現在歯医者は全国に6万件以上もあります。
しかし人口の減少の影響からさらに競争が激化するともいわれています。
「最近、新患者数が少ない気がするな…」「開院したばかりで患者さんが集まりづらい…」などと、頭を抱えている歯医者さんも多いのではないでしょうか。
そのお悩みには何かしらの要因や、集客方法に問題があるのかも知れません。
今回は、そんな集客に悩む歯医者さん必見のや集客方法や戦略をご紹介します!
まずは現状の分析から集客を考える
現在の自院の状況を分析してみましょう。
既存の患者さんの来院経路や、医院の特徴など、多角的に見てみることで今後必要な戦略や集客方法が明確になってきます。
自院の特徴を考える
最初に自院の特徴を考えてみましょう。
専門とする治療から施設の特徴まで、些細なことでも大丈夫です。
患者さんが歯医者を選ぶ基準はそれぞれです。その特徴の1つが、患者さんの来院のきっかけとなる可能性があります。
【参考例】
- アクセスや立地
- 診療時間
- スタッフの人数
- 施設の設備
- 専門分野
- 診療/治療方法
- 予約方法 etc.
既存顧客を考える
次に、現状来院していただいている患者さんはどのような方が多いのか、分析してみましょう。
以下の情報は、カルテやweb予約からの情報だけでは詳細に知れない部分でもあります。
患者さん一人一人と話してみることで、その他の来院きっかけや、自分たちでは気づかなかったような、各医院の特徴や強み、反対に強化すべき点が発見できるかも知れません。
患者さんとは積極的に会話をしてみることをおすすめします。
来院経路:ホームページや口コミを見て、紹介してもらった、近所で通いやすいからなど、患者さんが来院するきっかけは様々です。
どこからの予約が多いのか、何をみて来院したのか集計してみましょう。
治療内容:専門治療の歯医者にとっては、治療内容が多岐に渡ることは少ないかもしれませんが、どのような悩みを抱えた患者さんが多いのか、それぞれの治療の割合なども見てみると良いでしょう。
相談の多い治療などについては、ホームページで詳しく治療方法やQ&Aページを作成するなどして、専門性をアピールしていくこともできます。
ターゲットを考える
自院や患者さんの特徴が整理できたら、ターゲットについて考えていきましょう。
例えば、矯正歯科や、審美歯科なら若い年齢層(特に女性)へ向けて、治療メニューの豊富さをアピールしたり、小児歯科なら子供をもつ親へ情報発信をするなどができます。
また患者さんも医院の近所に住んでいる方や、年齢層が高い方が多ければ、ネットを使用した宣伝よりも地域性の高いポスティングなどが集客に有効でしょう。
歯医者におすすめの集客手段
ここからは、具体的な集客手段をご紹介します。
先ほどの自院の特徴や、ターゲットを生かした集客方法を選んでいきましょう。
オフラインでの集客
オフラインでの集客は、拡散性の面ではオンライン集客と比べて劣りますが、先ほど述べたとおり、地域住民やご年配の来院が多い医院であれば、以下の集客が有効でしょう。
ポスティングは、地域やターゲットを絞って幅広い世帯にアプローチできます。
地域住民や、ネットをあまり使わないご高齢者にはポスティングは有効な手段でしょう。
また開院したばかりの医院にとっても、地域住民に認知してもらうことは、集客の第一歩になるためとても有効です。
看板は目につく場所に設置しておくことで、定期的に看板の前を通る人達などにアプローチできます。
