Togetterで作成されたまとめ記事には、Twitterで途切れ途切れに発言された内容や、ひとつの話題について複数の人がつぶやいた時の内容などがひとつのページに集約されています。Twitter上で検索するよりも手軽に興味のある話題についての情報を得ることができるため、大変便利なツールです。
しかし、まとめられるツイートは「まとめ」の作成者が自由に選ぶことができるため、「自分のツイートは使ってほしくない」と考えている人のツイートも勝手にまとめられてしまいます。善意でまとめているユーザーが大半ではあるものの、中には個人的な悪意を持ってツイートのまとめ記事を作成するユーザーもいます。
本記事では、Togetterで悪意をもったユーザーに自分のツイートをまとめられてしまった場合を想定し、自分でできるツイートの削除方法やTogetter運営への削除依頼の手順などを解説します。
Togetterとは?
Togetterとは、Twitterに投稿されたつぶやきを基にしたまとめ記事を作成できるキュレーションサイトです。トゥギャッター株式会社が運営しているウェブサービスで、2009年にリリースされました。
同じ会社のサービスとしては「トゥギャッチ」や「min.t」などがリリースされていますが、10年以上も継続して運営されているTogetterはその中でも最も有名なサービスだと言えるでしょう。
年間で10万以上のまとめ記事が作成されていると言われているTogetterでは、まとめ記事の作成者が、まとめたい話題についてつぶやいている人のつぶやきを拾ってまとめ、ひとつの記事にするという使い方がメジャーな利用方法のひとつです。
Togetterでのトラブル
TogetterはTwitterの公開アカウントで投稿されたツイートであれば、ツイッターに発言した投稿者の許可なく「まとめ」を作成することができます。そのため、「まとめ」作成者の意図と「まとめられた発言」を行ったTwitterの投稿者の意図が違ってしまう場合があります。
例えば、何気なく呟いた言葉が「悪意のあるツイート」として読み手のミスリードを誘うようなまとめ方をされてしまう場合がある訳です。悪意のあるなしにかかわらず、まとめ作成者がまとめに使用するツイートの前後関係までを把握しておらず、全く別の意図で発言したものが「まとめ」に使用されてしまう場合もあります。
そうでなくても、自分の知らないところで勝手に自分のツイートが使われ、まとめ記事にされている事に対して(それが規約に違反していなかったとしても)違和感を覚える人もいるでしょう。
他人のTwitterのつぶやきをTogetterで勝手にまとめるのは違反?削除依頼はできる?
Togetterで自分と全く繋がりのない第三者に自分のツイートをまとめられた経験のある方の中には「勝手にまとめられて気分が悪い」と感じた人もいるかもしれません。しかしTwitter側の規約では、「Twitterに投稿された内容を、ツイートした本人の許可なくまとめること」は違反とされていません。
Twitterの規約には、Twitterに投稿した時点で「ご自身のツイートを世界中で閲覧可能とすることを承認することになります。」と記載されています。そして、「世界中で閲覧可能」の中にはTogetterのようなキュレーションサイトも含まれています。
Togetter側の利用規約でも、「Twitterに投稿した人の許可なく勝手にツイートをまとめること」自体は違反とみなしていません。ただし、Togetterでは28項目の禁止事項が定められており、この禁止事項に抵触している場合は、ユーザー(まとめを作成した人)への事前の通知や予告なく、そのユーザーの作成したコンテンツの全部もしくは一部を非公開にしたり削除を行ったりする場合があります。
Togetterの禁止事項については、また後ほど詳細を説明します。
参考:Twitter公式サイト Twitterサービス利用規約「ユーザーの権利およびコンテンツに対する権利の許諾」
参考:利用規約 – Togetter
Togetterにまとめられている自分のツイートを確認する方法
Togetterで自分のツイートが勝手にまとめられていても、まとめたユーザーがTwitterのリプライ機能などを使って本人に知らせない限りは、ツイートを使用されたユーザーは自分のツイートが使われた事実を把握することができません。
