読売新聞社が運営する大手掲示板サイト「発言小町」。素朴な疑問や悩み事に対して多くの人からの意見やアドバイスがもらえる点が売りのサイトですが、「本音」を盾にした厳しい意見や言葉を述べるユーザーも一定数おり、悪口の言い合いになってしまう危険性もあります。
本記事では、もしも発言小町内での書き込みを削除してほしい場面に遭遇してしまったらどうすれば良いかわからないという方向けに、発言小町のルールなどを踏まえた削除申請の方法を紹介します。
発言小町とは?
発言小町は、1999年10月に発足された、読売新聞社が運営するインターネット掲示板サイトです。読売新聞オンラインのホームページ説明では「読売新聞が運営する女性向け掲示板で、女性のホンネが分かる『ネット版井戸端会議』の場です。」と紹介されています。
「発言小町」の投稿では女性も男性も隔てなく気軽に利用しているように見えますが、2020年8月の時点では実際のユーザー層は30代~50代がメインで、女性ユーザーが8割を占めています。
恋愛や仕事、子育てなどの悩みを抱えたユーザーがトピ(スレッド)を立て、それを閲覧したユーザーが回答(レス)を投稿していくという流れが主な利用方法ですが、悩み以外にも「感動した話」「コロナが収束したらやりたいこと」など雑談や目標の共有に利用される場合もあるようです。
引用:発言小町 トップページ
発言小町とその他の掲示板の大きな違いと言えば、「発言小町」に掲載された内容等は読売新聞の紙面や読売新聞の電子メディアなどの媒体にも掲載される可能性がある点です。「発言小町」に投稿された内容をもとに小説や漫画、映画などのコンテンツを作成する場合もあるという記載もあります。
発言小町の投稿ルールは?
発言小町での投稿は、リアルタイムで反映される訳ではありません。投稿された内容は編集部(発言小町の運営者)がすべて目を通し、必要な場合は編集を加えてから掲載されます。投稿本数が多い場合は掲載に時間がかかることもあり、投稿の内容によっては編集部の判断で掲載を見合わせる場合もあります。
発言小町に掲載されない投稿は以下にあてはまるものとなります。
- 読者のみなさんが読んで不愉快になると思われる投稿、いかがわしい内容を含んでいる投稿、外国語やローマ字のみによる投稿は掲載しません。
- 特定の企業、法人、団体、地域、個人に対しての誹謗(ひぼう)・中傷、差別発言などの不適切な表現が含まれている場合は、その箇所を削除するか、掲載をしません。
- 営業・営利目的の投稿、企業が読者を装った投稿や、自分で運営しているサイトへ誘導しようとする投稿は掲載しません。また、電話番号やFAX番号、メールアドレスなども禁止です。
- 歌詞や書籍など他人の著作物の無断使用は著作権法違反です。その場合、文中から削除するか、場合によってはトピックごと削除します。
- 編集部が発言小町にふさわしくないと判断した投稿は、掲載された後でも、編集部の判断でトピックやレスのタイトル・本文を修正したり、トピックごと削除したりすることがあります。その際にトピ主、レス投稿者への連絡はいたしません。
- 議論が白熱し過ぎて収拾がつかなくなった場合や、本題と関係のない雑談が続いた場合、編集作業に支障をきたすようなレスが多数投稿された場合は、投稿受け付けを中止するか、トピックを削除することがあります。
一般的に読者が見て不愉快になる内容や、特定の企業、法人、団体、地域、個人に対しての誹謗中傷、差別発言は当然禁止されており、掲載されません。また、掲載されてしまった場合でも、後から編集部が「発言小町にふさわしくない」と判断すれば、編集や削除を行うことがあると記載されています。
参考:発言小町の投稿ルール
発言小町のトピ・レスは削除されにくい?
