店舗を運営していると「Googleマイビジネス」「ローカルSEO」という言葉を耳にする頻度が増えたと思います。
実店舗を持っているビジネスの場合、ローカルSEOの掲載順位を上げることは、通常のSEOで上位に掲載されるよりも集客効果が高いと言われています。
自然検索結果の上位表示対策をSEO対策と呼ぶのに対して、ローカル検索結果の上位表示対策をローカルSEO対策、またはMEO対策と呼ばれています。
本記事ではGoogleマイビジネス初心者に向けてローカルSEOが重要な理由とGoogleマイビジネスの登録方法について紹介します。
GoogleマイビジネスによるローカルSEOとは
「Ok,Google!『いい感じのカフェ』を探して!」
こんなCMが流れ始めたのも数年前。今ではiPhoneなどのスマートフォンで行きたいお店を探す際に「近くのお店」や「地域名+ジャンル」で検索することは一般的になってきました。
実店舗を運営する方にとってこのようなキーワードでWEB検索を利用した集客は日に日に重要度を増しています。
「近くのお店」や「地域名+ジャンル」で検索した際に地図と周辺情報が表示される部分が【ローカル検索結果】といい、この部分に表示されるようにGoogleマイビジネスを最適化することを【ローカルSEO】といいます。
GoogleマイビジネスによるローカルSEOをやるべき3つの理由
では店舗運営者がGoogleマイビジネスによるローカルSEOをやるメリットはどこにあるのでしょうか。
ポスティングやタウン誌への掲載、SNSへの投稿や食べログへの掲載などなど、集客施策はさまざまでローカルSEOまで出来ている方は少ないのではないでしょうか。
GoogleマイビジネスによるローカルSEOが他の集客施策と比較してメリットになる部分は下記の3点です。
- 自然検索結果よりローカルSEOの方が目立つ場所にある
- iPhoneなどのスマートフォンユーザーに向けたアプローチが出来る
- ローカルSEOはユーザーの行動に直結している
ひとつずつ解説していきます。
自然検索結果よりローカルSEOの方が目立つ場所にある
まず一番大きなメリットが「何より目立つ場所にある」点です。
これは「五反田 ランチ」と検索した際に最初に見える画面です。
自然検索結果よりローカル検索結果の方が上部に表示されていることが分かります。Web上の集客施策を行う上でファーストビュー、つまり検索ユーザーが一番最初に目にする場所に自分の店舗情報が載ることはとても重要なことです。
特に飲食店などは自分が居る位置やこれから向かう場所の地図とセットで店選びをすることが多く、ローカルSEOとの相乗効果はかなり高いと言えるでしょう。
また「焼肉」「寿司屋」などのいわゆるビッグワードは通常のSEOではほぼ施策不可能ですが、地域名と掛け合わせて施策を行うローカルSEOでは上位化、及び集客の増加が期待できます。
iPhoneなどのスマートフォンユーザーに向けたアプローチが出来る
次に「時代に即したスマートフォンユーザーへの訴求が可能」な点です。
2018年の総務省の調査によると、2017年におけるスマートフォンの世帯保有率は80%弱となっており、特に60代から下の世代では平均95%近い数字となっています。
つまり現代の生活においてわたしたちはスマートフォンとは切っても切れない関係といっても過言ではなく、集客施策を行う際にも一番身近なデジタルデバイスであるスマートフォンユーザーを最も意識する必要があります。
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h30/html/nd252110.html
Googleのヴェニスアップデートについて
ローカルSEOに最も大きな影響を及ぼしたのが「ヴェニスアップデート」と呼ばれるGoogleのアルゴリズム更新です。
このアップデートは検索ユーザーの位置情報から検索意図を正確にくみ取るように最適化されたもので、地域に依存する検索ワードに大きな影響を与えました。
例えば同じ「ラーメン」というキーワードでも異なる場所で検索すると大きく結果が異なります。
無論、ローカルSEOを実施する上においてこのヴェニスアップデートによるGoogleの仕組みの変化を考慮するのは言うまでもありません。例えば、東京にあるラーメン店を大阪のローカルSEOに反映させるのは現実的ではありません。
地域に紐づかない集客施策を行う場合はSNSでの発信やマスメディアでの広告などが有効でしょう。
ローカルSEOはユーザーの行動に直結している
最後のメリットは「直接検索ユーザーのアクションを促すことが出来る」点です。
例えばスマートフォンで「五反田 ランチ」と検索を行うとこのような画面が表示されます。
ここで気になった一番上の店舗をタップしてみると
- 電話
- 経路案内
という項目があるのが分かります。
文字通り直接店舗や経路案内をすることが可能です。上手に店舗の魅力を伝えられることができれば、「検索→比較→行動」のプロセスから比較を飛ばすことも可能であり効率の良い集客を実現することもできます。
Googleマイビジネスに登録してローカルSEOをはじめよう
では実際にGoogleマイビジネスに登録してローカルSEOをはじめましょう!
