除に応じてくれなかったりした場合には、諦めるしかないのでしょうか。
例えば100件以上の口コミが投稿されていて、そのうちの数件、ネガティブな内容が書き込まれているほどの割合であれば、初めてその場を訪れるユーザーもそれほど気に留めることはないでしょう。
しかし、中傷的な内容が書き込まれている割合が高い場合には、そのまま放置してしまうと施設側の営業に影響を及ぼす可能性が大きいです。そのような風評被害を防ぐために、自分で行う削除申請以外の方法についても紹介します。
来店者に口コミ投稿をお願いしてみる
ネガティブなクチコミが削除できなくても「ポジティブなクチコミ」が増えれば、評判の悪い投稿が目立たなくなります。
来店したユーザーに口コミ投稿をお願いしますと直接お願いしてみたり、店内に口コミ投稿を促すQRコードを記載したチラシを貼ってみたりして、積極的に口コミを集めましょう。
利用者が実際に口コミを投稿してくれた際には、しっかりとお礼の返信を行うことも大切です。
口コミ投稿の代わりに割引をしたり特典をつけたりするのは、Googleポリシー「利害に関する問題」の違反に当たるので注意。あくまでお願いするだけにとどめておきましょう。
参考:Google ユーザーにクチコミを投稿してもらう – Google ビジネス プロフィール ヘルプ
弁護士に依頼する
Google マップのポリシーに反していて、施設側の名誉を著しく低下させる内容であったり、営業妨害となったりする内容であれば、弁護士によって法律に基づく削除申請の対応を行ってもらうことが検討できます。
弁護士に依頼することで、書き込まれたネガティブなクチコミが法的な視点でどのような問題にあたるか正確に判断してもらえます。
また、削除に関する相談をする場合はインターネット上の風評被害に関する専門知識を有していて、対応実績も豊富な弁護士を探すことをおすすめします。このようなスペシャリストに依頼することで、確実に削除できる可能性を高めることが出来ます。
風評対策業者に相談する
インターネットの誹謗中傷対策業者は、Googleなどの検索エンジンで風評被害が発生した場合の対策を提供しています。
対策業者に相談することで、Googleへの削除申請以外にどのような対策を行うべきか、提案を受けることが可能です。また口コミ以外にも、検索エンジン上にネガティブな評判が表示されてしまった時の対応を相談できます。
弁護士に相談しても解決しなかった場合には、対策業者に相談することも検討しましょう。
まとめ|Google マップの口コミはとても重要
Google マップは、短いコメントと5段階の評価で簡単に施設に対するレビューを投稿することができます。そして書き込まれた口コミは、投稿の容易さに反して、スポットの評判を左右するほど影響力が大きいと言えます。
施設側やスタッフ側の対応に落ち度がなかったとしても、いたずら半分でネガティブな口コミを投稿してしまうユーザーもおり、スポットの評判を低下させてしまうこともあります。
評価が低かったり、批判的なコメントが書き込まれてしまったりしたら、削除申請や弁護士、風評対策業者への相談も検討してみてください。
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清水 陽平