発言小町のトピやレスは削除が難しいと聞いたことのある方もいるかもしれません。発言小町の削除が難しい理由のひとつとして、先ほども紹介したように「発言小町に投稿されるトピやレスは、発言小町の編集部がひとつひとつチェックしている」という点が挙げられます。
その上で、チェックの際に編集部が不適切だと判断した投稿に関しては、直接編集を加えた上で投稿されたり、場合によっては投稿されなかったりします。つまり、基本的には発言小町に投稿されている時点で「編集部の審査を通っている投稿」であると言えるのです。
また、発言小町の運営元が読売新聞社(大手の情報メディア企業)である点も「簡単には削除できない」理由のひとつの要因になっていると言えます。インターネットで「情報」を扱うコンテンツにはユーザーからの信頼が必要です。
大手の新聞社ということもあり、ユーザーの「表現の自由」にも最大限配慮すると考えられます。もしも明確な「削除」の根拠がない書き込みを簡単に削除し続けてしまえば、情報や意見を投稿しているユーザーからの信頼を失いかねません。
しかし逆に考えてみれば、「コンテンツの信頼性を守る」ため、万が一発言小町編集部のチェックをすり抜けて投稿されてしまったルール違反や違法なコメントがあった場合には、その事実がしっかりと証明できれば削除対応してもらえる可能性があるとも言えます。
発言小町の削除依頼方法
発言小町に投稿された「トピック」や、トピック内に投稿された「レス」は自分で自由に削除することができません。それは、他人が書き込んだ内容はもちろん、自分が立てたトピや書き込んだレスにも当てはまります。
そのため、どうしても発言小町のトピやレスを削除したい場合は、発言小町の編集部に「削除に値する(ルールに違反している)書き込み」であることを報告し、削除してもらいます。
発言小町の編集部への連絡方法(レス投稿画面から)
こちらの方法は、トピへのレス投稿が有効な場合に利用できる方法です。レスの投稿が可能なトピには、下の画像のようにトピ内に「レスする」というボタンが表示されています。
引用:発言小町
この「レスする」ボタンをクリックすると、レスの投稿フォームに移行します。
投稿フォームの下部に「ご意見・ご感想」を書き込む部分があるので、そちらに
- 削除して欲しいレスの情報(トピ内IDやレス本文、投稿者名、投稿日時など)
- 削除してほしい理由
- 削除が妥当だと言える根拠(ルール違反や違法の証明)
を入力します。
レスのタイトルや本文、ハンドルネームなど入力必須とされている箇所には、任意の文字(ダミーの文章)を入力する必要があるので注意してください。
もしも、削除対象の書き込みが掲載されているトピへの新規書き込みが停止されていた場合(「レスする」のボタンがどこにも表示されていなかった場合)は、次に紹介する方法で編集部への連絡を行います。
発言小町の編集部への連絡方法(フォームから)
発言小町のサイト内には「お問い合わせフォーム」や「お問い合わせ先メールアドレス」の記載はありません。発言小町の運営元は読売新聞社であるため、読売新聞オンラインのサイトに掲載されている「お問い合わせ先」を確認します。
読売新聞社の問い合わせ先一覧ページには、用途別に様々な問い合わせ先が掲載されています。今回は、その一覧の中から「デジタルサービスに関するお問い合わせ」選択します。
引用:問い合わせ先一覧:会社案内サイト「読売新聞へようこそ」
上の画像にある「デジタルサービスのお問い合わせ」のリンクをクリックすれば、自動的に該当の場所まで飛びます。
引用:問い合わせ先一覧:会社案内サイト「読売新聞へようこそ」
「デジタルサービスに関するお問い合わせ」の部分に飛んだら、専用フォームのリンクをクリックしましょう。以下の画像のような画面が表示されます。
引用:読売新聞オンラインなどデジタルサービスに関するお問い合わせ | 株式会社読売新聞東京本社
【フォームからの問い合わせ方法】
- まず必須項目の「氏名」「郵便番号」「住所」「電話番号」「メールアドレス」「生年月日」を入力します。
- 「お問い合わせ対象のサービス」の項目から「発言小町」を選択します。
- 「遅い合わせの内容」に、削除して欲しいトピやレスの情報(URLやトピID)と、削除してほしい理由、削除が妥当だと言える根拠や証拠を記入します。名誉毀損や信用毀損などで実害が出ている場合は、どのような被害がでているか具体的に記入しましょう。
「トピやレスの情報」とは、例えばトピのURLやトピIDのことを指します。削除してほしい項目が特定のトピに投稿されたレスなのであれば、トピの情報に加えレスの情報(レスの最下部に記載されている「トピ内ID」)なども記載します。
削除依頼対象のトピやレスを編集部の担当者が探しやすいような配慮を心がけましょう。
削除申請が通らなかった場合はどう対処する?
