芸能人や政治家など実在する著名人や有名人、または架空のキャラクターなどについて、様々な人が集まって意見や情報の交換をできるサイトである「好き嫌い.com」。
しかし、「好き嫌い.com」には話題の著名人や有名人、架空のキャラクターなどが「嫌い」である人もコメント欄を利用しているため、誹謗中傷コメントも後を絶ちません。
本記事では、好き嫌い.comというサイトの概要やルールを確認した上で、誹謗中傷を投稿されてしまった場合に自分でできる対処法や、誹謗中傷コメントを投稿した相手を特定するまでの流れについて解説します。
好き嫌い.comとは?
「好き嫌い.com」は、芸能人や政治家など実在する著名人や有名人、または架空のキャラクターなどを対象にした投票サイトです。
運営者は「好き嫌い.com運営事務局」とだけ記載されており、メールアドレスとTwitterのアカウントが併記されているのみで、詳しい情報の公開はありません。
サイト内には「みんなのホンネが集まる場所。」「みんなのホンネが集まる日本唯一のサイト。」というキャッチコピーが掲載されており、個人名やグループ名のページを開くと「〇〇のこと、好き?嫌い?」という文字とともに「好き」と「嫌い」という2択のボタンが表示されます。
ユーザーはまずこの2択のボタンのどちらかを選び、投票します。投票は1日1回まで行うことができ、投票を行うことで全投票の結果やコメント欄を閲覧することができるようになります。
好き嫌い.comのコメント欄に投稿されたコメントには、コメントの投稿者が「好き」「嫌い」のどちらに投票したのかが表示され、コメントの閲覧者は「好き派のみ」「嫌い派のみ」に絞ることによって表示される投稿を制限して閲覧することも可能です。
また、ひとつひとつのコメントにも「好き」と「嫌い」のボタンが設置されており、コメントの閲覧者はコメントに対しても「好き」か「嫌い」に投票することができる仕様になっています。
好き嫌い.comで度々起こるトラブルとは?
様々な人の意見が閲覧できるはずの「好き嫌い.com」ですが、コメント欄では誹謗中傷の投稿やユーザー同士のトラブルが絶えません。具体的にどのようなトラブルが起こっているのか見てみましょう。
誹謗中傷コメントが書き込まれやすい
好き嫌い.comでは、投票対象に対して「嫌い」というネガティブな感情を持っている人も多く集まります。
コメントは匿名で投稿することが可能なことも後押しし、ネガティブなコメントも投稿されやすくなっています。
ネガティブコメントの中には「ブサイク」「消えろ」「性格が最悪」「自意識過剰」などといった誹謗中傷コメントが散見され、中には「浮気をしている」「枕営業をしている」などといった名誉毀損に繋がる可能性のあるコメントも投稿されています。
コメント欄での言い合いが起こりやすい
好き嫌い.comには、投票の対象に対して「好き」と思っている人と「嫌い」と思っている人が同じページに書き込みを行います。
投票結果ページ(コメントを投稿できるページ)では投稿されたコメントを「すべて表示」「好き派のみ」「嫌い派のみ」の3種類から選んで表示する事が可能ではありますが、デフォルト表示が「すべて表示」になっているためページを開いた瞬間に自分とは違う意見のコメントがどうしても目に入ってしまいます。
稀に、投票は「嫌い」に投票し、コメントの際に「好き派」を選択してネガティブなコメントを投稿する悪質なユーザーもいるため注意が必要です。
好き嫌い.comでのコメント欄ではアンカーを使った返信機能があり、「投票に対象」だけではなく、「コメントを行った人」に対するコメント(返信)を投稿することも可能です。
その上、好き嫌い.comでは「好き(ファン)」「嫌い(アンチ)」という派閥が明確に分かれており、かつ匿名で利用できる場であるため、投票した有名人だけでなくコメントを行った個人に向けて強い言葉(「消えろ」「頭がおかしい」といった言葉や、それ以上に攻撃性の高い言葉)を使う人も出てきてしまっているのが現状です。
好き嫌い.comで誹謗中傷を見つけた時の対処法
もしも好き嫌い.comのコメント欄に自分の誹謗中傷を投稿されていた場合、どのように対処すれば良いのでしょうか。まずはサイト内のルールを確認した上で、被害者が個人でできる対策方法を紹介します。
好き嫌い.comのルールはどうなっている?