といっても「難しそうだからよくわからない」「調べたけどいろいろな情報が転がっていて何が正しいかわからない」のような意見もあると思います。
下記ではGoogleマイビジネスの登録方法について簡単に紹介します。
Googleマイビジネスへの登録は3ステップ
ローカルSEOを始めるためのGoogleマイビジネスへの登録は実はそこまで難しくありません。
- Googleアカウントを取得する
- Googleマイビジネスに店舗の情報を登録する
- オーナー確認の作業を行う
の3ステップで簡単に登録することができます。
Googleアカウントを取得する
Googleアカウントを持っていない人はまずアカウントを取得しましょう。
個人用のアカウントを持っている人も「ビジネス管理用」のものを取得することをおすすめします。
Googleによって定められた手順に沿って登録しましょう。
既にGoogleが自動生成したマイビジネスが存在する場合、「このビジネスのオーナーですか?」と確認されるので、次のステップに進みましょう。
Googleマイビジネスに店舗の情報を登録する
Googleアカウントが取得出来たらGoogleマイビジネスに店舗の情報を登録しましょう
「今すぐ開始」をクリックし、手順に従って登録を行いましょう。
オーナー確認の作業を行う
最後にオーナー確認を行えばGoogleマイビジネスの管理ができるようになります。
オーナー確認は「ハガキ」「電話」「メール」「Google Search Console認証」の4つのうちいずれかの方法で実施可能です。
「メール」「Google Search Console認証」はできない場合も多いため、基本的には「ハガキ」もしくは「電話」がおすすめです。
ハガキ
登録した店舗の住所に確認コードが郵送され、そのコードをGoogleマイビジネスに入力すると確認が完了。ハガキがアメリカから郵送されるため、到着するまで2週間程度の時間がかかってしまう場合有り。
電話
Googleマイビジネスに登録された電話番号宛にGoogleから電話がかかってきます。自動音声で5ケタの確認コードが通知されるので、そのコードをGoogleマイビジネスに入力すると確認完了。
メール
Googleが店舗の公式メールアドレスを認識していれば利用可能。メールでのオーナー確認ができる場合には、オーナーのメールアドレスが表示されます。このオプションが表示されない場合はメールでのオーナー確認はできません。
Google Search Console認証
登録した店舗の公式サイトが、Google Search Consoleですでにアカウント認証されていると、Google Search Consoleでのオーナー確認が選択できる場合があります。ただし、マイビジネスの登録アカウントとGoogle Search Consoleの登録アカウントとが同じものである必要があります。このオプションが表示されない場合は、この方法でオーナー確認はできません。
ローカルSEOの順位が決まる要素とは
Googleマイビジネスに登録したからにはしっかりとローカルSEO対策を行っていきましょう。
ローカルSEOの順位の決定条件はGoogleのガイドラインから下記の3つの要素から総合的に判断されるとされています。
- 検索語句との関連性
- 検索地点からの距離
- ビジネスの知名度
https://support.google.com/business/answer/7091?hl=ja
検索語句との関連性
まず1つ目が検索語句との関連性です。
ローカルSEOを始める際にターゲットになるキーワードを決めておくのが大切です。特にローカルSEOでは「地域」と「ジャンル」を重視する必要があります。
例えば「五反田 ラーメン」をターゲットキーワードにした場合、Googleマイビジネスの業種名に「五反田のラーメン屋」などと設定するのが良いでしょう。
関連性とは、検索語句とローカル リスティングが合致する度合いを指します。充実したビジネス情報を掲載すると、ビジネスについてのより的確な情報が提供されるため、リスティングと検索語句との関連性を高めることができます。
※Google のローカル検索結果の掲載順位を改善するより引用
検索地点からの距離
次に検索地点からの距離からの距離です。