設置する場合は、印象に残るよう看板や文字の大きさ、色味、雨の日や夜でも目につくようになど、様々な工夫をこらすと良いでしょう。
オンラインでの集客
オンラインでの集客はもはや必要不可欠です。
拡散性はもちろん、歯医者を探す際、ほとんどのユーザーが、「インターネットで調べる→比較する→決定する」の手順を踏みます。
このユーザーが調べる一連の流れの中で、アプローチをしていくために必要な集客方法をご紹介します。
リスティング広告は、検索結果部分に連動して表示される広告のことです。
ポータルサイトや、その他の自然検索結果よりも上位に医院の情報を載せることができるため、高い露出度と集客効果が期待できます。
またSNS広告は、細かいターゲティングを設定して打てるため、集客したい新規顧客層に向けたアプローチをすることができます。
SNSは全体的に若年層のユーザーが多いため、特にターゲットとなる矯正歯科や審美歯科などに向いているでしょう。
ポータルサイトは、全国各地にある歯医者の情報をまとめたサイトです。
ユーザーは各専門分野や治療メニュー、地域や希望日時から予約まで行うことができます。
登録をしておくことで、直接ポータルサイトを利用するユーザーにアプローチすることができるため、特に新規顧客の獲得に有効です。
代表的なポータルサイトとして、「EPARK歯科」や「歯科タウン」が有名です。
「EPARK歯科」https://haisha-yoyaku.jp/
「歯科タウン」https://www.shika-town.com/
Twitter・Instagram・FacebookといったSNSは、認知拡大やブランディングに有効です。
日々の治療の様子や、院内やスタッフの紹介などこまめな発信は大切です。親しみをもってもらいやすくなり来院にもつながる可能性もあります。
ただ注意していただきたいのが、SNSはやれば集客ができる!のではなく、ユーザーとの接点を増やすことが目的になります。
まずは自分たちの医院を知ってもらうことで興味をもってもらう、そしてファンになってもらうことを意識して運用していきましょう。
下記の例を参考に、定期的な投稿をおすすめします。
【投稿例】
- 院内、治療中の様子
- 治療のビフォーアフター
- 歯科医・スタッフの紹介
- 感染症予防対策の様子
- 歯に関するお役立ち情報/豆知識etc.
SEO対策とは、検索キーワードで検索した際に自院のホームページを上位表示させる施策です。
例えば「品川 歯医者」と検索した際に検索結果の上位に対象のホームページを表示できれば、広告費をかけずに露出度や認知の向上、集客効果が期待できます。
しかし、ホームページを作成したばかりの医院や、競合が多い医院は上位化までに時間がかかる可能性が高いため、長期的な集客手段として対策する医院にとっては有効な施策です。
MEO対策とは、Googleマイビジネスを利用して、Google検索やGooglemapで自院の情報を上位表示させていく施策です。
Googleマイビジネスは無料で登録ができるため、MEO対策自体にも費用はかかりません。
Googleマイビジネスには詳細情報をはじめ、予約やユーザーからの口コミが掲載されるため、ホームページがない医院でも新規顧客やリピーター獲得に有効です。
さらに集客を増やすために必要なポイント
ここまで、具体的な集客方法をいくつかご紹介しました。
しかし手当たり次第に対策を行っていても、効果を最大限に発揮できません。
ここではさらに集客を増やすためのポイントをご紹介します!
