「リスティング広告を改善するには何から手をつければ良いかわからない」
「最近リスティング広告を始めたけど、失敗したらどうしよう…」
このようにリスティング広告の運用で、なかなか成果が出ずに悩んでいるWeb担当者の方は少なくありません。
本記事では、リスティング広告の初心者さんに向けて、リスティング広告で成果を出すために知っておきたい基本情報や改善方法、施策理由をポイント別にご紹介します。
リスティング広告改善の前に確認すること
下記ではリスティング広告を改善させる前に確認しておきたい指標をお伝えします。
1.どうなれば成功か?運用目的・目標の明確化
改善策を調査する前に、どうなれば成功と言えるのでしょうか。
自身の立ち位置を踏まえ、運用の目的・目標を明確化して、強みを伸ばすか、余分な箇所を削減するか決定しましょう。
目的・目標の軸が定まっていない限り、「入札価格を引き下げる」や「キーワードを追加する」といった、部分的な改善策に着目すると、本来の成功と離れてしまいます。
例えば、レッドオーシャンでサービス展開をしている企業が、広告運用のコストを削減したいという課題のみに着目して「入札価格を引き下げる」という部分的な改善策を行うと、競合広告との競争力が低下し、競合広告よりも展開することが難しくなります。
リスティング広告を運用する目的・目標を明確化した上で、改善策を進めていくことがカギとなります。
2.効果測定の指標を使いこなして分析する
運用の目的や目標が明確化できたら、どの指標を重視して改善を進めていくか分析しましょう。
効果測定の指標としては下記などがあります。
- インプレッション数
- CTR(クリック率)
- CTR(クリック単価)
- CV数(コンバージョン数)
- CVR(コンバージョン率)
- CPA(コンバージョン単価)
今回は根本的な指標である、CVとCPAに着目して記述していきます。
3.CVを伸ばす、CPAを下げることを意識する
リスティング広告で望ましいことは、CV(コンバージョン数)を増やしつつ、1件獲得するあたりのコスト=CPA(コンバージョン単価)を抑えることです。
上図の階層で成り立っているため、ここからはCV(コンバージョン数)を増やすにはどの段階から手を加えると成果が見えてくるか、CPA(コンバージョン単価)を抑えるにはどう対応するべきか、をイメージしながら調整していきましょう。
リスティング広告における目標CVを伸ばす施策
まず、CV(コンバージョン数)とは、「最終的な成果や達成」を意味します。
下記が計算式となります。
CV=クリック数 × CVR(コンバージョン率)
CV=コスト / CPA(コンバージョン単価)
計算式を活用して、目標のCVを獲得するために必要なクリック数=目標CV/CVRを算出することができます。
例えば、目標CVが月に100件としたら、CVRが2%の場合は以下のようになります。
CV100 = クリックX × CVR2%
クリックX = CV100 / 0.02 = クリック5000
目標CV100件を獲得するためには、合計で5000件のクリックが必要です。
上図の通り階層分けしていくと、CVはクリック数やCVRが関わってきて、クリック数にはインプレッションやCTR(クリック率)が繋がってきます。
CV獲得のために、クリック数を上げること、CTRを上げること、インプレッション数を上げること、それぞれについて改善していく方法を記述していきます。
1.キーワードを追加・マッチタイプを見直す
コンバージョンに繋がる見込みのある関連性の高いキーワードを追加しましょう。
追加する理由は2つあります。
潜在的な需要の発掘:従来のキーワードではカバーしきれなかった潜在的な需要へアプローチできます。
関連性の向上:広告がより関連性の高い検索クエリへ表示されやすくなり、ユーザーのニーズにマッチしやすくなります。
また、キーワードのマッチタイプ「インテントマッチ」「フレーズ一致」「完全一致」を適宜見直しましょう。
クエリを確認した際に、コンバージョン獲得実績のあるキーワードがあれば、「インテントマッチ」や「フレーズ一致」で拡張させていき、拡張しすぎて関連性の低いキーワードがあれば「完全一致」で絞るなど調整をすることで改善する可能性があります。
2.入札価格を引き上げる
コンバージョンを獲得する手段の一つとして、入札価格を上げることで、競合他社よりも広告の表示順位が上がり、より多くのユーザーに対して広告の露出を行う策があります。
入札価格を上げるべきか判断するには、キャンペーンのインプレッションシェア損失率(ランク)を確認しましょう。
インプレッション シェア(IS)とは、広告が表示される可能性があったインプレッション数(推定値)で実際のインプレッション数を割った値です。