ターゲットキーワード選定に関わる部分ですが、五反田のラーメン屋が「大阪 ラーメン」でローカルSEOを行うのは現実的に不可能です。
また、先述のヴェニスアップデートの影響で地域名を検索ワードに入れない場合はユーザーの位置情報に基づいて検索結果が返されます。物理的な制約が関わる部分なので、店舗の所在地に合わせた商圏設定が必要です。
距離とは、検索語句で指定された場所から検索結果のビジネス所在地までの距離を指します。検索語句で場所が指定されていない場合は、検索しているユーザーの現在地情報に基づいて距離が計算されます。
※Google のローカル検索結果の掲載順位を改善するより引用
ビジネスの知名度
最後の要素がビジネスの知名度です。
「一般的に有名なチェーン店で、、、」というのももちろん重要な要素ですが、具体的にはサイテーション、口コミやレビューなどの要因によるWEB上の人気度が評価要因となります。
サイテーションとは
言葉としては「引用」に近い意味。
ローカルSEOにおいては「リンクではない形による他コンテンツの参照」を意味するものとして使われている。店舗の名前や住所、電話番号などに関する記述を「サイテーション」として扱い、評価の対象にすると言われている
知名度
知名度とは、ビジネスがどれだけ広く知られているかを指します。ビジネスによっては、オフラインでの知名度の方が高いことがありますが、検索結果にはこうした情報が加味されます。たとえば、多くの人に知られている著名な美術館、ランドマークとなるホテル、有名なブランド名を持つお店などは、ローカル検索結果で上位に表示されやすくなります。
ビジネスについてのウェブ上の情報(リンク、記事、店舗一覧など)も知名度に影響します。Google でのクチコミ数とスコアも、ローカル検索結果の掲載順位に影響します。クチコミ数が多く評価の高いビジネスは、掲載順位が高くなります。ウェブ検索結果での掲載順位も考慮に入れられるため、SEOの手法もローカル検索結果の最適化に適用できます。
※Google のローカル検索結果の掲載順位を改善するより引用
GoogleマイビジネスによるローカルSEOとMEOの違いとは
よくある質問として「ローカルSEO」と「MEO(Map Engine Optimization)」は何が違うのか?があります。
結論から申し上げると「同じ意味」と捉えて問題ありません。
ただし、一時期MEO業者を名乗る企業がスパム行為を繰り返し問題になったことがあり、MEOという言葉に対してイメージが良くない方もいるかもしれません。
業者に依頼する場合はスパム行為を行わない健全な施策を行う企業か判断をする必要があります。
GoogleマイビジネスによるローカルSEOと通常のSEOの関係とは
「通常のSEOで順位が上がるとローカルSEOにも影響しますか?」もよくある質問です。
これは「影響を及ぼす可能性が十分にある」と言えます。
先ほどのローカルSEOの順位決定要素に「知名度」がありました。
※Google のローカル検索結果の掲載順位を改善するより引用/
Googleのガイドラインに掲載されている以上無視できない要素です。
Googleマイビジネスには保有ウェブサイトを記入する欄があります。SEO対策を十分に行っているサイトならばそれを掲載するのがおすすめです。そもそもウェブサイトを保有していない場合は有名媒体サイトなど、ドメインパワーが強いサイトの力を借りるのも一つの手です。
ローカルSEO(MEO)の順位向上に関しては下記記事が特に参考になると思います。
Googleマイビジネスを使った集客対策、MEOとは?MAPで上位化させる3つのコツ
まとめ|Googleマイビジネスに登録してローカルSEOをはじめよう
ローカルSEOのためにGoogleマイビジネスを運用するには3つの要素に対してバランスの良い施策を行うことが大切です。
Googleの上位化基準はつまるところ「ユーザーが欲している情報を提供できているか」になっているため、小手先の技術に頼らずユーザー目線に立った運用が大切です。
しかし実際に運用してみると機能も多く店舗運営と並行して行うのは至難の業です。そんな場合は当社でもGoogleマイビジネスの運用代行を行うことが可能です。
ご興味のある方はぜひお気軽にご相談ください。