もしも「ご意見・ご感想」や「デジタルサービスに関するお問い合わせ」のフォームから連絡を行っても削除されなかった場合、発言小町の編集部に削除希望理由とその根拠がしっかりと伝わらなかった可能性があります。
今一度削除したい投稿が「発言小町のルールに違反しているか」「違法な内容であるか」を確認し、当てはまるにもかかわらず削除が却下されてしまったようであれば以下の方法を試してみましょう。
裁判所に対し「仮処分」の申し立てを行う
上記の方法で読売新聞社に対し削除の問い合わせを行っても削除されなかった場合で、削除してほしいトピやレスが明らかに法律に違反する内容であった時は、法的に削除請求を行うことができます。
裁判所に仮処分申立書を提出する場合には、裁判官が削除を妥当だと判断するための証拠を提出する必要がありますので、あらかじめ削除したいトピのURL、ID、削除したいトピやレスの文章などをプリントアウトしておくなどの準備もしておきましょう。
弁護士に相談して削除依頼の代行をしてもらう
基本的に、発言小町に限らず様々なサイトへの「削除依頼」は、その書き込みによって被害を受けている本人でなければ行うことが出来ません。しかし、弁護士は被害者からの依頼であれば「代理人」として削除申請を行うことが可能です。
削除してもらえる確率を上げたい場合や、自身で削除申請を行う時間的な余裕がない場合は、インターネットのトラブルに詳しい弁護士に依頼し、全て任せてしまうという方法もあります。
たとえ削除申請を自分で行う予定でも、削除申請を行う前に法律の専門家に「削除したい投稿が違法であるかどうか」を判断してもらったり、削除申請を行う際のアドバイスを貰ったりできるのは心強いことなので、困った場合にはいちど弁護士に相談してみるのがおすすめです。
削除不可能だった場合の対策方法
もしも、削除が妥当であるという理由が認められず、削除が不可能だった場合でも全く成す術がないという訳ではありません。発言小町のトピへのアクセスは、サイト内で検索するユーザーの他に、GoogleやYahoo!といった検索エンジンの検索結果から飛んできてしまう人も多くいます。
発言小町は検索エンジンで特定のワードで検索した際に上位に表示されやすく、上位に表示されれればされるほど多くの人が閲覧します。つまり、削除したいトピ(削除したいレスのついたトピ)が検索エンジンで上位に表示されにくくなるような対策を行えば、トピを閲覧してしまう人の人数を抑えることができるという訳です。
発言小町のトピやレスの削除がどうしてもできなかった場合でも、できる対策を行いたい場合は、風評や誹謗中傷の対策を行っている業者に相談してみると良いでしょう。
まとめ|発言小町の削除依頼をする前にルール違反や違法であるかをしっかり確認
発言小町は大手企業である読売新聞社が管理している掲示板で、多くの利用者数や閲覧者数を誇るサイトです。発言小町に投稿される文章は、あらかじめ発言小町の編集部がひとつひとつ確認しているため、過度な誹謗中傷は投稿されにくいとされています。
そのため、もしも削除申請を行いたい場合は、発言小町のルール違反や違法行為であるという明確な削除理由と証拠が必要であるということを覚えておきましょう。削除したい投稿が「違法行為」である場合には、弁護士に依頼してアドバイスを貰ったり、削除申請作業を代行してもらったりするのがおすすめです。
削除したい投稿が違法行為やルール違反とは認められなかった場合でもできる対策はあります。困った場合には誹謗中傷対策を行っている会社へ連絡し、どのような対策ができるか相談しましょう。
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清水 陽平