引用元:Googleヘルプ インプレッション シェアについて
つまり、この数値が低いと機会損失を起こしていることがわかります。
数値が低い要因を理解するには下記2点の指標があります。
インプレッションシェア損失率(予算):予算不足が原因で広告が表示されなかった回数の割合です。
インプレッションシェア損失率(ランク):広告ランクが低いために広告が表示されなかった回数の割合です。
入札価格は、インプレッションシェア損失率(ランク)に該当します。
インプレッションシェア損失率(ランク)が70%であれば、同じキーワードに出稿している競合とのオークションに負けてしまっているということになります。
自社広告が機会損失を起こしている可能性が高いため、引き上げを行うのも策の一つです。
3.広告文を修正する
広告文は、検索した際に最初に見込み顧客の目に留まって、クリックなどの行動を起こすか判断をする箇所でもあり、コンバージョン率、クリック率、掲載順位を左右する要素となります。
広告文は以下5つの要素で構成されています。
広告見出し/タイトル:ユーザーが検索したときに一番最初に見る場所のため、検索する可能性の高いキーワードを含めると効果的です。
表示URL:広告に表示されるウェブページのアドレスです。
パス/ディレクトリ:2つ設定できるURLの語尾に表示されるテキストで、広告で宣伝する商品やサービスを記述します。
説明文:2つ設定でき、商品やサービスの詳細をそれぞれ90文字でアピールできます。
アセット/広告表示オプション:「通話ボタン」「Webサイトの特定箇所」などのビジネス情報を増やすことができる機能です。「問い合わせはこちら」のようなCTA(行動喚起)を促すことができます。
ユーザーが広告をクリックした先に、ニーズに合致する情報があると思ってもらえるようなアピールができるよう、以下2つのポイントで確認しましょう。
①キーワードやLP内容に合っているか
広告文が、設定したキーワードやランディングページ(LP)の内容と相違していると、見込み顧客の購買意欲や信用性が低下してしまい、クリックは発生してもその先のコンバージョンは伸び悩むことになります。
例えば、広告文には「中小企業のお客様に人気 | Web広告運用」と記述があるのに、LPの取引先一覧に大企業の名前のみを提示していると、本当に中小企業のために成果を出してくれるのか?と疑ってしまいます。
キーワードから広告を見つけた見込み顧客が、求める情報へ期待通りにアクセスができるよう、広告文を調整しましょう。
②アセット/広告表示オプションの調整
先述にある通り、広告表示オプションは広告文の下に更に情報を付け加えることができる機能です。
広告が表示された時点からユーザーに判断材料を与えることで、自社の商品やサービスの広告をユーザーに納得した状態でクリックしてもらいやすくなるため、クリック率の向上だけでなく品質スコアの改善にも繋がります。
主な広告表示オプションは下記になります。
- サイトリンク
- コールアウト
- 構造化スニペット
- 電話番号表示
- メッセージ表示
- 住所表示
- アフィリエイト表示
- アプリリンク表示
- プロモーション表示
見込み顧客の視点からどの訴求があれば刺さってくれるのか、情報がわかりやすいのか調整してみましょう。
広告表示オプションは常に表示されるわけではなく、「掲載結果の向上が見込まれる場合」「広告の掲載位置と広告ランクが十分に上位である場合」に限られます。
以上の点に注意して、広告文や広告表示オプションを上手く組み込んでアピールしましょう。
リスティング広告におけるCPAを下げる施策
まず、CPA(コンバージョン単価)とは、一件のコンバージョン獲得に支払う費用のことを指します。
CPAが低いほど、広告主にとって効率的な広告運用が行われていると言えます。
下記が計算式となります。
CPA=広告費 / CV
例えば、一か月の広告費が100,000円で、コンバージョンが20件となった場合は以下のようになります。
CPA=100,000 / 20=5,000
一件のコンバージョンを獲得するのに対して5,000円かかったことになります。
もし、この商品やサービスの単価が2,000円だとしたら3,000円の赤字が発生してしまいます。
CPAの計算式を理解していると、赤字を発生させず売上に対して適正価格でコンバージョンを獲得できているかなどを把握することができます。
1.キーワードを除外する
先述では、キーワードを追加して潜在的な需要の発掘や関連性を向上させることをご紹介しましたが、あえてキーワードを絞る方法もあります。
