現在美容室の店舗数は約25万件以上にもなり、コンビニの約4.5倍の店舗数といわれています。
それだけ競争の激しい美容室で、重要となるのが「集客」です。
お客様を集客しなければ、売り上げも担保できず経営も上手くいきません。
そのためにはまず既存顧客や新規顧客に対してそれぞれ適切なアプローチ方法を分析し、考えることが必要です。
今回はそんな各顧客に対するアプローチ方法と、美容室がやるべき集客手段をご紹介します。
【リピーター獲得】既存顧客の分析をした美容室の集客
まずはじめに、現在の顧客分析から始めてみましょう。
来店していただいたお客様の年齢層や居住地の割合などを分析してみることで店舗の強みや特徴が見えてきます。
年齢層・男女比を考える
カルテやネット予約のお客様情報をみてみることで、どの年代の方の利用が多いのか知ることができます。
例えば、「20代~30代のOLさん達の利用が多い」と分かれば、グラデーションカラーや派手髪のスタイリングや、白髪染めのメニューを沢山発信してもなかなかアクションに繋がらないことが考えられます。
反対に「40代~60代の男性の利用が多い」店舗であれば、男性のスタイリング写真や、カット動画、白髪染めのメニューなどを豊富に発信していくことができます。
地域性を考える
お客様がどこの地域からの来店が多いのかも集客をする上で重要な分析要素となります。
近所の人の利用が多いのであれば、その地域の方向けの発信をしていくことでさらにリピーターに繋げていくことが可能になるでしょう。
再来店のきっかけを考える
再来店のきっかけを考える中でお客様に直接意見を聞くことはとても有効な方法だといえます。
待ち時間や施術中にアンケート記入の協力を得たり、また会話の中で何気なく利用いただいている理由やきっかけなどを聞いてみるのも良いでしょう。
【新規獲得】ターゲットに合わせた美容室の集客
リピーター顧客を分析することで、どのような人たちが来店してくれているのが見えてきたと思います。
その分析結果をもとに次は新規顧客を集客するために以下を考えていきましょう。
特徴、得意分野を考える
現在の既存顧客の分析結果や意見をもとに、自分たちの店舗の特徴や得意分野を洗い出してみましょう。
例えば、「女性客より男性客の割合の方が多い」のであれば、メンズのスタイリングを増やしたり、ポータルサイトなどに「メンズヘアサロン」として登録してみることで、新規の男性客の集客に繋げることができるでしょう。
また「カラーよりも、カットに自信があるスタッフが多い」のであれば、予約サイトやSNSで沢山のカットヘアスタイルを発信したり、メニューを豊富にすることで、カットを希望するお客様を新しく集客しやすくなります。
それぞれの店舗の特徴や得意分野を生かした集客をしていくことで、顧客のニーズにあった対応ができるのでリピーターへと繋げられる確率も高くなります。
ターゲットを考える
新規顧客を集客する上で、ターゲット分析はとても重要です。
お店の特徴や強みが分かれば、その特徴を生かしたターゲット層や、新しく開拓していきたいターゲット層に向けて集客をしていくことができます。
競合店舗を分析する
競合店舗の分析も集客していく中でとても重要です。
近いエリアの美容室や、似ている部分を強みとしている美容室の営業スタイルや顧客層、どのような集客を行っているのか分析してみましょう。
また競合店舗の把握がまだできていない店舗は、どのような店舗が競合にあたるのかから考えていくのが良いでしょう。
以下参考にしてみてください。
例)SNSのハッシュタグで競合を知る
最近では美容室や、美容師さんが自分たちのスタイリングをSNSで発信していくのは集客をする上で必要不可欠となっています。
そのため、#デザインカラー#メンズスタイリングといったハッシュタグで検索をしていくことで、自分たちのスタイリングの特徴に近い競合店舗の情報を得ることができます。
例)Googleマップで競合を知る
自店舗と同エリアで検索した際(例:渋谷 美容室)にGoogleマップに表示される店舗の情報を分析してみましょう。
同じ地域にいる店舗数が一度に把握できるので、自分のエリアにどれくらい競合がいることを知った上で、競合に勝つ施策を考えていきましょう。
【顧客別】美容室がするべき集客手段10選
ここからは新規顧客、既存顧客それぞれにむけた具体的な集客方法をご紹介します。
新規顧客を獲得する
新規顧客を獲得にするのに有効な集客手段をご紹介します。
Googleマイビジネスの活用
GoogleマイビジネスはGoogleが提供する無料で店舗の情報を掲載できるツールです。
ほとんどの美容室の自社HPは「地域名 美容室」で検索しても、ポータルサイトが上位に表示され、なかなか上位には表示されにくく2ページ目以降になるケースがほとんどです。
このツールの特徴は、ポータルサイトや自社HPよりも検索結果の上位に表示されることもあるため露出度を増やすことが可能です。
またGoogleマイビジネスは掲載料や手数料がかかることもなく、店舗のHPの掲載やワンクリックで直接電話問合せや経路案内もできるので集客に繋げることができます。
ポータルサイトへの登録
ポータルサイトへの登録は、閲覧したお店のページからそのまま予約ができたり、電話や予約ができる手軽さから、集客効果が高いです。
特に新しく美容室を探す際に利用するユーザーが多いため、新規顧客を集客するのにとても有効な手段です。
以下の大手ポータルサイトサイトをご紹介しますので、まだ登録していない店舗などは参考にしてみてください。
「ホットペッパービューティー」