好き嫌い.comのサイト内には、利用規約のような細かいルールを記したページはありません。
投稿されるコメントに関する公式ルールは、コメントを投稿する直前のポップアップで確認することが出来ます。
引用:好き嫌い.com コメント投稿前に表示されるポップアップ
注意事項によると、「他の方が不快に感じるコメントや法律に反するコメントを投稿された場合、コメントの削除や投稿禁止などの措置を取ることがあります」と記載されています。
コメントを見ないようにする対策
いやなコメントを「削除」する手間をかけるまでもないけど、見たくない(嫌なコメントが投稿されていても自分の目に入りさえしなければ大丈夫)という方は、「コメントの非表示化」や「NGワードの設定」が有効です。
非表示の方法
1.非表示にしたいコメントの上部にある「非表示」ボタンを押す
2.ポップアップに表示された内容を確認して「はい」のボタンを押す
非表示の期間は6か月間となり、期間が過ぎると再び表示されてしまいます。
そのため、6か月ごとにまた非表示を押さなければいけないのがネックにはなりますが、「誹謗中傷が投稿されていても自分の目に入らなければ大丈夫」という方にとっては最も簡単な対策方法です。
NGワード設定の方法
1.コメント欄下部にある「NGワード設定」のボタンを押す
2.NGワードにしたい言葉を入力し、「保存」ボタンを押す
NGワードは5ワードまで設定が可能で、ページごとに設定することができます。
通報の方法
1.通報したいコメントの上部にある「通報」ボタンを押す
2.ポップアップに表示された内容を確認して「はい」のボタンを押す
通報が完了しても、コメントは自動では非表示になりません。
通報が完了した後に自分の目にも入らないようにしたい場合は別途「非表示」または「NGワード登録」を行う必要があります。
運営にメールで報告する方法
最後に紹介する対処方法は、好き嫌い.comの運営にメールで報告を行う、というものです。
先にも説明した通り、好き嫌い.comでは「他の方が不快に感じるコメントや法律に反するコメントを投稿された場合、コメントの削除や投稿禁止などの措置を取ることがあります」と述べられているため、報告したコメントがこの禁止事項に当てはまると管理人が判断すれば誹謗中傷コメントを削除してもらえる可能性があります
メールで違反報告を行う際は、本文に
- 氏名
- 連絡先(すぐに確認できるメールアドレス)
- 削除してほしいコメント(書かれている場所のURLなど)
- 削除対象である理由
を記載します。「削除してほしいコメント」の部分では、コメントが投稿されている場所のURLや投稿された時間などの情報も記載します。該当ページのスクリーンショットを添付するなど管理人が削除すべきコメントを見つけやすいように工夫すると良いでしょう。
また、「削除対象である理由」を記載する際には、誹謗中傷コメントのどの部分が注意事項にある「他の方が不快に感じるコメントや法律に違反している」、つまり「荒らし行為、わいせつ画像、個人情報、その他違法行為と考えられるもの」に当てはまっているのかをしっかりと説明しましょう。
コメントの内容が違法行為と言える内容である場合は、どの法律に違反しているのかという点も記載できると良いでしょう。自身で判断がつかない場合は、一度弁護士に相談してみるのもおすすめです。
本文を書き終えたら、下記のメールアドレスに送信します。
誹謗中傷コメントを投稿されてしまった本人が申請する場合、つい早く対応して欲しい思いが先行し、文章が荒くなってしまったり対応を急かしてしまったりしがちです。しかし、「削除をお願いする側」という意識も忘れず、丁寧なやり取りを心がけましょう。
法的な手段を用いて削除する場合
誹謗中傷コメントを「非表示」するだけで大丈夫(自分が見なければ気にならない)であったり、「通報」や「管理者へのメール報告」によって誹謗中傷コメントが削除されて解決できたりするのが理想ではありますが、残念ながらこれらの対策だけで解決できない場合もあります。