患者が必要としている情報を載せる
まず、患者さんが医院を選ぶ時に必要となる情報はきちんと発信できているでしょうか。
以下は、基本的な情報です。ホームページやポータルサイト、Googleマイビジネスに掲載されているか確認してみましょう。
- 住所/電話番号
- 診療時間
- 写真(院内外・スタッフ等)
- 予約方法
- 治療内容/料金
- 歯科医、スタッフの紹介
- 患者さんからの口コミ
競合の歯医者との差別化
冒頭でも述べたとおり、競合の多い歯医者では、他の歯科医院と差別化ができる自分たちのウリを発信していくことがとても重要です。
【差別化の例】
- 診察時間
┗平日遅く・土日も診療可
┗予約の時間通り診療している
┗待ち時間がない - 院内設備/立地
┗バリアフリー・キッズスペース完備
┗衛生環境・感染症予防対策を徹底している
┗最新設備を導入している
┗駅近・駐車場完備 - 治療方法/実績
┗毎回のカウンセリングは丁寧に行っている
┗専門治療の実績と年数がある
┗無痛治療を行っている - 発信している情報
┗ユーザーが知りたい情報が載っている
┗独自性がある
┗分かりやすい内容になっている
┗強い売り込みと捉えられる内容になっていない
患者さんがどの歯医者を選ぶかは千差万別です。
院内設備や、立地の良さなどは簡単に変えることが難しい部分ではありますが、それよりも自院のウリをしっかり見つけて、ターゲットにしっかり発信できているかがとても重要です。
口コミの数と内容
基本的な情報や、自院の特徴は自身で発信できる内容ではありますが、患者さんがもう1つ重要視するのは口コミの数とその内容です。
ポータルサイトやマイビジネスに登録していても、実際に訪れた人や通院している人の声が見えなければ、直接の来院にはつながりづらいです。
また口コミの数を増やすとともに、どこが具体的に良かったのか、ポジティブな投稿が多いほど患者さんの来院に大きくつながります。
ここを増やすためには、普段の診察対応が重要になります。
この歯医者に行ってほしい、共有したいと思わせられる対応を心掛けていきましょう。
リピーターを増やすための戦略
新規患者の集客を考えすぎて、既存患者やリピーターを増やすことが疎かになっていませんか?
リピーターを増やすことができれば、広告や宣伝費に費用を投資する必要がなくなります。
以下、重要な4つのポイントをご紹介します。
患者さんの基本的な情報はもちろん、予約履歴や、治療、カウンセリング内容など、1人1人管理できているでしょうか。
患者さんによって来院ペースは異なるため、以前に来院していた患者さんのデータをきちんと管理してしておけば、その時の症状やカウンセリング内容にあわせて、治療方法の提案や、コミュニケーションが取りやすくなります。
患者さんには治療に対する質問や、不安は少なからずあります。
その不安に対して、きちんと耳を傾けられていますか?治療だけに限らず、院内の衛生環境やスタッフの振る舞い方も患者さんは見ています。
自分本位な診療や、がさつな院内体制になっていないか、今一度見直していくことも大切です。
次の予約が希望通りとおらない、予約自体取りずらいと、患者さんは予約の取りやすい医院に移ってしまいます。
先生やスタッフのスケジュール上、対応が難しい場合もありますが、なるべく患者さんの希望通り診察ができるよう社内体制は整えておきましょう。
また現在ではネット予約だけでなく、LINEや専門アプリからもすぐに予約ができるツールを導入している医院も増えています。
急な予約や変更にも対応できる医院であれば、来院までのハードルも下がりやすくなります。また予約状況も簡単に管理できるのでおすすめです。
こちらは特に昔から開業している医院にある特徴ですが、決済方法が現金のみなどに限定されていると、利便性の面でマイナスに影響してしまうことが多いです。
現在では電子決済が多様化してきている分、キャッシュレス決済を好む人や、新型コロナウイルスの影響で非接触型の決済を望む人も多くいます。
現金や1つの支払い方法のみしか対応していないと、上記決済方法を望む人や、急な治療が必要になったが現金がない人などは他のクリニックへ移ってしまう可能性があります。
このようなもったいない離脱を防ぐためにも、クレジットカードや、Pay系決済、各種交通系ICカードといった決済方法は充実させておきましょう。
今からでもすぐにはじめられる!MEO対策とは?
ここまで集客方法や、ポイントまで紹介してきましたが、「結局何から初めたらいいの?」「そんなに宣伝費にお金かけられる余裕なんてないよ…」と悩める歯医者さんも多いのではないでしょうか。
そのような方にまずオススメしたいのがMEO対策です。
MEOはどのような特徴やメリットがあるのか、詳しく解説していきます。
MEO対策とは?