もしも、「自分のツイートが悪意のあるユーザーにまとめられていないか」と不安に思った場合は、以下の方法で自分のツイートがまとめられたTogetterのまとめ記事を検索してみましょう。
【Togetterにまとめられた自分のツイートを見る方法】
- 自分のTwitterID(@から始まる文字列)を確認する
- Googleの検索フォームに「site:togetter.com (自分のTwitterID)」と記入して検索する
この手順で、「自分のツイートが利用されているTogetterのまとめ記事」をまとめて検索することができます。Togetterのまとめ記事から自分のツイートを削除する方法については後ほど解説します。
Togetterの削除依頼手順
それでは、Togetterに自分の誹謗中傷や個人情報などがまとめられてしまった場合の削除方法を具体的に解説していきます。
まとめ作成者が削除依頼を受け付けている場合
全く繋がりのない誰かのツイートをTogetterで勝手にまとめることは、Twitter・Togetterどちらの規約違反にもなりません。しかし、Togetterを利用しているユーザーの中には利用したツイートを投稿したユーザーとのトラブルを避けるため、まとめを作成した際に使用したツイートを投稿したユーザーに向けて「使用しました」という報告を行う方もいます。
こういった方は基本的に「ツイートを利用して不都合な事情がある場合は連絡を下さい」などと記載している場合が多いため、もしも使用されたツイートを消してほしい場合はTwitterのDMやリプライを使ってまとめ作成者本人に連絡を取り、自分のツイートを削除してもらえるようお願いしましょう。
まとめ内の自分のツイートを削除したい場合
まとめに利用された自分のツイートを利用されたまとめ内から削除する機能は2010年の7月にリリースされました。自分のツイートが使用されている特定のまとめから自分のツイートを削除したい場合は、まず自分のTwitterアカウント(使用されているツイートを行ったアカウント)でTogetterにログインする必要があります。
まとめに使用されている自分のツイートを削除する手順
- Togetterログイン後に自分のツイートが使用されているまとめ記事を開き、ページの右上にある「▼」のメニューボタンを開く
- メニューリストから「ツイートを削除する」を選択する
- そのまとめ内で使用されている自分のツイートがリスト化されて表示されるので、削除したいツイートの左側にあるチェックボックスを選択(全て削除したい場合は、リストの左下にある「すべて選択」を押すと便利です)
- 最後にリストの最下部にある「選択したツイートを削除する」のボタンを押す
この方法で削除した場合、削除されるのはTogetter上でのみとなります。Twitter上で発言した投稿については削除されないので、気になる場合はTwitter上でも投稿を削除しておきましょう。
同じまとめの作成者が今後新しいまとめを作成する際に「自分のツイートを使わないでほしい」と考えている場合は、Togetter、またはTwitterのどちらか(あるいはどちらも)でまとめの作成者をブロックしておきましょう。
参考:Togetterヘルプページ「まとめから自分のツイートを削除する」
まとめを削除してほしい場合
まとめ全体の削除に関して、Togetterのヘルプページには以下のように記載されています。まとめ全体の削除を依頼する状況としては、例えば「自分が発言したツイートは使用されていない(または自分で削除できた)が、全体的に自分に関係する第三者がツイートした誹謗中傷やコメントがまとめられている」などといった状況を指します。
まとめ全体の削除については正当な理由が必要となるため、TwitterおよびTogetterの利用規約に照らし合わせて削除対象となるまとめの該当する箇所と条項をご連絡ください。
Togetterでは、TwitterおよびTogetterの利用規約に違反しているものであれば削除してもらえる場合があります。まとめ全体の削除を希望しておらず、「自分に関するコメントの部分(自分のツイート以外の自分に関する情報)のみの削除」を希望する場合も同様にTwitterおよびTogetterの利用規約に違反していることが条件となります。
そのため、Togetterの運営に問い合わせを行う前にしっかりとTwitterとTogetter双方の利用規約を確認しましょう。
Togetterの利用規約はどうなっている?