ホットペッパービューティーは45,000件以上の美容室数が登録しており、年間7000万人以上の方が利用しています。(2020年11月現在)
美容室の登録数に比べて、利用者がとても多いのでその分多くのユーザーにアプローチできます。
主に女性ユーザーが多いですが、近年では男性客も理髪店より美容室を利用する機会が増えているため、男性客にアプローチするのにも有効な集客といえるでしょう。
「minimo」/「楽天ビューティー」
上記2つは成果報酬型のポータルサイトです。
ホットペッパービューティーは月額固定費がかかりますが、こちらはお客様が来店した時にだけ手数料が発生するため、手軽に始められることができるのが特徴です。
ユーザー層の傾向としては、minimoは10代~20代の学生や若い女性多いですが、楽天ビューティーは20代~40代の男女の比率が高く、幅広いユーザーを集客できます。
掲載サイトによってユーザー層も変化するので、それぞれどの層にアプローチしていきたのかを考えて登録するのがよいでしょう。
リスティング広告
リスティング広告とは、検索結果部分に連動して表示される広告のことです。
リスティング広告を出すことで、ポータルサイトよりも検索結果の上位に店舗情報を載せることが可能になります。そのため高い露出度と集客効果が期待できます。
しかしリスティング広告はオークションでの落札金額になるため、競合の多いキーワードなどで広告をだ出稿する場合は、それだけ落札金額も高くなります。
そのため広告予算をかけづらい美容室などでは導入はなかなか難しところもあります。
公式HP・ブログの活用
HPやブログは店舗それぞれの魅力や特徴、最新の情報などアピールしたい情報を盛り込むことができるため、サイトの閲覧数も増えれば新規顧客の集客に高い効果があります。
しかし美容室の自社HPは上記でも述べた通り、検索結果に上位表示させることは難しいのが現状です。
SNSやGoogleマイビジネスといったその他の集客ツールと上手く活用することでサイトへの流入数を増やし、多くのユーザーにアプローチしていくのが有効でしょう。
Instagramの活用
美容室の集客においてSNSの活用はとても重要です。特にInstagramでは多くの美容室や美容師が自店舗の特徴やスタイリングを発信しています。
最近ではInstagram経由でお店の予約をしたり、予約する前に美容師個人のアカウントを見てから予約するユーザーも増えています。
もし現在あまりInstagramの運用ができていないのであれば、公式アカウントのみだけでなく、美容師個人でのアカウントで情報を発信していくことを促し、より多くのユーザーに発信していくと良いでしょう。
看板の利用
看板は、その地域に住んでいる人を集客するのに有効です。目につく場所に設置しておくことで、定期的に看板の前を通る人達などにアプローチできる視覚効果があります。
また「看板を見たとお伝えしていただいた新規お客様には、全メニュー10%OFF」など特典をつけておくことで、看板の効果を測ることもできるでしょう。
チラシの活用
チラシも看板同様、地域のお客様を集客するのに有効な手段です。チラシはターゲットや配布エリアを絞って配布することも可能です。
特に開店したばかりの店舗や、地域のお客様の利用が多い店舗などではそのエリアに向けて配布することで新たな新規顧客を獲得できるでしょう。
リピーターを獲得する
次はリピーターを獲得にするのに有効な集客手段をご紹介します。
クーポン・キャンペーンの活用
クーポンやキャンペーンの活用は、再来店を促す手段としてとても有効です。
以下具体的な活用方法をご紹介しますので、参考にしてみてください。
・スタンプカード/次回来店クーポン
こちらは多くの美容室でも目にしますが、回数を重ねるごとに得点や割引率が大きくなるなどお客様にまた来たいと思ってもらえるような工夫をすることで再来店に繋げることができます。
・同行来店、紹介キャンペーン
同行しての来店、またはお友達1人ご紹介につきメニューの割引を設けるなどをすることで、新規顧客を集客しつつ既存顧客の再来店きっかけをつくることができます。
近所に住んでいる方の利用が多い店舗や、ママさん世代の利用が多い店舗では近所に住んでいるお友達や、家族を連れて利用してもらえる可能性が高いでしょう。
・SNS利用キャンペーン
SNSを利用してのキャンペーンは拡散性も高く、特に若い世代の利用が多い店舗では有効な手段だといえます。
例えば店舗名のハッシュタグやタグを付けて、お店の感想やスタイリングの投稿をしてもらえば次回来店時のクーポンや特典を受け取ることができるなど、キャンペーンとクーポンを活かしながら活用していくことで、新規顧客にもアプローチすることができるかつ、再来店きっかけをつくることができます。
メルマガ配信
メルマガ配信では、登録しているユーザーに定期的にお店の情報を発信できます。
以前利用していただいたお客様や、次に行く美容室を考えているお客様にタイミングよく配信できれば再来店のきっかけに繋げることができます。
現在では、メールマガジンの他にLINE公式アカウントでのメルマガ配信も主流となっています。無料でアカウントの開設ができ、店舗の情報をリアルタイムに発信できます。
また予約やユーザーからのメッセージや質問も受けるとることができるので、気軽に接点をもつことができます。
競合に負けない差別化を図ることが重要
美容室は店舗数も多いため、競合に勝つための戦力を考える必要があります。
上記で主な集客方法を述べましたが、全てを行うと多額な費用がかかってしまうため、全部をやる必要はありません。
自分の店舗をそれぞれ分析し、ターゲットに合った集客を行いましょう。