出稿したキーワードが拡張されることによって、関連性が無いところへ拡散されたり、想定よりもコンバージョンが獲得できていなかったり、コンバージョン単価が高すぎるキーワードが発生するためです。
キーワードを除外して、関連性が無いところへの拡張を制限し、意図しないユーザーからのクリックを防ぎましょう。
除外キーワードもマッチタイプによって除外範囲が異なります。
完全一致:完全に一致するキーワードが別の語句を含まずに同じ語順で検索に使用された場合に広告が表示されなくなります。
フレーズ一致:完全に一致するキーワードが同じ語順で検索に使用された場合に広告が表示されなくなります。
部分一致:除外キーワードに含まれるすべての語句が検索に使用された場合に広告が表示されなくなります。
例えば、除外キーワードを「ゴルフ 用品」とした場合には下記のようになります。
打ち出したいキーワードに全く関連のない語句は、部分一致で除外することが多いです。
2.キーワードを停止する
キーワードを除外してもCPAが下がらない場合は、キーワードを停止する策もあります。
- ニーズに合わないと分かったキーワード
- コンバージョン単価が高く、サービスの単価が見合わないキーワード
キーワードが停止すると、配信されなくなるため機会損失に繋がりコンバージョン数が減る可能性があります。
そのため、他の策をやりきってもなお成果がでない状況の際に、最後に行うようにしましょう。
3.配信先を絞る
配信先が拡張されることによりコンバージョンに繋がらないクリックが増えてしまうと、CPAが高くなってしまうため、下記セグメントで配信先(ターゲット)を絞りましょう。
- 地域
- 使用デバイス
- 年齢
- 性別
CVR(コンバージョン率)が高く、CPAも高騰せずに効率的にCV獲得ができている地域・年齢・デバイスなどのユーザー属性を参考にして配信設定を絞ると効果的です。
店舗ビジネスの場合は店舗からの距離が近いユーザーほどコンバージョン率が高くなります。
五反田に住んでいるのに、所沢など遠い場所へ訪れる人は少ないですよね。
広告の必要に応じて、拡張されたことで余分なコストが発生していないか随時確認しましょう。
4.入札価格を引き下げる
CPAを高騰させないために、入札価格の上限を下げてCPCを低下させ、結果的にCPAを抑制させる策があります。
想定以上に高額の入札単価を支払っている場合、単価を下げて適切な価格にします。
上限の入札価格を下げることにより、広告掲載順位が下がり露出が減ってコンバージョン獲得に影響する可能性があります。
入札価格を下げるのみでは成果が悪化することに繋がってしまうため、慎重に検討しましょう。
5.品質スコアを上げる
「広告の品質を高める」ことで見込み顧客に適切な広告を表示でき、クリック率、コンバージョン率が上がって、CPAを効率よく抑えることができます。
あくまでも品質スコアは実際のオークション時に使用される評価基準ではないため、スコアを追うのではなく結果として参考程度で確認し、「広告の品質自体を高める」ことに注力しましょう。
品質スコアとは、自社広告と競合の広告を比較した際の目安をスコアで表示している診断であり、キーワード単位で1~10の数値で確認することができます。
品質スコアは、以下3つの要素から算出されます。
推定クリック率:登録キーワードで表示された広告がクリックされる可能性の高さ
広告の関連性:検索語句の意図と広告文が一致する度合
LP(ランディングページ)の利便性:ユーザーにとってLPがどのくらい関連性、情報の透明性、操作性があるか
各要素には、評価に応じて「平均より上」「平均的」「平均より下」のステータスがあり、過去90日間に同じキーワードに対して広告が表示された競合広告との比較に基づくものです。
品質スコアは参考程度であるとお伝えしましたが、オークションには上記の「推定クリック率」「広告の関連性」「LP(ランディングページ)の利便性」がリアルタイムで使用されます。
上記項目が「平均より下」の評価であれば、広告文の変更やLP内容の変更など対策を行いコストを下げて効率的にコンバージョンを獲得しましょう。
まとめ|リスティング広告改善のためにできること
本記事では、リスティング広告の改善においてCV・CPAポイント別でご紹介しました。
- 改善前に広告運用を行っている目的・目標を明確化させることが大切
- 結果がどこから影響を受けたか、効果測定の指標を使いこなして分析・改善
リスティング広告を始めたばかりは部分的な施策に着目しがちですが、全体を俯瞰して分析をしてみると効果的な施策が見えてきますので、本記事をご参考いただければ幸いです。
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