Togetterでは、前述のとおり28項目の禁止事項が設けられています。その中から、とくに注目したい部分を紹介します。
【Togetterの禁止事項(一例)】
- 法令、公序良俗、社会通念に反する、または反するおそれのある行為
- 著作権、特許権、商標権及びその他の知的財産権、もしくは企業秘密等の知的財産権を侵害する行為や侵害するおそれのある行為
- 不当な差別や誹謗中傷、または信用、名誉、プライバシー権、パブリシティ権、肖像権その他一切の権利を侵害する行為や侵害するおそれのある行為
- Togetterがサービスを提供する地域の法令等に違反する行為
- 国籍、民族、人種、社会的身分、性別、思想、信教、年齢等に関する差別的な表現と一般ユーザーが感じ得る行為
- 住所、氏名、メールアドレス、電話番号等の個人を特定する情報を取得する目的の行為
- 虚偽又は第三者の誤解を不当に招くような情報等をまとめ又はコメントの行為
参考:Togetter利用規約
Togetterのまとめ削除申請手順
Togetterのまとめ記事自体の削除や、自分に関するコメントの部分(自分のツイート以外の自分に関する情報)の削除を希望する場合は、「その他のお問い合わせ」ページにある連絡用フォームに必要情報を記入して申請します。
【Togetterへのお問い合わせ手順】
- 名前を入力(任意)
- 「お問い合わせの種類」のプルダウンから「その他」を選択
- メールアドレスを入力(有効なアドレスでなかった場合は対応してもらえないため、必ず連絡のとれるアドレスを入力する)
- 「まとめのURL」の欄に削除したいまとめのURLを記入する
- 「内容」の欄に、削除に値すると言える根拠を入力する(提示したまとめの〇〇という部分がTogetter利用規約の□□□□という部分に違反している、など具体的に記入する)
- 最後に「問い合わせる」のボタンを押す
Togetterの運営が確認し、利用規約に違反していると判断された場合は削除されます。削除が認められ実行された場合でも申請者への通知はありませんので、1週間程度様子を見て該当のURLにアクセスし、自分で確認しましょう。
どうしても解決できなかった場合の対処法
前項では基本的に自分で対処することを前提として削除の方法を紹介しましたが、もし「(被害を受けている)自分で申請しても削除してもらえなかった」という場合の対策方法を紹介します。
弁護士に相談してみる
明らかに利用規約に違反しているのに削除申請が失敗してしまう理由としては、フォームで申請を行う際に記入する「削除に値すると言える根拠」がしっかりと記入できていなかった場合が考えられます。その場合は、いちど弁護士に相談してアドバイスをもらうか、代理で申請してもらうと良いでしょう。
また、明らかにTogetterにまとめられたことがきっかけで大きな被害を受けてしまい、まとめを作成した相手に対して法的責任を追及したいと考えている場合も弁護士に相談しましょう。まとめの作成者に対して法的責任の追及を検討する場合は、該当のまとめページが作成されていると気付いた早い時点での相談がおすすめです。
誹謗中傷対策を行っている業者に相談してみる
もしもTogetterのまとめ内容がTogetter・Twitter双方の利用規約に違反しておらず、違法な内容のまとめでもなかった場合、まとめを削除するのは難しいでしょう。
そのような場合でも、例えば「逆SEO」と呼ばれる手法で検索エンジンからまとめ記事への流入可能性を抑えたり、「SNSやWEBの監視」を行って万が一まとめ記事が炎上してしまった場合でも迅速な対応を行えるよう準備しておいたりするなどの対策方法があります。
何から始めれば良いのかわからない、という場合は誹謗中傷対策を行っている業者に相談してコンサルティングを受けてみるのも良いかもしれません。
まとめ|Togetterでの誹謗中傷はまず利用規約を確認!違反していれば削除できる可能性あり
TogetterはTwitterで発言された複数のツイートのまとめ記事を作成できる便利なツールであり、まとめるツイートはまとめの作成者が自由に選択できます。そのため、ツイート投稿者の知らない所で意図していない形で利用されてしまう場合があります。悪意のあるユーザーがまとめ記事を作成した場合、個人情報や誹謗中傷のコメントをつけられてしまう恐れもあるでしょう。
Togetterでは、TogetterまたはTwitterの利用規約に違反しているまとめ記事、およびまとめ記事に掲載されているツイートに関しては削除をしてもらえます。もしも自分への誹謗中傷などがまとめ記事になっていた場合は、双方の利用規約をよく確認し、本記事で紹介している方法で削除依頼を送りましょう。
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清水 陽平