投稿された誹謗中傷コメントがプライバシー権の侵害や名誉毀損に当てはまり、法的な手段を用いて削除したい場合の方法を紹介します。
投稿が違法であるかどうかを確認
法的手段を用いて削除申請を行うには、法律の知識が必要であるだけでなく、必要書類の記入や裁判など様々な行程を経なければならず、現在の法律ではあまり「手軽にできる」とは言えません。
そのため、削除申請を行う前に削除したい投稿が「違法であるかどうか」をしっかりと見極めましょう。自分で判断できない場合は法律のプロである弁護士に判断してもらうと安心です。
送信防止措置依頼書の送付をする
誹謗中傷の投稿が「違法」な投稿であった場合、送信防止措置依頼書を用いた削除を試みることができます。
好き嫌い.comのホームページには運営会社の情報が一切記載されていないため、公開されているメールアドレス宛に「侵害情報の通知書 兼 送信防止措置依頼書」を送ります。
一般財団法人テレコムサービス協会が公開している書式を利用すると良いでしょう。
引用:プロバイダ責任制限法関連情報Webサイト 侵害情報の通知書兼送信防止措置依頼書 記入参考例
この問い合わせがある場合、コンテンツの管理者は該当の投稿を削除することが出来ます。
ただし、送信防止措置請求を行ってもコンテンツの管理者が応じない場合も当然あり、この方法で必ず削除できるとは限りません。
誹謗中傷を投稿した相手を特定する場合
好き嫌い.comに投稿されたコメントを削除することで問題が解決すれば良いのですが、削除が成功しても何度も繰り返し誹謗中傷コメントを投稿されてしまう場合もあります。
そういった「いたちごっこ」を防ぐため、誹謗中傷した相手を特定し、法的な責任を追及したいと考えている方もいるでしょう。
好き嫌い.comにおける投稿者特定の流れ
好き嫌い.comにおける投稿者特定の流れを簡単に説明します。
- 好き嫌い.comの運営者(運営会社)から誹謗中傷を投稿したユーザーのIPアドレスとタイムスタンプを開示してもらう
- 開示された情報を元に、誹謗中傷を投稿したユーザーが使ったプロバイダを特定する
- 「発信者情報開示請求」の裁判を行い、プロバイダの契約者の氏名、住所、電話番号、メールアドレスと開示してもらう
誹謗中傷を投稿した相手を特定したい場合に特に気を付けたいことは、「誹謗中傷が投稿されてから時間が経ちすぎていないか」という点です。投稿者を特定するまでに少なくとも2回程度の裁判を行うことが必要となることが多く、情報はすぐに開示されるものではありません。
インターネットのプロバイダは利用しているユーザーの情報を記録していますが、一定期間経ったデータは基本的に削除されてしまいます。
相手を特定しようと準備をしても、プロバイダがデータを削除してしまっていては当然情報の開示もできません。誹謗中傷をした相手を特定したい場合は、投稿に気付いたらすぐに行動を開始するのが望ましいと言えるでしょう。
投稿者の特定やIPアドレス開示請求の流れに関しては、こちらの記事も参考にしてみてください。
まとめ|好き嫌い.comの誹謗中傷は発見したらすぐに対処するのがおすすめ
好き嫌い.comには、多くのファンが集って投票対象である芸能人や有名人、キャラクターなどといった共通の話題で盛り上がれるはずの場であるものの、「好き派」と「嫌い派」が同じページを閲覧する仕様であるため、対象に対しての誹謗中傷や悪口も多く投稿されています。
もしも好き嫌い.comに自分の誹謗中傷が投稿されてしまった場合には、発見したらできるだけ早く削除や投稿者特定に動くことが重要です。
対処が遅れてしまうと投稿がSNSなどで拡散されてしまうリスクが上がるだけではなく、削除や投稿者特定を行う場合に投稿者のデータが削除されてしまっている(=特定不可能になってしまう)恐れがあるためです。
投稿者特定のための裁判を行う場合には法律の正しい知識が必要になるため、インターネットでのトラブルに詳しい弁護士を探して依頼すると良いでしょう。
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清水 陽平