先ほどの「歯医者におすすめの集客手段」でもご紹介しましたが、MEO対策とはGooglemapを利用した集客方法です。
例えば、ユーザーが「地域名+業種・業態」(例:品川_歯医者)で検索した際に、対象の医院をGoogleマップ上の上位3枠に上位化させていく施策です。
MEO対策をはじめるべき理由
MEO対策にはどのようなメリットがあるのか、解説します。
まず1つ目は、誰でも・すぐに・無料ではじめられるという点です。
MEO対策はGoogleアカウントがあれば、基本的に誰でもはじめられます。
Googleマイビジネスに登録する必要がありますが、特別難しい作業などはありません。
平均して数十万円の費用がかかってしまう広告やSEO対策と比べて、気軽に始められるため宣伝費用がなかなか出せない歯医者でも導入しやすいのが魅力です。
以下の記事で詳しい登録方法を解説していますので、まだ登録していない医院は、早速はじめていきましょう。
MEO対策は、Googleマップの上位3位以内に対象の医院が入れば、広告枠やポータルサイト、SEO対策で上位化させるよりも上位表示されやすい特徴があります。
また直接医院の情報が表示されるため、ユーザーからの視認性も高く、ブランディングや認知度向上が期待できます。
②で述べたとおり、MEO対策で上位表示されれば、そのまま医院の情報が掲載されるため、気になった医院があればそこからすぐにホームページの閲覧や、ルート案内、問合せをしたりなどと、流入経路が作れるのも魅力です。
Googleマイビジネスは、簡易的に流入解析ができるインサイト機能がついています。
- マップや検索での店舗の表示回数
- 写真や動画の閲覧数
- 投稿の閲覧数
- ホームページのアクセス数
- 電話での問い合わせ数
- ルートでの検索数
上記は一部の機能になりますが、投稿内容や写真がどのくらい閲覧されているのか、ホームページや医院への流入に繋がっているかなどを確認することができます。
また新規来院患者数などと併せて分析してみることで、MEO対策の費用対効果や、その他の院内改善に役立てることができます。
歯医者が意識すべきMEOの運用方法
MEO対策は、Googleマイビジネスに登録しただけでは露出や流入を増やすことはできません。
情報がきちんと充実していたり、定期的な更新や運用がされているマイビジネスを、Googleは高く評価し、マップに上位化させていきます。
ここでは、歯医者が意識すべきMEOの運用方法をご紹介します。
まず基本的な情報は必ず登録しておきましょう。
以下の項目を参考に、情報がきちんと網羅されているか確認しましょう。
■医院名
■業種/サービスカテゴリー
■住所
■電話番号
■診療日/診療時間
■感染症予防対策情報
■公式ホームページURL etc.
マイビジネスには「サービス」や「商品」タブがあります。
各タブには、診療案内に必要な項目をいれておくと良いでしょう。
■「サービス」タブ
・専門治療(一般歯科、矯正歯科、小児歯科など)
・詳細な治療方法 etc.
■「商品」タブ
・矯正器具の写真と価格
・各治療料金 etc.
マイビジネスにはブログのような投稿や、写真や動画の登録ができます。
患者さんも院内や治療の様子などを積極的に発信している歯医者ほど、安心して利用することができます。
投稿機能を使って以下のような情報を発信していくと良いでしょう。
■治療の様子が分かる写真や動画
■院内外の写真
■歯科医、スタッフの紹介
■歯にまつわる豆知識やお役立ち情報
Googleマイビジネスに投稿された口コミは、返信することができます。
口コミは、投稿したユーザー以外にも来院を考えている人や、比較検討しているユーザーなども見る箇所ですので、必ず返信をしましょう。
また、通常は来院しないと見ることができない、患者さんへの対応やコミュニケーションをユーザーは見ることができます。
評価の高い口コミだけでなく、評価の低い口コミに対しても真摯に対応していくことで、安心感や信頼感、そして来院につなげていくことができます。
返信方法については、以下の記事を参考にしてみましょう。
競争が激化する歯医者は集客での差別化が重要
歯科業界はこれからさらに競争が激化すると予想されます。
その前に各医院がそれぞれの集客方法で差別化を図っておくことがとても重要になります。
ご紹介した対策をはじめ、自分たちの特徴や強みをもう一度考えたうえで、効果的な集客を行っていきましょう!